“好き”を生かして、地域を豊かにするショップオーナーの働き方とは? これからの街のショップオーナーの働き方について考えるオンラインイベントが、12月5日に開かれた。自分の“好き”や得意を仕事にする女性ショップオーナーらが集い、”好き”を仕事にする楽しさや課題を語り合った。
イベントは、「多様な価値観こそ強み」であるというアメリカン・エキスプレスの考えに基づき、日本各地の街で、地域に貢献したい活動するショップオーナーの挑戦を応援する「RISE with SHOP SMALL」と「フィガロジャポンBusiness with Attitude」との連動企画。
RISE with SHOP SMALLでは本年、全国各地で街を豊かにしたいと挑戦を続ける女性ショップオーナー13人を選出し、サポートを提供している。イベントにはうち3人の受賞者も出席し、自身のビジネスやビジネスを進める上での課題を共有した。
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イベントの冒頭では、「“好き”で地域を幸せに:社会にインパクトを与えるショップオーナーの働き方とは?」をテーマに、湘南を拠点にフラワースタイリストとしても活躍する女優の大河内奈々子さん、社会性と経済性の両立を目指す「ゼブラ企業」という概念を日本で広げようと活動しているゼブラアンドカンパニー共同創業者の阿座上陽平さんが対談した。
高校時代から華道に取り組み、2015年、フラワースタイリストとして本格的に活動を始めたという大河内さん。現在住んでいる湘南地域でお花のワークショップを開催し、地域の人と触れ合うことも多いといい、「いろんな職業の方とお会いする機会も多く、とても刺激になる。たくさんの笑顔もいただけるので、ワークショップには私のエネルギーになるものが詰まっています」と語った。
「好きなことを仕事にしなければよかった」と思う瞬間もあったというが、「好きだからこそ困難や壁を乗り越えられると思うし、好きなことからはやっぱり離れられない。だからこそ、自分の“好き”という気持ちを大切にしてほしい」と呼びかけた。
地域で“好き”を仕事にしているビジネスのブランディングサポートなども展開してる阿座上さんは、“好き”をビジネスにする時に大切な「1. 好きを分解して、好きの中で強みになることを探す / 2. 苦手をリリースする / 3. 自分が頑張れる目標を作る」という3つのポイントを紹介。
「“好き”を分解してみると、その中でも自分の得意なことと苦手なことがある。得意なことを伸ばし、苦手なことは得意な人を探したり、アウトソーシングしたりして抱えすぎないことが大切。また、頑張りすぎると疲れてしまうので、“ここまで頑張ったら一休みしよう”という目標や頑張れるポイントを作ること。そうすることで持続的なビジネスに繋がっていく」と解説した。
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街で頑張る女性ショップオーナーたちのリアルな悩みとは?
続くパネルディスカッションでは、RISE with SHOP SMALLの支援プログラムを受賞した3人のショップオーナーが登壇。ショップオーナーの先輩である大河内さん、事業の伴走者でもある阿座上さんに、“好き”を仕事にして地域でショップオーナーを続けていく上での悩みや疑問をぶつけた。
埼玉県日高市で企業向けの配達専門弁当店「お弁当や福すけ」を展開する樋口麻子さんは、現在、高齢者が多い地域での移動販売に挑戦中。ところが、努力と売り上げが見合わず、どう続けていけばいいのか悩んでいるといい、「必要としている人に届けたいけれど割に合わない。そんな困難の乗り越え方を教えてほしい」と問いかけた。
樋口さんのお悩みに対し、「楽しみに待ってくれている人がいる、と思う気持ちがモチベーションになる。自分が思った通りの流れに乗れない時はすごく苦しいけれど、乗り越えれば、きっと街のみなさんが心待ちにするお弁当を届けられる日が来るはず」と大河内さん。阿座上さんからは、「一つの場所にとらわれ過ぎず、似たニーズがあるほかの場所を回ることで採算を取る方法を探ってみる方法や、行政と協力して事業を進める方法がある」というアドバイスがあった。
かつての室町将軍に愛されたという幻の清酒を復活させたいと、滋賀県東近江市で地域住民と協力しながらプロジェクトを進める「百済寺樽プロジェクト」の藤田彩夏さんは、女優、モデル、フラワースタイリストと多方面で活躍する大河内さんに「さまざまなジャンルの仕事をするメリットは?」と質問。大河内さんにとって、女優と花の仕事を両立することは「海外に行った時、違う世界を知った時に感じるのと同じような刺激がある」といい、「お花の仕事を始めてから、いろんな方と出会え、さまざまな刺激を受けている。特にウェディングのお仕事では、花嫁さんの本当に素敵な笑顔を見ることができて、『この人にお花を頼んでいただけてよかった』と女優をしている時とはまったく違う気持ちを感じられます」と語った。
日本に古くから伝わる「手摘み一番茶」の文化を絶やしたくないと、東京・人形町で抹茶カフェ「ATELIER MATCHA(アトリエ・マッチャ)」をスタートした長尾千登勢さんは、「若い人にも古くから伝わるお茶の文化を知ってほしいと活動しているが、想いとビジネスとの両立が難しかったり、昔ながらのしきたりなどの壁に阻まれたりすることもある。そんな時に、社会起業家として持っておくべき軸は?」という質問を阿座上さんに投げかけた。
「とても難しい問題だが、共感者を増やしていくことが大切。まずは自分の想いを大切にする、そしてそれを評価してくれる人に言い換えてもらう。そして関わってほしい人に伝えていくことが大切」と阿座上さん。自分だけで頑張ろうとせず、周りの評価や、いろんな人を巻き込んでいくことが力になると呼びかけた。
これまでさまざまな地域の事業者とともに仕事をしてきたという阿座上さんは、自分の“好き”を仕事にする時には、「成長している誰かを羨む必要はなく、自分らしくやっていくことが重要。一歩一歩着実に、自分を大切にしながら進めていくことが大切」と指摘。大河内さんは「好きだから大変なことも乗り越えられるし、頑張ることも楽しめる。一緒に頑張っていきましょう!」と地域で頑張る女性ショップオーナーたちに、温かなエールを送ってくれた。
●RISE with SHOP SMALLに関する問い合わせ先
アメリカン・エキスプレス RISE with SHOP SMALL事務局
https://joseishacho.net/risewithshopsmall/