美しい草原の中に刻まれた「四角」と、ぽっかり浮かび上がる「丸」。そして斜めに走る切り込みも見える不思議な光景。
この写真を初めて見た人は「地中にある古代遺跡？」と思うかもしれないが……。実はこれ、地中に建てられたホテルなのだ。別の角度から撮影された俯瞰写真（↓）を見ると、その実態がよく分かる。
草原にできた窪みに合わせ、コンクリートを「はめ込む」形で建物が構築されている。緑あふれる周辺の自然とグレーのコンクリートの「近未来感」が、ダイナミックかつ美しく共存する。
このホテルはホテルグループ「サイレント・リビング」コレクションの１つ、「カーサ・ナ・テラ（大地の家）」だ。建築家マヌエル・アイレス・マテウスがグループを経営し、建築デザインも担当している。スイートルーム3つだけのこのホテルは、アレンテージョ地方の柔らかな丘陵地帯にある広大な大地の「下」に埋っている。
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Wallpaper誌の報道によると、この地域は（地表に）建築物を建てることが禁止されている。アイレス・マテウス氏は景観と建物を溶け込ませ、「環境に対する責任を果たすこと」を念頭にこのホテルをデザインしたという。
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コンクリートを主材料とした建物部分は、地表からは見えない。唯一見えるのは円形の天窓だ。
白くて丸い部分が天窓。silent__living-Instagram キャプチャ画像
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窪みの向こう側は湖がある。パティオからは湖を彩る朝日と夕日の両方を眺めることができる。
春と夏には野の花が周りを覆う。
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大胆な発想から生まれたホテルだが、緑の大地を大切に思う気持ちは室内インテリアにも反映されている。色味を抑えたシンプルな内装で統一されており、室内にいながらも地上に広がる草原、空気、水、空との一体感を味わえる。
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暖かい季節の到来と共に、ゴールデンディークや夏休みのビジョンが頭をちらつくはずだ。「今年こそ海外へ」「ホリデー先で癒されたい」と思っている人にぜひおすすめしたい。
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動画で見る「カーサ・ナ・テラ」
まるで楽園のようなこのホテル。心静かに時を過ごしたい人に最適だ。
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白くて丸い部分が天窓。silent__living-Instagram キャプチャ画像
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動画で見る「カーサ・ナ・テラ」