ティム・バートンがディズニーとは「終わったこと」と話したらしい。
今やエンタメ界を席巻する勢いのディズニー。ディズニーでアニメーターとしてアーティストのキャリアをスタートさせ、その後はディズニーで7本も監督作品を作ったティム・バートンだが、一体何があったのだろうか?
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バートンのディズニー最後の作品は"自伝的"
ティム・バートン監督がディズニーで撮った最後の作品は、2019年に公開された『ダンボ』のリメイク版だ。 『ダンボ』は、大きな耳をもって生まれたゾウが他とは違う特徴をもつことを理由に嘲笑され、それがきっかけとなって母親と引き離されるも最後は大きな耳を活かして空を飛んで見せ、サーカスのスターになるというストーリー。
その内容に自身を投影したのだろう。仏リヨンで開催されたリュミエール映画祭におけるリュミエール賞授与の会見にて次のように話している。
「私のキャリアはあそこ(ディズニー)から始まった。何度か雇用されクビにもなってきた。だが『ダンボ』を最後にその関係も終わりだ。私はひどく大きなサーカスの中で働かされていて、逃げ出さないといけないと感じた。自分自身がダンボになっているのだと」(※バートンがディズニーをクビになったのは1984年。理由は当時のディズニーはとても保守的で、バートンのエッジの効いた世界観はふさわしくないと判断したからと言われている)
『ダンボ』を「自伝的」だと語ったバートンは、昨今のディズニーに対して思うところがあるらしい。
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ユニバースはひとつでいい
Disney’s 🤡CEO explaining how animation is strictly for kids: “I always say that when [parents] put their kids to bed at night after watching [an animated film], they're probably not going to tune into another animated movie. They want something for them." pic.twitter.com/DOH4jYvRM4
— cartoonbrew.com - Animation News (@cartoonbrew) October 26, 2022
ティム・バートンは、今のディズニーが小規模のプロジェクトから、マーベルやピクサー、『スターウォーズ』シリーズといった大規模ですでに出来上がったものに注力していると感じているらしい。
「とても均質化されていて統合されてしまっています。異なるタイプのものが入り込む余地がない」
確かに、バートンの言いたいことはわかる。今のディズニーはマーベルや『スターウォーズ』シリーズを全面的にプロモーションしているし、先日はディズニーの社長が「大人は子どもと一緒にディズニーアニメを見て、寝かしつけたあとさらにアニメ映画を見たいと思っていないだろう」という発言をしている。
社長自らが「大人には他のものが必要」と言っているのだ。ディズニーがこれまで以上に大人をターゲットとした作品に力を入れても不思議ではない。バートンはこうも語っている。
「私はひとつのユニバースで十分。マルチユニバースは手に余ってしまう」
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バートンが得意とする世界観と今のディズニーとのズレ
ティム・バートンのキャリアはディズニーと共に歩んできたといっても過言ではない。彼は高校卒業後にディズニーの奨学金を受けてアートカレッジに入学している。つまり、ディズニーの支援があったからこそアニメーターの道を歩めたのだ。
ウォルト・ディズニー・スタジオに入り、1984年には短編映画『フランケンウィニー』を監督。高い評価を得て業界内で知名度を上げた。
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バートンは、シニカルでダークなファンタジーを得意とする。ストーリーをシリーズで構成するよりも、1本に全集中して、表現したいもののためなら時間と労力を厭わないスタンスが感じられる。また、独特なキャラクターと世界観が人気で、中でもストップモーション・アニメーションの『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』は1993年に公開された作品でありながら、今でも絶大な支持を集めている。
大人が喜びそうな迫力のあるVFX満載の作品を定期的に出す今のディズニーが目指している方向性とは、乖離があるのだろう。
ルーカスフィルムやマーベル・エンターテインメントを買収する前のディズニーは、夢と成長と希望をテーマとした作品を製作する会社だと認知されていた。だが、今はコンセプトも統一感があったはずの社のカラーもバラバラだ。今のディズニーを一言で説明するのは難しい。
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時代の流れに合わせて変化し続けることは必要なことで、そうしてきたからこそディズニーもここまで巨大になった。ティム・バートンとのコラボレーションもそういった時代のうねりのひとつだったのかもしれない。だが、ディズニーとティム・バートンの作り出す世界観との相性はあまりにも良かったために、今回の決別宣言は残念に感じてしまうのだ。
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【画像・動画】「逃げ出さないといけないと感じた…」なぜティム・バートンはディズニーと“決別宣言”したのか
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バートンのディズニー最後の作品は"自伝的"
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ユニバースはひとつでいい
Disney’s 🤡CEO explaining how animation is strictly for kids: “I always say that when [parents] put their kids to bed at night after watching [an animated film], they're probably not going to tune into another animated movie. They want something for them." pic.twitter.com/DOH4jYvRM4
— cartoonbrew.com - Animation News (@cartoonbrew) October 26, 2022
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バートンが得意とする世界観と今のディズニーとのズレ
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