戸谷成雄の軌跡をたどる『彫刻』から『春の江戸絵画まつり』まで、Penが選んだ今月の展覧会2選

  • 文:青野尚子(アートライター)
Share:

彫刻によって「視線」を掘り出す、半世紀にわたる創作の軌跡

2_戸谷成雄_POMPEII79.jpg
『POMPEII‥79 Part1』1974/1987 © Shigeo Toya Courtesy of ShugoArts 撮影:山本 糾

チェーンソーで木の表面を荒々しく切り刻んだ彫刻で知られる戸谷成雄。彼の「表面」「構造」といった彫刻概念には日本語の言語構造や、人間と物質、人間と人間の関係への深い思索が反映されている。彼はまた作品を「森」のメタファーであるといい、「視線を彫り出すことが彫刻である」という。本展は代表作によって彼の軌跡をたどるもの。大型の彫刻作品に取り囲まれるような空間をめぐりながら多中心的、ひだのような表面構造といった戸谷の思考を追うことができる。

『戸谷成雄 彫刻』

開催期間:~5/14
会場:埼玉県立近代美術館
TEL:048-824-0111
開館時間:10時~17時30分 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(5/1は開館)
料金:一般¥1,200
https://pref.spec.ed.jp/momas

---fadeinPager---

江戸時代の絵師たちが教える、美しい日本画の描き方とは

3_円山応挙雪中狗子図 済.jpg
円山応挙『雪中狗子図』

ルネサンス以降の西洋絵画では正確なデッサンや遠近法を駆使した表現が求められるが、同時期の日本美術の描き方はちょっと違う。とても平面的だったり、大胆に省略されていたり。『春の江戸絵画まつり』は毎春恒例の展示だが、今年は『江戸絵画お絵かき教室』として「描く」という行為に着目。江戸時代の絵師たちが“師匠”となり、「いい絵の描き方」を教えてくれる構成になっている。西洋絵画とは違う対象の捉え方や表現方法を知ることで、江戸絵画がますます面白くなる。

『春の江戸絵画まつり 江戸絵画お絵かき教室』

開催期間:3/11~5/7
会場:府中市美術館 ※4/11~後期(展示替えあり) 
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10時~17時 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(5/1は開館)
料金:一般¥700
www.city.fuchu.tokyo.jp/art

関連記事

※この記事はPen 2023年4月号より再編集した記事です。