行き先表示は「●●野郎」 職を失ったバス車掌が復讐..

  • 文:青葉やまと
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Roshan Abbas-Twitter

従業員をぞんざいに扱ったインドのスキジャ・バスサービス社が、手痛いしっぺ返しを喰らったようだ。

22年間勤めたバス車掌をクビにしたところ、当人が用意した周到な復讐が街中で威力を発揮した。バスの車体を使ったリベンジがちょっとした騒動となっており、その様子を収めた動画がTwitterで拡散している。

動画は、バス発着場所に停車中の長距離バスを正面から捉えたものだ。一見何気ない光景に見えるが、車体上部の行き先表示(LED方向幕)にあらぬ事態が発生している。

本来は目的地が表示されるべきところ、そこに輝いているのはヒンディー語で書かれた「スキジャ社のクソ野郎」というメッセージだ。夜の街にひときわ輝くメッセージは方向幕上にゆっくりと流れ、何度も繰り返し表示されている。

通りかかったバイクの運転手が、この異状に気づいたようだ。方向幕を指しながら、バスの運転手に向かって何か告げている。バス運転手は車窓から身を乗り出してバイクドライバーの話を聞いており、この時に初めて事態を把握した可能性がありそうだ。

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長距離路線で堂々と点灯

このバスはインド中部のインドールとサトナを結ぶ長距離バスの路線で、スキジャ・バスサービス社が運行している。

不満のメッセージを告げる方向幕は、かなり多くの人々に目撃されていたようだ。英インディペンデント紙は、元車掌が解雇されたのは数カ月前であり、「表示板はしばらく前から冒涜的な言葉を点灯させ続けてきた」と報じている。

インドのニュースメディアであるNDTVによると、バスは650キロを結ぶ長距離路線だという。悪態を堂々と掲げながら、東京〜大阪間を上回る長距離を何度も走り抜けていたことになる。

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パスワードまで変える入念さ

動画はブロガー兼ジャーナリストのアプルヴァ・バラドワージ氏が投稿し、デリーのフォトジャーナリストであるロシャン・アッバス氏が英文で解説を添えて再投稿したものだ。バラドワージ氏は次のように説明している。

「インドールにてバス車掌がスキジャ・バスサービスから不当な待遇を受け、解雇された。この車掌は(行き先)表示器のパスワードを変更し、最後の一撃を加えることにした。新たな表示器への交換は5万5000ルピー(約10万円)を要し、(西海岸の)ムンバイまで2日間をかけた移動が必要となる。復習は忘れた頃にするのが一番だ」

インドのバスでは車内で乗車チケットを販売するため、車掌が同乗している場合がある。バスの行き先表示システムのパスワードを知っていたのは、解雇された従業員だけであったという。そのため、この人物が解雇への復讐としてメッセージを変えてから退社したとみられている。

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元車掌に援護の声

方向幕をハックするという反撃に、ネットでは元車掌を称える声が相次いでいる。Twitterユーザーのヴィシュワス・ヴェド氏は、「IT担当を怒らせてはならない」とツイートした。

また、一件を報じるオプ・インディアのツイートに対してあるユーザーは、「ファンタスティック(拍手の絵文字)」と反応している。

機器を熟知した担当者を怒らせてしまうと、想定外の反撃を受けることがあるようだ。

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【画像・動画】行き先表示は「●●野郎」 職を失ったバス車掌が復讐..

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Roshan Abbas-Twitter

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