足首にゴム布(ゴア)がつくサイドゴアブーツの人気がすっかり定着したようだ。2022年の今年も、各シューズセレクトショップの店頭でイチオシされている。流行しはじめたのは数年前にアウトドア調厚底ソールをハイモードのジル サンダーが発表したころだろう。スニーカーからの足元のグレードアップを望む女性たちを中心に急速に広まった。
サイドゴアブーツは1960年代のイギリスでモッズに好まれ、彼らがいたロンドンのチェルシー地区にちなんでチェルシーブーツとも呼ばれる。当時は細身スーツに合わせるスマートな形だったが、現代はボリューミーなものが主流。オーバーサイズの服にも合わせやすいスポーティさだ。
それでは男性が選ぶべきはどんなタイプだろうか。アウトドアの空気感のあるラギッドなものがベストだろう。サイドゴアブーツには脱ぎ履きしやすく足回りをガードする利便性がある。屋外キャンプなどで使い回しできることが、ラギッド系を選ぶ大きな理由だ。さらに土臭さのある昔ながらの男っぽい服装が復活の兆しを見せていることも、このタイプを手に入れたい理由のひとつ。服は都会的なジェンダーレスにして、足元だけラギッドさを加える着こなしも悪くない。
ここに掲載するのはルックスも機能も申し分ない4モデル。シューズブランドのビルケンシュトック、ハンター、ブランドストーン、キーン(掲載順)からのセレクトだ。長く履ける“本物”だから、足に合うものをじっくりと選んで愛用しよう。
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ビルケンシュトックのコンフォートブーツ
ビルケンシュトックが2021年に、19世紀に発明された「ブルーフットベッド(Blue Footbed)」の最大のイノベーションとされる新型「ディープ ブルーフットベッド(Deep Blue Footbed)」を制作。天然素材とハイテク素材をミックスした新時代のこのフットベッドをスニーカーに搭載した。さらに今年の22年秋冬では、ブーツにまで搭載モデルが拡大。その代表がここにお届けするサイドゴアブーツ「バーミンガム」である。
アッパーが革好き垂涎のホーウィン社のタフなレザーで、高級感とラギッドさを併せ持つ。上質ゆえの履き込んだあとのエイジングも楽しみな仕上がりだ。コンフォートサンダルならぬコンフォートブーツ誕生の記念すべき一足である。
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ゴム長靴ハンターの都会的ニューモデル
英国王室御用達で知られる老舗レインブーツブランド、ハンター。ラインアップに新たに加わったのが「コマンド チェルシー ブーツ」。ゴム長靴の印象が強いオリジナルを、革靴のようにスタイリッシュにアレンジしたデザインだ。野外のぬかるんだ道や水たまりを歩くのはもちろん、タウンユースでも見栄えするレインブーツである。
近年のハンターらしくSDGsの観点にも優れ、素材は森林管理協議会(FSC)認定の天然ゴム。裏地とインソールはリサイクルポリエステルだ。オールラバーシューズは足蒸れしやすい難点があるが、気になる人は市販の吸湿インソールを別途購入して中に入れよう。違和感のない履き心地を長時間愉しめるだろう。
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雨対応ブーツの雄、ブランドストーンのビブラムソール
ラギッド好きなら、サイドゴアブーツと聞くとブランドストーンを思い浮かべるはず。とはいえ品揃えがほぼサイドゴアシューズのみの同ブランドは、知る人ぞ知る存在だ。レザーアッパーで足馴染みがよく、インソールはカップイン式で歩き心地も良好。撥水加工されたレザーとソールとの取り付けが縫製でなく結合なため、水の侵入を防ぐ性能が高い。
ワイルド気分のいまこそ履きたいブランドストーンからセレクトしたモデルは、ソールメーカーのビブラム社と共同開発された新型の「オールテレイン(ALL-TERRAIN)」。ソールは油・酸に強く滑りにくく、300℃の熱とマイナス15℃の寒さにも耐える。ライナーは0.8mm厚レザーで湿気を吸い、脱ぎ履きにも優れる。60年代にスタイルが確率したオーストリアの老舗の実力がこの一足に詰まっている。
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キーンの真冬のトレッキングブーツ最高峰
夏のアクティビティを盛り上げるファッション性の高いサンダルが大人気のキーン。意外なようだが労働者用ワークシューズもラインアップしている。林業や災害支援といった山で活動する人たちに向けた本格派だ。そのキーンが本腰を入れる冬のトレッキングブーツ最高峰がこの「レヴェル フォー チェルシー」。防水加工レザーに加え、内部に防水・透湿素材「キーン・ドライ(KEEN.DRY)」を仕込んで完全防水を実現させている。
寒さを防ぎ熱を逃さない素材を足裏部分に搭載し、フットベッド(インソール)も断熱材とウールを使った冬仕様。爪先とヒールががっちりとガードされたソールは、悪路での安定性を高める工夫に満ちている。底冷えする冬山でも問題なく過ごせるだろう。さらに見逃せないのが、モードシューズと見間違えそうなクールなデザイン。このルックスにしてプロ仕様のラギッドブーツを日常使いするワクワク感を愉しみたい。
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ビルケンシュトック
ハンター
ブランドストーン
キーン
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【画像】大人気サイドゴアブーツは、ビルケンシュトック・ハンター・ブランドストーン・キーンのラギッド系を狙え!【着る/知る】Vol.142
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ビルケンシュトックのコンフォートブーツ
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ゴム長靴ハンターの都会的ニューモデル
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雨対応ブーツの雄、ブランドストーンのビブラムソール
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キーンの真冬のトレッキングブーツ最高峰
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ビルケンシュトック
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キーン
ファッションレポーター/フォトグラファー
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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