洒落見えする技ありスウェットシャツを、大人が着るセンス 厳選5着【着る/知る Vol.146】

  • 写真・文:一史
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過日にアラフォーの有名イケメン男優にファッション関連のインタビュー取材をしたときのこと。「普段は楽な服装が好み」と語った彼に「スウェットシャツとかですか?」と尋ねたところ、「さすがにスウェットは着ませんけど」との返答。その言葉には「大人がスウェットシャツを着るのは野暮ったい」、といった否定的なニュアンスがあった。モードブランドの服をよく着るこの俳優には関心外のアイテムらしく、スウェットシャツ好きとして寂しく思ったものだ。

一方で日頃から付き合いのあるファッション関係者の間では、スウェットシャツはトップクラスに好きなアイテムへと評価が一変する。その人が古着好きであるほど思い入れが強いようだ。20世紀半ばのスポーツウエアだった歴史的背景がマニア心に響く。ただ確かに、大人がスウェットシャツを着ると学生風になりやすく、洒落見えさせるのは難しい。普通のスウェットシャツを普通に着て絵になるのは、相当にルックスのいい人に限られるだろう。

そこで今回のファッション連載「着る/知る」がお届けするのが、それ自体がスタイリッシュな5ブランドの2023年最新スウェットシャツ。ネックラインやシルエットを巧みにアレンジして洗練させたモデルだ。ここではシンプルな無地のみに絞って、カジュアルさが増すレタード(文字)プリントものは除外。さらりと着るだけでサマになるものをセレクトした。生地も縫製もハイクオリティだからこその大人向けな点にもぜひご注目を!

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ヴィンテージとモダンの融合

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平面的な裁断、広く開いたネック、襟下の3角パーツ「汗止め」などヴィンテージに限りなく忠実なつくり。¥41,800(税込)/タイガ タカハシhttps://taigatakahashi.com

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色落ちしたヴィンテージを参考にしつつ、ブリーチ手法でクールなムラを表現したデザイン。¥41,800(税込)/タイガ タカハシ https://taigatakahashi.com

海外のファッションスクールで学んだ経験を持ちながら、自らをファッションデザイナーでなく設計者と呼ぶ髙橋大雅が17年に設立したタイガ タカハシ。ヴィンテージを研究しつつ現代の感性を注いだ温故知新の服には、独自のオリジナリティがある。ここにピックアップしたのは1950年代以前の形やディテールを踏襲したスウェットシャツ。着丈が短く身幅が広く肩が落ちた形は、現在のトレンド傾向にも通じるもの。ブリーチを加えてムラにした色彩も美しい。まさしくクラシックモダンな逸品である。

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人物ふたりともに小さいサイズで着丈の短さを強調し、ゆったりパンツで全身のシルエットにメリハリをつけた次世代コーデ。都会的なスウェットシャツの着こなしには、黒のスラックスがよく似合う。着用人物はタイガ タカハシらのファッションPRを担う宮田耕介(左)、山本泰宏(右)

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大きく開いたVネックで風雅に

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キモノのごとく羽織る気分で着たい、和モダンが息づく稀有なスウェットシャツ。¥36,300(税込)/レインメーカー  https://rainmaker-kyoto.shop-pro.jp

京都を拠点にするレインメーカーの手に掛かれば、スウェットシャツも風雅な服へと姿を変える。首から離れて広がる大きなVネックがデザインポイント。レイヤードするインナーを自分流にアレンジして、品格ある着方を楽しめる。さらにこのシャツのパターンは、前身頃が袖までひとつのパーツになった「キモノスリーブ」。脇下は伝統的なハンティングジャケットに使われる、腕を振り回しやすいマチがついた「ピポッドスリーブ」だ。スウェットシャツらしい活動的な機能が搭載された贅沢な一着である。

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裏面の整った美しさにもこだわったコットンの裏毛素材を使用。製品染めで色を揃えた工夫も。

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基本形のグレーがタートルネックで大人ムードに

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2点ともに同一型の色違い(右のホワイト杢は背面)。身幅に適度なゆとりがあるベーシックな形で、ヴィンテージをベースにしつつディテールは現代的。¥17,600/モクティ www.moct-gr7.com

スウェットシャツを選ぶとき、大人が特に気にするべきがネックライン。基本形のクルーネックは、スポーツ体型の人でもないと貧相に見えやすい弱点がある。これ一枚だけで洒落見えさせるには、ボリュームのあるネックにするのが近道だ。ここに掲載するモクティの1モデルは、希少性のあるタートルネック。首にフィットさせないゆるい仕上げで、マフラーを巻いたように上品である。折り返すとモックネック風にアレンジできる長さも巧み。こだわりの素材がセールスポイントのモクティのなかでも、いま手に入れたい傑作である。

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吊り編み機で製造された日本製のスウェット生地は、風合いも美しさも格別。

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白でハイネックのミニマルビューティー

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袖や裾のリブが短く、セーターのごとく洗練された顔つきの一着。男女兼用でサイズの選び方しだいでさまざまな着こなしに対応。¥19,800(税込)/Y www.yleve.jp

2023年春夏にデビューする新ブランド「Y」は、22年に待望の店が誕生して勢いを増すイレーヴから派生したベーシックウエア。ジェンダーレスな新しい時代に生きる男女の基本ワードローブに仕上がっている。クリーンな白スウェットシャツは生地が薄めでハリがあり、長袖Tシャツに近い着方ができるデザイン。さらなる魅力は首に沿って立ち上るハイネックの襟だ。これ一枚でも上にジャケットを羽織っても、上品な大人のムードになる。2月下旬より発売予定のY、チェックしておいて損はない。

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生地に使われた編糸は超長綿のオーガニックコットン。洗濯を繰り返しても劣化しにくく風合いをキープできる高級素材だ。

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ポケットつきでミリタリーの雰囲気

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丸くダボッとした形が旬の杢グレースウェットシャツ。色はほかにオリーブや黒もある。¥14,300(税込)/ダイワ ピア39 https://daiwapier39.jp

トレンド感のあるカジュアルアイテムを買いやすい価格で提供するダイワ ピア39。いまもっとも売れていると評判のブランドだ。釣具のダイワが手掛けているだけに、アウトドアフィールドでも役立つ機能が付加されている。霜降りグレーのスウェットシャツの視覚的なデザインポイントは、左胸にあるマチつきフラップポケット。これひとつでミリタリーのムードになり、男っぽさもグッと増すから不思議なもの。生地にも意外性があり、コットンでなくポリエステル100%だ。経年劣化しにくく洗濯後の乾きも早い。汚れを気にせず着たいシーンでも大活躍するだろう。

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ハイテクポリエステルで、見た目も触感もコットンと見分けがつかないほど。肉厚でボリュームがあるのに軽量なのもメリット。

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【画像】洒落見えする技ありスウェットシャツを、大人が着るセンス【着る/知る Vol.146】

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平面的な裁断、広く開いたネック、襟下の3角パーツ「汗止め」などヴィンテージに限りなく忠実なつくり。¥41,800(税込)/タイガ タカハシhttps://taigatakahashi.com

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色落ちしたヴィンテージを参考にしつつ、ブリーチ手法でクールなムラを表現したデザイン。¥41,800(税込)/タイガ タカハシ https://taigatakahashi.com

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人物ふたりともに小さいサイズで着丈の短さを強調し、ゆったりパンツで全身のシルエットにメリハリをつけた次世代コーデ。洗練されたスウェットシャツの着こなしに、黒のスラックスは欠かせない。着用人物はタイガ タカハシらのファッションPRを担う宮田耕介(左)、山本泰宏(右)

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キモノのごとく羽織る気分で着たい、和モダンが息づく稀有なスウェットシャツ。¥36,300(税込)/レインメーカー  https://rainmaker-kyoto.shop-pro.jp

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裏面の整った美しさにもこだわったコットンの裏毛素材を使用。製品染めで色を揃えた工夫も。

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2点ともに同一型の色違い(右のホワイト杢は背面)。身幅に適度なゆとりがあるベーシックな形で、ヴィンテージをベースにしつつディテールは現代的。¥17,600/モクティ www.moct-gr7.com

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吊り編み機で製造された日本製のスウェット生地は、風合いも美しさも秀逸。

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袖や裾のリブが短く、セーターのごとく洗練された顔つきの一着。男女兼用でサイズの選び方でさまざまな着こなしに対応。¥19,800(税込)/Y www.yleve.jp

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生地に使われた編糸は超長綿のオーガニックコットン。洗濯を繰り返しても劣化しにくく風合いをキープできる高級素材だ。

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丸くダボッとした形が旬の杢グレースウェットシャツ。色はほかにオリーブや黒もある。¥14,300(税込)/ダイワ ピア39 https://daiwapier39.jp

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ハイテクポリエステルで、見た目も触感もコットンと見分けがつかないほど。肉厚でボリュームがあるのに軽量なのもメリット。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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