“湯”のさらなる癒やしを求めて。 旅館・界が『湯道』と共鳴、温泉がもっと楽しくなる!

  • 文:Pen編集部

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界 鬼怒川(栃木県・鬼怒川温泉)

湯を尊び、湯を楽しむ——日本人が愛するお風呂。 放送作家・小山薫堂(※)が提唱する、湯への精神や様式を追求する「湯道」が、生田斗真主演で映画になった。古びた銭湯を舞台に、笑いと涙の群像劇が描かれる。

そんな映画『湯道』の世界を堪能できる宿泊プランが、星野リゾートが展開する温泉旅館「界」で、映画公開日となる2月23日から提供される。Pen編集部ではこれに先駆け、界 鬼怒川を訪問。同宿泊プランを体験してきた。

※…湯道初代家元。「湯道」を通して日本の入浴文化の保存、普及及び国内外への啓蒙活動をする湯道文化振興会の設立者。

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随所に感じられる、その土地の文化と伝統

東京から電車で2時間ほどの栃木・鬼怒川。今では街全体がコロナ禍以前の本来の活気を取り戻しているそうだ。界 鬼怒川には、鬼怒川温泉駅から車で約5分で到着できる。ロータリーから宿泊施設まではスロープカーを使って移動するのだが、この演出が、忙しい毎日を忘れさせる「非現実」な世界へといざなってくれる。

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ロータリーから宿まではストープカーで移動。

エントランスでは、約200枚の豆皿と大きな壺が出迎えてくれる。実はこれらはただの飾りではない。毎晩開催されている「益子焼ナイト」で使われるのだ。

全国に22施設ある「界」は、その土地その土地の魅力が詰まったおもてなしが特徴のひとつ。温泉はもちろんのこと、各地域の名産品が彩る「ご当地部屋」、歴史や伝統工芸に触れられる「ご当地楽」と、その土地の文化に出合える様々な工夫が凝らされている。

先述した「益子焼ナイト」は界 鬼怒川オリジナルの「ご当地楽」で、益子焼マイスターが益子焼の特徴や歴史を教えてくれるアクティビティだ。参加費は無料、予約なしで参加できる上、豆皿を使ったクイズや楽器演奏など内容も申し分ない。

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豆皿は全てが益子焼ではないのだが、その理由は「益子焼ナイト」で明らかになる。この壺にもある仕掛けが。(下の写真は編集部撮影)

ご当地を感じられるのは益子焼だけではない。客室は48室すべてが「とちぎ民藝の間」。今では職人が一人しかいないという黒羽藍染によるベッドライナーやランプシェード、クッションカバーなどが並び、独特の質感の「大谷石」が敷かれたテラス、鹿沼組子の装飾など、細部にわたって栃木の文化と伝統を感じさせてくれる。

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至るところに伝統工芸品が使われている「とちぎ民藝の間」。(下2枚の写真は編集部撮影)

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特別会席で感じる栃木の魅力

味覚でも栃木を堪能することができる。特別会席には、かんぴょうを使った土佐酢和えやパンナコッタ、巻湯波、とちおとめのドレッシングで和えた牛肉とらっきょうのタルタルなど、栃木の名産が多数。

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牛肉とらっきょうのタルタル とちおとめのドレッシング(写真は編集部撮影)

冬は、界 鬼怒川からほど近い絶景の渓谷、龍王峡をイメージしてつくられた「龍神鍋」が提供される。火を使わずに800度に熱した石を入れて煮込むこの鍋は、唐辛子が練り込まれた味噌ベース。旨みが凝縮したスープは味噌汁としても飲めるので、芯まで温められる。

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圧巻の「龍神鍋」

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温泉をもっと楽しめる、映画『湯道』追体験プラン

忘れてはならないのが大浴場。界 鬼怒川の大浴場は、桜の木と鬼怒川の山々を望み、四季折々の表情を見せてくれる。この時期なら雪景色が拝めるかもしれない。

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大浴場と露天風呂。泉質はアルカリ単純温泉。

そして、“湯”といえば湯道。今回の宿泊プランでは、湯道の作法が記された「ガイドブック」や「水呑み」「手拭い」「湯桶」などの湯道グッズも用意される。もちろん大浴場での使用も可能だ。ガイドブックの作法に従って温泉に入れば、いつもとは違った風情と、湯の新たな魅力を感じるはず。

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湯道具のイメージ。朱色の手ぬぐいは作中で登場する「湯道会館」でランクが上とされるもののみが持つことができる。

映画『湯道』では、登場人物たちが入浴後、牛乳を飲むシーンが描かれるのだが、この宿泊プランでも、湯上がり処(※界 阿蘇では各客室)で地元の牛乳を味わうことができる。界 鬼怒川はコーヒー牛乳だそうだ。お風呂&牛乳の組み合わせはベタと思われるかもしれないが、実際に湯上がりに牛乳を飲んでいる人はそう多くはないはず。しかも瓶で飲める。よく冷えた牛乳は絶品だ。

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各地域ごとにその土地にちなんだ牛乳が提供されるという(写真はイメージ。編集部撮影)

入浴の前後には「温泉いろは」 がお勧め。各施設の温泉の効能や性質をはじめ、リラックス効果のある呼吸法やストレッチを教えてくれる。運動が疎かになりがちな現代人にとっては意外と大変かもしれない。だが、内側と外側から温まった体には、冬の冷たさも心地いい。これに加えて今回は、映画『湯道』で登場する掛け軸「湯道の心得」も掲示される。各施設によって4種類あるそうなので、こちらも注目してほしい。

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掛け軸「湯道の心得」。

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温泉文化と地域の特色を融合させ、コンセプトである「王道なのに、あたらしい。」を体現する界。毎朝開催している「現代湯治体操」や、忙しい現代人に向けて提唱している「うるはし現代湯治」など、湯を通した癒やしを提供し続けている。

そんな界のサービスに『湯道』という新たな楽しみ方が追加された今回の宿泊プラン。対象となる宿泊期間は2月23日から3月14日まで。この機会に、ぜひ浸ってみてはいかがだろうか。

温泉旅館「界」×映画『湯道』
宿泊プラン概要

宿泊期間:2023年2月23日~3月14日(※延長する可能性あり)
予約開始:2023年1月18日
予約方法:2023年1月18日に公開される専用サイトからWeb予約(※組数限定)
対象施設:界21施設
料金:32,000円~(2名1室利用時1名あたり、税・サービス料込)
含まれるもの:夕食、朝食、湯道具(ガイドブック、水吞み、手ぬぐい)、専用湯桶貸し出し
https://www.hoshinoresorts.com/sp/kaiyudo/

界 鬼怒川(栃木県・鬼怒川温泉)

所在地:〒321-2526 栃木県日光市鬼怒川温泉滝308
電話:050-3134-8092(界予約センター)
客室数:48室/チェックイン15時、チェックアウト12時
アクセス:(電車)鬼怒川温泉駅より車で約5分・(車)今市ICより約25分
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaikinugawa/

映画『湯道』

2023年2月23日(木・祝)公開
企画・脚本:小山薫堂
監督:鈴木雅之
出演:生田斗真、濱田岳、橋本環奈 ほか
https://yudo-movie.jp/