5年半ぶりに特別公開! 狩野永徳、千住博という古今の“天才絵師”による障壁画に彩られた大徳寺聚光院

  • 文:中島良平
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【国宝】聚光院本堂障壁画『花鳥図』全景

1326年に開創され、20以上の塔頭(たっちゅう=高僧の弟子が基所に設立した小院)を有する禅宗寺院・大徳寺。その塔頭のひとつである聚光院は、茶聖・千利休の菩提寺にして、戦国大名ともゆかり深いことが知られている。その聚光院でこの3月26日まで、日本絵画史の最高峰のひとりである狩野永徳の障壁画や、さらには現代の抽象表現主義と日本画の技術を融合した表現が世界的に評価される現代美術家、千住博による障壁画『滝』が5年半ぶりに特別公開されている。

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本堂外観
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狩野永徳筆『花鳥図』北面
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千住博『滝』

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そのハイライトの一つが、狩野永徳とその父である松栄により描かれ、現在は国宝として京都国立博物館に収蔵されている聚光院本堂障壁画全46面の5年半ぶりの里帰りと一般公開だ。桃山時代の天才絵師とうたわれる永徳が、本堂(重要文化財)の中心的機能をもつ室中を任され、描き上げた傑作が『花鳥図』だ。

永徳の手による障壁画などが設らえられた安⼟城、聚楽第、⼤阪城などはいずれも焼失・破却されており、このスケールで現存するのは聚光院本堂障壁画のみである。1979年にレオナルド・ダ・ヴィンチの『モナリザ』が来日展示された際に、その答礼としてフランスで展示されたのがこの『花鳥図』だ。

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狩野永徳筆『花鳥図』 西面

一方、現代美術家の千住博による障壁画『滝』が納められているのが、書院だ。落慶したのは2013年。現代の抽象表現主義に根ざしたミニマルな表現を、日本古来の絵画技法を駆使して昇華した千住による作品が、狩野派の障壁画とはモチーフへのアプローチも色彩表現も異なる方法で空間を彩っている。

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千住博『滝』

茶道三千家(表千家、裏千家、武者小路千家)との深い関わりを伝える閑隠席、枡床席というふたつの茶室(重要文化財)、名勝に指定されている方丈庭園「百積の庭」なども公開されており、時空を超えた文化体験が京都で実限できる。公開終了までひと月を切った。臨済宗大徳寺派の本山を目指してほしい。

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閑隠席 露地
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枡床席
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百積の庭
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千住博『滝』

大徳寺 聚光院
国宝里帰り 特別公開

開催期間:〜2023年3月26日(日)
開催場所:大徳寺塔頭「緊光院」
京都府京都市北区柴野大徳寺町58
TEL:075-231-7015(京都春秋)
開館時間:10時〜16時(最終受付)
拝観休止日: 3月9日
拝観料:一般¥2,000、中高生¥1,000
※時間ごとのグループ拝観(ツアー形式)
※予約優先(京都春秋HPもしくは電話受付にて)
※小学生以下拝観不可(乳幼児を抱っこしての拝観も不可)
https://kyotoshunju.com/?temple=daitokuji-jukoin

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