時間がなくても、“アドビ”があれば⾃分らしく⼼地よく副業できる!

  • 文:久郷絵里
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近年、政府も推奨するリスキリング(スキルを付け直すこと、学び直すこと)。アドビのアプリは、その大きな味方となる。

コロナ禍でリモートワークが一般化し、副業を解禁する企業も年々増加中だ。従来はクリエイターだけのものと思われていたアドビのツールが、副業に踏み出す一般ユーザーへと一気に浸透している。

今回は、隙間時間を活用しながら、アドビのツールを使いこなし、「デザイン」と「動画」分野で、自分らしく心地よい働き方を手に入れた二人のクリエイターをご紹介。

副業におけるクリエイティブツールを習得したことで、本業のモチベーションをも上げた二人のライフスタイルの秘密に迫る。

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CASE1. 桃原教子さん(とうばる・きょうこ)さん

本業:やんばるでコワーキングスペースの店主

副業:Illustrator、Photoshopでデザインの受注

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趣味のイラストを“もっと描きたい”という気持ちが、スキルアップにつながる

沖縄県北部、豊かな亜熱帯照葉樹林が広がる「やんばる(山原)」。2021年、ユネスコ世界自然遺産に登録されたことでも記憶に新しい。手つかずの自然が残るこのエリアで、桃原さんは2017年にコワーキングプレイスを開いた。

店主として営業しながら、そのかたわらデザイナーとしてAdobe IllustratorやAdobe Photoshopなどのツールを使い、イラスト作成やウェブ制作の副業を行う。眼前に海が広がるロケーションがクリエイティビティを刺激してくれる。

「昼の大自然も絶景だけど、夜の満天の星空も素敵です。お店にはフリーランスで副業をしたいと集う人たちが多く、お互いに情報交換したり、キャリアが長い自分が請われて、ツールの使い方などのよろずレッスンをするもあるんですよ」

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桃原さんが運営するコワーキングスペース「SEASIDE OFFICE」。海まで30秒という好立地。
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利用者は他県からワーケーションや、フリーランスで仕事を行う人などが多数訪れている。

知り合いをつくることで仕事が広がっていく沖縄の文化にすっかり馴染んでいる桃原さんだが、実は東京生まれの東京育ち。移住前は現在のクリエイティブな仕事とはかけ離れた官公庁の事務官という職務についていた。当時の友人に誘われて始めた沖縄のダイビング。いつしかのめり込み、毎月のように時間を捻出して沖縄に通うようになっていた。

「沖縄の透明な海とカラフルな魚たちの美しさを見てしまったら、ここ以外でダイビングを楽しむことはできない。なにがなんでも潜りたい。それほど魅力的なんです」

毎月の旅費を考えても、思い切って移住するべきかもしれない。もともと決断力のある桃原さんに迷いはなかった。計画的にプランを進め、知り合いに頼んで沖縄で職を得てから移住に踏み切った。それがいまから20年ほど前のことだ。

沖縄ではホテルのウェディング部門で仕事をしながら、ダイビングを楽しむ日々。潜ったときにどんな魚を見たか、仲間たちと一杯飲みながらログブックに記録する。ある時、言葉だけで記録することに物足りなさを感じ、魚のイラストを描くようになった。

「子どもの頃から絵を描くのが好きでした。潜ったときに水深50メートルぐらいにいる“アケボノハゼ”を見て、そうだ、描いてみようと思ったんですね。からだの半分が乳白色で、もう半分が濃いピンクというか紫で、とってもかわいいんです」

最初はえんぴつで描いていたものの、仕事先でアドビのIllustratorと出会った。当時、ダイバーのログブックに貼れるような魚のイラストのシールをつくれたらと考えていた桃原さんにとって、Illustratorは夢を実現するツールとなった。

「独学で入門書を見て、魚の絵を描くためにはどういう機能が必要なのか調べました。これなら自分にもきっとできるはずと思って、中古品のモニターとIllustratorを購入しました。なにより感動したのはグラデーションです。沖縄の魚の自然な色を表現するにはきれいなグラデーションが重要でしたが、色えんぴつではこんなにきれいに出来なかった」

6年前からは日本最大級のクラウドソーシングサービス「クラウドワークス」経由で、仕事としてイラストを受注するように。もちろんその地点に達するまでには一朝一夕とはいかなかった。ひとつの作品をつくるまで膨大な時間がかかることもある。特に始めた頃はマウスのポインターが思うように動かなくて、イライラすることも多かった。

「できなくてもどかしい思いをしたこともたくさんありますが、そんな時はクラウドワークスやアドビのセミナーに積極的に参加して乗り越えてきました。セミナーでは、作業が上手くいかなかったときに情報を得るための検索のヒントや、時短の方法なんかも教えてくれるから、すごく励みになるんですよね」

いまではAdobe Photoshopも使いこなせるようになり、青みがかった画像になりがちなダイビングの写真も、加工して好みの色合いにすることが可能となった。

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桃原さんが手がけたイラスト。沖縄ならではの植物や食べ物など、テーマは地場のものにこだわって制作している。なかにはAdobe Stockに投稿しているものも。

副業を続けるためのコツは、本業をおろそかにしないこと

大自然からインスピレーションを受けてデザインの仕事をする桃原さんの毎日は充実している。朝は日の出が遅い“ウチナータイム”に合わせて、8時に起床。ストレッチをしながら身体を目覚めさせ、お昼のお弁当をつくってから車でお店に出勤。10時から18時まで店番をしてから、天気が良ければ海沿いを1時間ほどウォーキングしてから帰宅する。お店で時間がとれるときにはPCに向かってデザインをすることも多いが、要になる作業をしたいときには自宅で時間を区切って集中する。

日曜日と午前中は休日と決めてメリハリをつけるのも肝心だ。日曜日は週末婚の夫とともに過ごす。1週間分の食事をつくり置きしたりして、ゆっくりする。月曜日の午前中は都市部に出てスーパーで食材や日用品をまとめ買いする。そのスタイルをきちんと守る。

「副業を続けていくのに大事なのは時間をムダにしないということかもしれません。まず、副業のために本業をおろそかにしないことが大切。ちょっとの隙間時間もなんとなく過ごさないで、副業に利用することが大事だと思います」

まとまった時間ができたらやるのではなく、小刻みにでも確実に仕事を進めていくのが桃原さんのスタンス。だから無理をすることなく、先を見据えることも可能だ。

「実は次にチャレンジしたいことは3Dデザインなんです。趣味で琉球漆器の漆塗りをやっているんですが、Adobe Substance 3Dで琉球漆器のベースになる形をつくってみたくて。いまはこなすことがたくさんありますが、3年後にはデザインを実現したいとプランを立てているんです」

一定のペースを守りながらも着々と好きなことを仕事にしていく姿がまぶしい。こんな頼もしい大先輩の姿を見ていると、副業への一歩を踏み出してみたくなるというものだ。

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沖縄の伝統工芸である「琉球漆器」。桃原さんが手がけた作品のひとつ。

桃原さんのおもな使用ツール

  • Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)
    メインで使用しているツール。テキストと画像を組み合わせたレイアウトの作成やデザイン、線や図形を組み合わせたイラストの作成に最適だ。
  • Adobe Photoshop(アドビ フォトショップ)
    デザイン作業の際にも使用。ダイビングで出会った魚たちの写真の加工もこちらで。写真や画像の加工・色の調整、複数画像の合成、テキストの追加や装飾などが自在に行える。
  • Adobe Substance 3D(アドビ サブスタンススリーディー)
    琉球漆器の制作に伴って、これからチャレンジしてみたいツールのひとつ。3Dコンテンツやメタバース対応の没入型体験の制作を可能にするエンドツーエンドのソリューションを実現できる。

 

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CASE2. knkyo(かんきょう)さん

本業:看護師

副業:Premiere Proを使った動画編集

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未経験でも“とにかくやってみる”ことが、自然とスキルアップに

看護師として、日夜病気を抱える患者さんの医療的・精神的なケアを行っているknkyoさん。さぞハードな毎日だろうと想像されるが、3年前、看護師としての仕事をセーブすることなく初心者から動画編集の副業に乗り出した。現在までに受注案件は100件を超え、動画編集ツールのAdobe Premiere Proを使いこなす。自分のペースを崩すことなく、本業・副業ともに順風満帆というのだから驚きだ。

「常々限りある時間を有効に使いたいと考えています。人生を豊かにするために本業とは別に稼ぐ手段を得るべきだと考えたのが、副業を始めたきっかけです」

動画編集を始める以前は、日雇いの肉体労働やフードデリバリーなど身体を使う副業をしたこともあった。しかしながら、本業自体が夜勤もある肉体的にハードな看護師という職務。両立は困難を極めた。そんななか、コロナ禍で自然とITのほうへ目が向き、本業とはまったくかけ離れた動画編集というクリエイティブな副業にピンときた。

「家で過ごす時間が増え、ビジネス系のYouTubeチャンネルを見ることが多くなりました。マコなり社長やひろゆき、ホリエモンのチャンネルをよく見ているなかで、シンプルで気の利いた動画が自分でもつくれたらと思いました」

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作業環境は、ノートPCにモニター1台とシンプル。

「もっとしっかり勉強した後で仕事にするという考え方もある一方、責任感を持って実際の案件を受注するなかで、わからない部分をさらに学んでいく方法のほうが、自分の場合には効率よく編集スキルを身に付けられると思いました」

意外にも動画編集の仕事を発注するクライアントは、"初心者歓迎"と掲げているところも少なくない。仕事の案件もPremiere Proを指定ツールとしていることが多い。クライアント側の発注の仕方は、作業全般ではなく一部の作業を分担してほしいという案件がほとんどだ。実績がなくても受注ができるよう、テロップ挿入やカット、BGMの調整など、自分ができる作業やスキルを具体的に伝えた。

「たとえ初心者でもできる作業があれば仕事につながります。仕事をしていくなかでわからないことがあっても、YouTubeやGoogle検索で情報を得たり、初心者に丁寧に教えてくれるクライアントさんもいますよ」

いちばん最初に作成した動画のコンテンツは、ピザ屋さんの宣伝動画だった。どうやっておいしいピザをつくり、お客さんのもとへ届けられるのか。四苦八苦してつくり上げた動画が喜ばれたときの嬉しさや達成感は忘れられない。

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knkyoさんが制作したポートフォリオ動画。

副業が本業へのフィードバックにつながる

副業を続けていくには、本業に影響を与えたり、睡眠時間を削ることなく、自分自身で時間管理を徹底することが大切だと、knkyoさんは言う。本業がある日は勤務時間より早めに起床し、動画編集のために2時間とる。週に2~3日の休日には、まとまった時間を使って編集作業を行うこともある。

自宅のPCはモニターを2面使い。一方のモニターでYouTubeやGoogleで作業方法を確認しながら、もう一方のモニターで編集作業を行い、効率化をはかる。最近ではユーチューバーから動画のサムネイルの作成を依頼されることも増えたため、Photoshopも習得した。

目まぐるしい毎日のようにも思えるが、knkyoさんは自分のペースを決して崩さない。必ずなにもない休日を設けて、趣味のサイクリングでストレスを発散する。

「川沿いの堤防の近くを、風景を満喫しながら長距離サイクリングするのが好きなんです。動画編集と対極にあるような趣味だからいいんでしょうね」

実生活では昨年結婚。結婚式の動画を自ら編集し、妻のみならず親族や友人らに喜ばれたことが、さらなる自信につながった。いまは実家の魚屋の宣伝動画をつくるために奔走中だ。さらに最近、副業で極めた動画編集のスキルが、一見動画編集とは無関係な職場とも思える病院勤務にも役立つことを実感。

「医療の学会がオンラインで行われるようになり、動画で資料提出が求められることが増えました。そんな時、動画編集ができる自分に声をかけてもらえる。副業のスキルで本業のモチベーションもグッと上がってきました」

ストイックに時間管理を行い、副業に乗り出したことで、本業への意識も高まったknkyoさん。今後もさらなる活躍が期待される。

knkyoさんのおもな使用ツール

  • Adobe Premiere Pro(アドビ プレミアプロ)
    副業になくてはならないツールのひとつ。動画編集に必要なあらゆる機能を搭載。短いオンライン動画から長編映画まで思いのままに作成可能だ。
  • Adobe Photoshop(アドビ フォトショップ)
    おもに動画のサムネイル画像に使用。サムネイル画像のみの制作を頼まれることも。写真や画像の加工・色の調整、複数画像の合成、テキストの追加や装飾などが自在に行える。

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副業に興味はあるけれど、二の足を踏んでいるという人は多いだろう。今回のアドビのクリエイティブツールを使った副業の成功例は、そんな人たちを勇気づけてくれるストーリーだった。彼らに共通しているのは時間をムダにしないという意識の高さと自分らしい働き方を手に入れたいと願う思いの強さかもしれない。

アドビが近年行った調査「クリエイティブツールスキルと企業採用におけるニーズの変化」によると、企業におけるリスキリングの普及が広まっていると同時に、これまではクリエイティブツールを必要としないと思われていた職場における、クリエイティブデジタル人材確保の必要性も高まっているという。

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