Pixel Watchが転倒検出機能を追加、「誤通報」問題にも機械学習と厳格なテストで対策

  • 文:山本竜也

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Googleは2月28日(現地時間)、同社のスマートウォッチ「Pixel Watch」向けに転倒検出機能の提供を開始すると発表した。この機能自体は、Pixel Watchの発表時から搭載が予告されていたものだ。

転倒検出機能というのは、スマートフォンやスマートウォッチを使い、ユーザーが転倒したことを検出、そのまま緊急通報サービスに発信ができるという機能だ。iPhoneとApple Watchでは、昨年リリースされたiOS 16から対応している。 

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Googleより
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Apple Watchの転倒検出機能(Appleより)

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Pixel Watchでは、モーションセンサーのほかにもデバイス上の機械学習を利用して激しく転倒したかどうかを判断する。転倒を検出後、30秒間動かないでいるとアラームとともに時計の画面上にメッセージを表示。問題がない場合はメッセージタップするとアラームが停止する。もしアラームやメッセージに反応しなかった場合には、1分後に緊急サービスに発信を行い、自動音声で転倒し助けが必要なことを伝える。位置情報の利用を許可していれば、位置情報もあわせて送信される。なお、意識があり、自身で助けが必要だと判断した場合には、メッセージ上からすぐに緊急サービスに発信することも可能だ。 

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Googleより

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足腰が弱り転倒転落リスクが高まっている高齢者ならいざしらず、健常者の場合には文字通りに「転倒」で緊急サービスを利用することはあまりないかもしれない。ただ、バイクや自転車などのツーリング時に事故で転倒したり崖下に転落したりした場合などにも利用できるもので、iPhoneやApple Watchでは実際にこの機能のお陰で命が助かったという事例も報告されている。利用できるに越したことはないだろう。

とはいえ、ちょっとした転倒でも反応してしまうと、いちいち解除するのが面倒になり使わなくなってしまう可能性もある。また、今冬には、iPhoneやApple Watchがスキー場での転倒を衝突事故と誤検出して緊急サービスへの通報を行うという事例が多数報告されていた。これはiPhone 14とApple Watchに搭載されている衝突事故検出機能によるもので、転倒検出機能とは別の機能ではあるのだが、転倒検出機能でも同様の事例が発生する可能性は高い。ちなみに日本では、北アルプス広域消防本部に12月16日~1月23日の1カ月間で自動通報による誤通報が134件あったとのことだ。

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筆者撮影

Googleは、機械学習アルゴリズムと厳格なテストにより、Pixel Watchは激しい転倒と激しい運動の違い、または小さなつまずきからの素早い回復の違いを認識していると説明。誤報の可能性を最小限に抑えるために、人間やシミュレートされた幅広い転倒データや、その他の動作パターンを用いてこのプロセスを訓練したとしている。また、モーションセンサーを利用することから、例えばバービーや水泳など腕を激しくい動かす運動でも反応してしまう可能性があるのだが、これらについてもテストを行い、誤った通知がトリガーされないようにしたという。

本当に事故にあったり、転倒して自身では連絡できない状態になったりした場合に、自動で緊急通報してくれる機能は非常に心強いものだ。半面、誤報が増えると本当に救助が必要な人に手が回らなくなるなどの弊害も出てくる。誤報を0にし、100%の確度で転倒を検出するのは技術的には難しいだろう。こうした便利な機能を継続するには、ユーザー側でもこのような機能があることを認識し、誤報に繋がりそうな場面では機能をオフにする、メッセージにすぐに反応するなどの対応も必要なのかもしれない。

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Google Pixel Watch

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Googleより

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Googleより

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筆者撮影