【直筆サイン色紙を1名様にプレゼント】歌舞伎俳優・市川染五郎、歌舞伎の枠を超える稀有な存在感

  • 撮影:興村憲彦
  • 文:瀧 晴巳
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その1年に活躍したクリエイターをたたえる「Penクリエイター・アワード」。第6回を迎えた今回は、編集部の選考による受賞者6組と、各分野のプロが推薦する特別賞10組、計16組のクリエイターを選出した。(特設サイトはこちら

本記事では、発売中のPen 2023年1月号「CREATOR AWARDS 2022」の中から、受賞者のひとり、市川染五郎のインタビューを抜粋・再編集して掲載する。

さらに、市川染五郎の直筆サイン色紙を抽選で1名様にプレゼント(※Pen Membershipに新規登録した方が対象)。記事最後の応募要項をお見逃しなく。

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市川染五郎●2005年、東京都生まれ。歌舞伎俳優。07年『侠客春雨傘』で初お目見え。09年『門出祝寿連獅子』で四代目松本金太郎を名乗り、初舞台。18年『勧進帳』で、八代目市川染五郎を襲名。ジャケット¥143,000、シャツ¥92,000、パンツ¥117,000、シューズ¥83,000/以上ルメール(スクワット/ルメール TEL:03-6384-0237)

「うつし世はゆめ よるの夢こそまこと」というのは江戸川乱歩の名文句だが、17歳にして浮世離れした美しさをもつ市川染五郎には、ドラマティックな役柄がよく似合う。初出演となった大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で演じたのは源義高。人質として差し出され頼朝の娘・大姫の婚約者となるが悲劇的な最期を迎える。6月には『信康』で歌舞伎座初主演。徳川家康の嫡男で、これまた若くして非業の死を遂げる信康を瑞々しく演じた。劇場版オリジナルアニメ『サイダーのように言葉が湧き上がる』では声優にも挑戦。シュウ ウエムラの日本ブランドアンバサダーに起用されるなど、歌舞伎俳優の枠を超え、稀有な存在感を広く知らしめた躍進の1年となった。

「いまの年齢はなにをやっても挑戦になると思っているので、とにかくいろんなことに挑戦する、いろんな経験をするということが大事なんじゃないかと思っています。ひとつの大きな目標に向かって走っていくというよりは、いまの自分にできること、いまの自分にしかできないことを、いまの自分を通して表現したいですね」

17歳とはどういう年齢か。彼の眼差しを通して、思い出す。

「自分はまだ大人になったとは思っていないので、大人になったという感覚がいつどんなきっかけで生まれてくるのかを、まだわかっていないと思うんです。さすがに見た目はもう子どもではないし、大人の役を演じることも増えました。あとは、どのくらい幅を広げられるか」

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シャツ¥184,800、パンツ¥173,800/ともにジル サンダー バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー(ジルサンダージャパン TEL:0120-919-256)

そんな彼に、当て書きの達人でもある大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の脚本家・三谷幸喜が用意したのが悲劇の若武者・源義高だった。

「かつら合わせに行った時、プロデューサーの方から『蝉の抜け殻を集めているという設定に三谷さんがしてるらしいんだけど、虫とか大丈夫ですか』って言われたんです。それが義高のキャラクターで最初に得た情報でした。あとから台本を読んで、なるほど、こういう描き方をするのかと」

木曽義仲を討ちに行く義経(菅田将暉)が、息子の義高を哀れに思い「お前にやろうと取っておいた」と渡したのも蝉の抜け殻。父・義仲の強さを信じる義高は「戦で父に敵うわけがありませぬ。もはや再び会うこともないでしょう」と言い放つ。若くして散るふたりの邂逅を描いた名シーンだった。

「蝉の抜け殻を握りつぶすとは台本には書いていないんです。現場で監督と話をして、思い切り握りつぶしてあのシーンができた。それがあんなに反響をいただいて、うれしかったですね」

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10月に行われた『市川染五郎 歌舞伎舞踊公演~凛~』で素踊りで初披露した『吉野山』の稽古風景。静御前と従者・忠信(実は狐)の道行を描いた人気の演目。観客にいかに物語を想像させるか。一挙手一投足に神経を集中する。全身全霊で挑む清冽な瞬間。稽古は深夜まで続いた。

歌舞伎座で初主演した『信康』、そして来春公開になる映画『レジェンド&バタフライ』で演じる森 蘭丸、夭折する美少年役が続くのも、むべなるかな。人は皆、夢を見たいのだ、非日常の夢を。木村拓哉演じる信長に染五郎の蘭丸とは、「待ってました!」と言いたくもなるではないか。

「木村拓哉さんといえば、キムタクというブランドをずーっと背負ってきたような方ですからね。父(松本幸四郎、当時染五郎)がドラマで共演した時に『染』と呼ばれていたのは知っていたのですが、自分もいきなり『染』と呼ばれて、やっぱり染なのかって、ちょっと感動しましたね」

いやいや、遠からずしてこの人も「市川染五郎」という看板をしょって立つことになるのだから。

「いろんな現場に呼んでいただけるようになっても、自分は歌舞伎役者以外何者でもないと思っています。ここ数年は、早く歌舞伎の力になりたいし、歌舞伎の戦力になりたいという焦りを感じるようになりました。小さい頃は歌舞伎の台本を書いたりもしていたので、創る側にも立ってみたいという思いをずっと強くもっています。自分がやりたいことを早くかたちにするには、いろんな視点から歌舞伎を理解していないといけないと思うし、それにはいろんな舞台もたくさん見て、とにかく経験を積まなければと思う」

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初めて挑む舞踊『吉野山』の稽古を見せていただいた。静御前に従う忠信の本性は狐。ターンと床を蹴って、高く跳ぶ。狐の本性をあらわすその手つき。ここから長い道のりの一歩がまた始まる。

「映像や写真で先輩方がやられていた姿を見て、舞台稽古で初めてこしらえをして、実際にその役の衣裳を着て初めて踊る。ずっと憧れてきたものを、自分が実際にいまやっているっていう感覚がいちばんうれしい瞬間ですね」

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憧れはすぐそばにもいた。取材を終え、稽古場の廊下に出ると、父・松本幸四郎の姿があった。

「父は99・9パーセント歌舞伎でできている人。好きなものをずっと追求し続ける熱さを尊敬しています。染五郎の名前を襲名して5年になりますが、まだまだ染五郎といえば父をイメージする方も多いですし、自分が染五郎だと証明できるようなことに早く巡り合いたい。父や勘三郎の叔父様が新しいものを創り続けてきたように、自分も同世代のクリエイターと巡り会って、何十年も一緒に走り続けることができたらと思う。人見知りなので、あまり人とお話するのも得意ではないんですけど、この一年の一つひとつの経験から、新しい出会いを大切にしたいと改めて思っています」

Pen 2023年1月号「クリエイター・アワード2022」発売中

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「クリエイター・アワード2022」

2023年1月号 No.536 ¥950(税込)
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その1年に活躍したクリエイターをたたえる「Pen クリエイター・アワード」。今年は市川染五郎、宮崎吾朗、Chim↑Pom from Smappa!Group、池澤樹+篠原ともえ/STUDEO、反田恭平、山口つばさがの6組が受賞。それぞれの活動や、そこに込められた想いをひも解いていく。第2特集は「新海誠の世界を泳ぐ」。新海誠監督をはじめ、『すずめの戸締まり』で声優に初挑戦した原菜乃華&松村北斗のインタビューも掲載。

市川染五郎の直筆サイン色紙を1名様にプレゼント

【応募要項】

●応募締め切り:2022年12月17日(土)23:59
●応募方法:下記応募フォームからお申し込みください。
http://bit.ly/3ieC4e0
※ご応募にはPen Membershipへの登録が必要です(登録無料)。
●当選発表:厳正なる抽選の上、2022年12月下旬頃に弊社より当選者様に差し上げるメールをもって、発表に代えさせていただきます。
●ご応募は日本国内在住の成人の方に限らせていただきます。
●ご応募の際にいただいた個人情報は、抽選および弊社からの連絡の他、各種ご案内(イベント、刊行物、アンケートなど)をお送りする目的で使用する場合がございます。
●本プレゼントキャンペーンに応募された時点で、当サイトの定める個人情報保護方針に同意いただいたものとみなします。
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