【直筆サイン色紙を1名様にプレゼント】“クラシック界の革命児”反田恭平が語る、世界への挑戦に賭けた思い

  • 写真:齋藤誠一
  • 文:原 典子
  • 撮影協力:スタインウェイ&サンズ 東京
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その1年に活躍したクリエイターをたたえる「Penクリエイター・アワード」。第6回を迎えた今回は、編集部の選考による受賞者6組と、各分野のプロが推薦する特別賞10組、計16組のクリエイターを選出した。(特設サイトはこちら

本記事では、発売中のPen 2023年1月号「CREATOR AWARDS 2022」の中から、受賞者のひとり、反田恭平のインタビューを抜粋・再編集して掲載する。

さらに、反田恭平の直筆サイン色紙を抽選で1名様にプレゼント(※Pen Membershipに新規登録した方が対象)。記事最後の応募要項をお見逃しなく。

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反田恭平●1994年、東京都出身。高校時代、日本音楽コンクールで優勝。2014年、チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院に首席で入学。17年よりフレデリック・ショパン国立音楽大学に在籍。21年10月、ショパン国際ピアノコンクールで2位入賞。

「10月18日、人生が変わった」と、反田恭平は1年前を振り返る。5年に一度ポーランドの首都ワルシャワで開催される世界最高峰のコンクール、ショパン国際ピアノコンクールのファイナルの舞台に立ったのが2021年の同日。ショパンのピアノ協奏曲第1番をオーケストラとともに演奏した反田は、盤石のテクニックと豊かな歌心、そして唯一無二の個性で見事2位を勝ち取った。日本人としては、1970年に内田光子が2位を取って以来の快挙だった。

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鍵盤に手をのせると、まるで呼吸をするかのようになめらかに手が動き出し、ショパンのメロディーが空間を満たしていった。

審査員から「君はピアニストではなく芸術家だ」と言われうれしかったと語る反田はいま、自ら創設したオーケストラを指揮して、新たな目標へ歩みを進めている。“クラシック界の革命児”である。

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サッカーが本業、ピアノは趣味。そんな少年時代を送った反田恭平は12歳の夏、オーケストラの指揮を体験したことがきっかけで「音楽で生きていく。指揮者になる!」と心に誓う。「指揮者になりたいなら、まずは楽器をひとつ極めなさい」とアドバイスされ、本気でピアノと向き合うように。音楽の道へ進むことに反対だった父親からは「音楽学校に行きたいのならコンクールで1位を取ってこい」と言われ、4つのコンクールで最高位と第1位を取り、賞状を差し出して説得した。

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小学校2年生の時のピアノの発表会。Courtesy of NEXUS
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左:幼い頃の反田と両親。反田家にはプロの音楽家はひとりもおらず、音楽の早期教育とはまったく無縁だった。 右:3歳の反田。幼稚園、小学校とサッカー三昧の日々を過ごした。Courtesy of NEXUS

こうして桐朋女子高等学校音楽科(共学)に入学した反田は、在学中に権威ある日本音楽コンクールで第1位を取って注目の存在に。桐朋学園大学音楽学部に進学した後、ロシアのモスクワ音楽院へ留学。2015年には日本コロムビアからアルバムデビュー、翌年サントリーホールにて開催された日本デビューリサイタルは完売し、その人気ぶりが話題を呼んだ。

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筆者はその頃から反田への取材を重ねてきたが、17年の時点で既に「国際的なコンクールで賞を取りたい。音楽学校をつくりたい」という夢を語っていた。そして数年後、その言葉どおりショパン国際ピアノコンクールで第2位に輝いた反田。有言実行の秘訣は、どこにあるのか?

「それは単純な話で、実現できることが見えていたから言ったんです。『想像できることが現実になり得る』と誰かが言いましたが、本当にそう。具体的に想像できることがポイントです。ショパン・コンクールに関しては、いまの自分がどのぐらいの力量なのかを客観的に分析し、チャンスはあると思ったので挑戦しました」

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2021年10月、ショパン国際ピアノコンクールでピアノを弾く反田。1次予選から3次予選を経てファイナルまで3週間の長い戦い。The 18th Chopin Competition in Warsaw, Courtesy of the NIFC

とはいえ、コンクールを受けることにはリスクもある。もし失敗したら、ファンを裏切ることになってしまうかもしれない。コンクールを受けなくても、チャンスが巡ってくるのを待つという手もあった。けれど、反田は受け身ではなく、人生に一度は勝負をかける瞬間が欲しかったのだという。

「それに、待てなかったんですよね。若い世代がどんどん出てくるし、僕自身のピアニストとしての夢、そして自分で設立したジャパン・ナショナル・オーケストラ(JNO)でやりたいこともたくさんあった。それらの活動を充実させるためには、やはり僕が世界に出る必要があると思いました」

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左:あちこちに付箋が貼られ、書き込みのある反田の楽譜。 右:ポーランドのフレデリック・ショパン国立音楽大学での一枚。一緒に写っているのは、師事しているピオトル・パレチニ氏。Courtesy of NEXUS

切磋琢磨し合うJNOの若きメンバーたち、スポンサー企業をはじめビジネスを一緒に展開する仲間たちがいたからこそ、ショパン・コンクールで結果を出すことができたのだと反田は語る。そんな仲間とともに、反田はこれからどこへ向かうのだろうか?

「音楽学校の設立についても計画を進めていますが、予想以上にみんなの熱量が上がってきているので、僕も腹をくくらないと(笑)。いまはピアニストとしての活動が多いですが、ウィーンで先生について指揮の勉強もしています。自分のオーケストラを指揮できるのは、僕にしかできない強みなので、いろいろな作品に挑戦して指揮者としての経験値を上げていきたい。指揮をすることで作品への理解が深まり、ピアノもうまくなるので、いいことしかない。ビジネス面でも焦らず、一つひとつ確実に成功させていきたいですね」

国も分野も軽々と飛び越えるボーダーレスな才能から、しばらく目が離せない。

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「クリエイター・アワード2022」

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その1年に活躍したクリエイターをたたえる「Pen クリエイター・アワード」。今年は市川染五郎、宮崎吾朗、Chim↑Pom from Smappa!Group、池澤樹+篠原ともえ/STUDEO、反田恭平、山口つばさがの6組が受賞。それぞれの活動や、そこに込められた想いをひも解いていく。第2特集は「新海誠の世界を泳ぐ」。新海誠監督をはじめ、『すずめの戸締まり』で声優に初挑戦した原菜乃華&松村北斗のインタビューも掲載。

反田恭平の直筆サイン色紙を1名様にプレゼント

【応募要項】

●応募締め切り:2022年12月18日(日)23:59
●応募方法:下記応募フォームからお申し込みください。
http://bit.ly/3AX8RLe
※ご応募にはPen Membershipへの登録が必要です(登録無料)。
●当選発表:厳正なる抽選の上、2022年12月下旬頃に弊社より当選者様に差し上げるメールをもって、発表に代えさせていただきます。
●ご応募は日本国内在住の成人の方に限らせていただきます。
●ご応募の際にいただいた個人情報は、抽選および弊社からの連絡の他、各種ご案内(イベント、刊行物、アンケートなど)をお送りする目的で使用する場合がございます。
●本プレゼントキャンペーンに応募された時点で、当サイトの定める個人情報保護方針に同意いただいたものとみなします。
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問い合わせ先:CCCメディアハウス マーケティング部
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