「宇宙で最も古い銀河!」ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡が捉える 宇宙歴の2%時点で誕生

  • 文:青葉やまと

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ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、宇宙誕生から3億5000万年の時点で形成された非常に古い銀河を捉えた...... dima_zel-iStock

<今夏から本格稼働しているジェイムズ・ウェッブ望遠鏡は、これまで観測が難しかった遠い宇宙の姿を鮮明に写し出している>

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、宇宙誕生から3億5000万年の時点で形成された非常に古い銀河を捉えた。宇宙が現在の年齢のまだ2%であった非常に早い時期に形成されていたことになる。

これまで観測された最も古い銀河は、ビッグバンから4億年後に誕生し、ハッブル望遠鏡が2016年に観測したGN-z11だった。今回発見された銀河はこれよりも古く、観測史上最古となる。GLASS-z12と命名された。

このような非常に古い銀河が存在する可能性は、ウェッブ望遠鏡が以前に観測したデータから推定されていた。今回、ジェームズ・ウェッブ望遠・先端深銀河系外調査(JADES)の国際チームが分光観測を実施し、宇宙誕生から3億5000万年時点という正確な年代を特定した。また、4億年未満時点で誕生した非常に古い銀河が、GLASS-z12を含めて同時に4つ発見されている。

本件に関し、国際チームによる論文が11月にプレプリント・サーバーのarXiv上で公開され、12月に入ってから科学系各ニュースサイトで報じられている。

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遠い宇宙のごく暗い光を捉えた

このたび発見されたGLASS-z12は宇宙のはるか遠方にあり、現在観測されている光は134億年以上前に放たれたものだ。現在宇宙は138億年と考えられており、この光は宇宙史のほぼ全期間をかけて地球に届いたことになる。

遠方の宇宙は非常に暗く、ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡の観測能力が威力を発揮している。科学ニュースサイトのサイテック・デイリーは、遠方の銀河を観測する能力においてほかの宇宙望遠鏡の5〜10倍優れていると指摘している。今夏稼働を開始したウェッブ望遠鏡だが、本格稼働からわずか5ヶ月で観測史上最古の銀河の発見という成果を挙げた。

JADESの国際チームは、ウェッブ望遠鏡が搭載する近赤外線カメラ(NIRCam)を用い、10日間を費やして9つの波長帯の赤外線で観測を行った。これまでハッブル宇宙望遠鏡が重点的に観測してきたエリアを中心としているが、ハッブルよりも15倍広い宇宙の領域をカバーしており、さらに解像度もより鮮明となっている。こうして得られた赤外線データにより、10万個近い銀河の「地図」が得られた。

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近赤外線の分光で距離と構成元素がわかる

チームはさらに、ウェッブ望遠鏡の近赤外線分光器(NIRSpec)による解析を加えた。NIRSpecは髪の毛ほどの細さのシャッターを25万個備えており、最大で200個の天体のスペクトルを一度に観測することができる。

こうして個々の銀河の赤外線スペクトルを解析すると、対象の銀河がどれほど遠くにあるかを正確に特定することができる。原理として、宇宙は膨張を続けており、銀河が放った光は地球に届くまでに引き延ばされる。波長が長くなることで赤寄りの光に変化する「赤方偏移」と呼ばれる現象だ。

遠くにある銀河からの光ほど、地球に届くまでに長い距離を旅するため、赤方偏移の影響を大きく受ける。この性質を利用して距離を推定する。

また、星を構成する元素によって、スペクトルは異なるパターンを示す。今後のさらなる詳細な分析により、銀河を構成している物質が判明すると期待されている。

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過去を覗き込むタイムマシン

遠方の宇宙を観測できるウェッブ望遠鏡は、まるでタイムマシンのような存在だ。134億年前にGLASS-z12が放った光がいま地球に届き、ビッグバンから間もないころに創造された銀河の姿を観測することが可能になっている。

理論上、宇宙の最初期に誕生した恒星は、水素とヘリウムだけから構成されていたと考えられている。このような初期型の星は「種族Ⅲ」と呼ばれているが、これまでの観測史上、実際の発見には至っていない。

だが、遠い宇宙を遡って覗き込むことができるウェッブ望遠鏡により、こうした種族Ⅲの星が実際に発見されるのではないかと期待が高まっている。研究論文を共著したイタリア国立天体物理学研究所(INAF)のアドリアーノ・フォンタナ主任研究員は、今回発見されたGLASS-z12の銀河に、種族Ⅲの星が含まれている可能性があると考えているようだ。

ウェッブ望遠鏡は打ち上げ前に期待されていたよりも鮮明な観測データを得ることが可能となっており、天文学者たちを喜ばせている。INAFローマ天文台のパオラ・サンティーニ研究員は、米CNNに対し、「天文学におけるまったくもって新たな章の幕開けです」と興奮を語る。まるで考古学的な発掘作業をしていて、失われた都市や未知のものを突如として発見したようなものです。ただただ衝撃的です」

2021年12月25日に打ち上げられたウェッブ望遠鏡は、打ち上げから1年未満で観測史上最古の銀河の発見に貢献した。今後も重要な発見が続きそうだ。

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ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡によって、2つの古い銀河が観測された。 No.1とラベル付けされた銀河は、ビッグバンからわずか4億5000万年後。 No.2とラベル付けされた銀河は、ビッグバンから3億5000万年後に誕生している。NASA/ESA/CSA/Tommaso Treu

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Finally Confirmed! JWST Confirms One Of The Farthest Galaxies Ever Discovered

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James Webb Telescope Captures Never-Before-Seen Distant Galaxies

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Happy Birthday Webb!

青葉やまと

フリーライター・翻訳者。都内大手メーカー系システム会社での勤務を経て、2010年に文筆業に転身。文化・テクノロジー分野を中心に、複数のメディアで執筆中。本業の傍ら海外で開かれるカンファレンスの運営にも携わっている。

※この記事はNewsweek 日本版からの転載です。

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