幸運の兆しともいわれる、空にかかる七色の虹。「今日はいいことが起こるかも」と、ラッキーな気分になるものだ。そんな虹が出現する確率が、今後5％上がることが科学者の分析でわかった。しかし、その理由は決して喜べることではないようだ。

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データから予測した、未来の「虹」出現率

アメリカ、ニューヨーク大学で環境学を専門とするキンバリー・カールソン助教授は、以前ハワイに住んでいたことから、虹について調べることを思い立ったという。ハワイは、短時間で雨が降り、その後に晴れてくるような日が多く、よく虹が見られることで知られている。「レインボー・ステート（虹の州）」という愛称がついているほどで、虹が二重、三重に重なる「ダブルレインボー」や「トリプルレインボー」が見えることもある。

そもそも虹が見えるのは、太陽の光が空気中の水滴の中で反射するからだ。そのため夕立ちのような雨が降ったときに、虹が出る可能性が高くなるそう。そんな虹が出た場所の気候をたどって解析していくと、今後の虹の出現予測も立てられるというわけだ。

カールソン助教授の研究チームは、写真を共有できるコミュニティサイト「Flickr（フリッカー）」にある虹の写真をピックアップ。撮影場所や日時が記載されているものは、その場所における撮影日時の降水量や雲の量、太陽の角度などの情報を調べ、照合していった。さらに、今後の気候変化を予測するコンピューターモデルにこのデータを学習させて、今後の虹の出現について調べた。

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虹が出やすくなる場所は？

その結果、2100年までに地球上で虹が出る頻度が5％も上がる可能性が示されたのだ。温暖化によって雪が少なくなり、雨が多くなると予測される地域で虹の発生が多くなるという。

特に虹が多くなる場所は海に浮かぶ島などで、ハワイ州のハワイ島では、地形の影響で海風が多く、それによって局地的な雨が生まれ、虹が出やすくなるそうだ。また、チベット高原のように標高が高く人口が少ない場所でも、虹が多くなることがわかった。

一方、スモッグが発生しやすい地域や、将来的に降水量が少なくなると考えられる乾燥した地域では、これまで以上に虹が出る頻度は少なくなるという。

昨今、よく話題にあがっているように気候変動が深刻化している。この気候の変化が、虹の出現にもつながっているだろう。集中豪雨や山火事、海面上昇などを引き起こしている気候変動。空を見上げたときに虹がかかっていたら、その向こう側にある地球や環境への大きな変化に目を向けるべきなのかもしれない。

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