ユニクロを全型購入するMBさんが気づいた、買い物のコツとは?

  • イラスト:東海林巨樹
  • 編集&文:倉持佑次

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新しい服に袖を通す時の喜びは、いくつになっても変わらない。そんな宝物に出合うきっかけとなるのが“買い物”である。服飾業界の買い物好きとして知られるMBのマイルールとは?

Pen最新号、2023年春夏ファッション特集『買いたいもの最新リスト』より抜粋して紹介する。

現在発売中のPen最新号、2023年春夏ファッション特集『買いたいもの最新リスト』では、人気メゾンから届いた今季を象徴する逸品、トレンドを取り入れ、着こなすためのキーアイテム、モダンで使い勝手のいいリアルクローズなど、Penがお薦めするアイテムの最新リストを掲載。ファッション業界の買い物好きに訊いたマイルールやクリエイターの定番アイテム&ウィッシュリストなども紹介。魅力的な品々から、“買いたいもの”を見つけてほしい。

『買いたいもの最新リスト』
Pen 2023年5月号 ¥950(税込)
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「服はボトムスから揃える」「ドレスとカジュアルのバランスを7:3に整える」など、理論的なメソッドで多くのファッション難民を救っているMB。彼が手がける書籍は累計200万部を突破しており、YouTubeチャンネルの登録者数は40万人を超える。

「僕のメルマガやブログの読者さんたちは、お洒落に苦手意識をもっている人たちやファッションビギナーが中心です。でも実際、世の中の大半の男性は、お洒落に見られることよりも、ダサイと思われないことのほうに関心があるんです。僕はそんな人たちに、感覚ではなく、理論的かつ具体的なアドバイスでファッションの楽しさを伝えたいと思っています」

MBさんが発信するコンテンツの中で特に高い人気を誇るのが、ユニクロやGUなど、低価格帯の商品を展開するファストファッションブランドを扱ったものだ。特にユニクロは毎シーズン、新作全型レポートを実施。昨シーズン、YouTubeで紹介したマルニとのコラボニットはプライベートでも愛用中だという。

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MB●1980年、新潟県生まれ。プロバイヤーや企業コンサルタントなどのかたわら、ブログ「最も早くオシャレになる方法Knower Mag」を運営。著書に『最速でおしゃれに見せる方法』(扶桑社)など。YouTube「MBチャンネル」ではほぼ毎日ファッション情報を配信中。

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迷ったらとりあえず買う、しかしセールでは買わない

驚いたのは、それらのコンテンツをつくるにあたり、たとえばユニクロの商品ならば毎シーズン必ず全型を購入して、着こなしの研究を行っているという点だ。それだけ多くの服に触れる中で導き出された、MBさんの買い物のルールとはどんなものだろうか?

「迷ったら買う、ということは実践していますね。いろんなものを見て、いろんなデザインを見て、いろんな服を見て、それらを総合して情報としてお伝えする仕事なので、なにか迷うってことは、自分の中ではちょっとでもいいなって思っているわけで。それなら買ってから考えればいいや、と思っているくらいです」

一方、MBさんはセールで服を買うことは控えているという。

「やっぱりアパレルで食べさせてもらっているし、セールで利益が出ないことも知っているので。それと単純に、セール期にいい商品って構造的に残りにくいんです。1万円のものが30%オフで7000円になっているから得なのではなくて、そのものはもう7000円の価値しかないんだっていうことなんですよね」

聞けば、ほぼ毎日服を買う生活だというMBさん。職業柄とはいえ、なぜそうも熱心に買い物を続けていられるのだろうか。

「新しい価値と出合うことが、自分を変えてくれるからです。僕の場合はそれが仕事にもつながるので、買い物というより仕入れですかね(笑)。洋服って総合芸術じゃないですか。多くの人が関わって完成した〝価値の集合体”みたいなものを、ファストファッションだと900円くらいから買えちゃうっていうのは、本当にすごい時代だなと思います」