ブランドイメージの再起を賭けて、“ヴィクシー”のショーが5年ぶりに復活

  • 文:さかいもゆる

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ランジェリーブランドのヴィクシーことヴィクトリアズ・シークレットのショーが、2018年11月のキャンセル以来初めて、年末に開催されることがわかった。同ブランドの最高財務責任者であるティモシー・ジョンソン氏は、ショーが「全く新しいスタイル」になって帰ってくることを発表。

バービードールのようなスタイルでランジェリーを着こなす人気モデルたちが登場するヴィクシー恒例のショーは、ジャスティン・ビーバーやマルーン5などの豪華ゲストたちのパフォーマンスもある華やかなもの。しかし18年頃からは、モデルの多様性や包括性に欠けることが時代にそぐわなくなったことで、バッシングを受けていた。

19年に経営幹部のエド・ラゼックがプラスサイズやトランスジェンダーのモデルを起用しないのかという問いに対し、「ショーは42分間のファンタジーで、そういうものは誰も見たいと思っていないし、我々に求められてはいない」と言い放った件は、18年にリアーナがローンチしたランジェリーブランド、「サヴェージxフェンティ」のショーに妊婦やプラスサイズモデルを登場させたのとは対極にある。ヴィクシーは時代の流れを読み違えてしまったのだ。

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LGBTQ+推進派やプラスサイズモデルを起用

様々な体型やスキンカラーに対応するサイズやカラーを取り揃え、広告やショーにも多様なモデルを起用した「サヴェージxフェンティ」の台頭と入れ替わるように、ヴィクシーのブランドイメージは低下してしまった。

その後、2021年からは従来のヴィクシー・エンジェルと名付けられた専属モデルのシステムを廃止。代わりに「VS コレクティヴ」というブランドアンバサダーたちを発表して、ブランドの刷新と改革に取り組んできた。メンバーにはLGBTQ+推進派のバレンティナ・サンパイオや、プラスサイズモデルのパロマ・エレセッサー、同性愛者でサッカー選手のメガン・ラピーノらが名を連ねる。

男性の性的オブジェクトとしてではなく、「女性たちが求めるもの」を軸に変化を遂げたヴィクシー。年末に開催されるショーでは「女性の声と彼女たちのユニークな視点を擁護するという私たちの使命を反映したものになる」という。

2020年には米「New York Times」誌の記事がエドのことを「女性蔑視やいじめ、ハラスメントの文化を生み出した」と告発し、ヴィクシーの経営会社のCEOだったレス・ウェクスナーはジェフリー・エプスタインとの密接な関係が明らかに。去年7月にはHuluで、ヴィクシー幹部によるセクハラやいじめの告発の真相を描いたドキュメンタリー番組を配信したばかり。

今回のショー開催について、インターネットでは賛否両論の声が聞こえるが、その中でもボディ・ポジティブ活動家である歌手のリゾの意見は的を射ている。

「これは包括性のための包括性の勝利。でももしこのブランドがこういうことをしているのが、単に炎上したからという理由だけなのなら、世の中のトレンドが再び変わったときに、何が起きるのかしらね。経営陣たちは真の包括性の意味を本当に理解しているのか、それともお金儲けのためだけにやっているのか。それは2023年のヴィクシーのショーと、時間だけが教えてくれること」。

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