Mr. Doodle(ミスター・ドゥードゥル)として知られるサム・コックス氏は、遊び心に満ちた独特の落書きアート(ドゥードゥル)で人気のイギリス人グラフィティ・アーティストだ。SNS上で作品や制作風景を公開しているが、最近投稿した自宅の様子が話題になっている。この家は、2020年に英ケント州郊外に135万ポンド(約2億2700万円)で購入した12部屋もある豪邸だが、2年をかけて自作の落書きアートで隅々まで埋め尽くしてしまった。本人は「ずっとこんな家に住んでみたかった」と語っており、妻とともに夢のマイホーム生活を楽しんでいる。
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SNSを駆使 落書きで世界的アーティストに
アート市場の情報サイト、アートネット・ニュースは、大規模なギャラリーやアドバイザーの後ろ盾なしにアート界で成功した実例が、Mr. Doodleだと解説する。SNSやフォロワーに頼ることを早い段階から決めていたMr. Doodleは、簡単に消費・共有できるコンテンツをビデオや画像で定期的に提供してきた。いまやインスタグラムのフォロワー数は270万人、YouTubeの登録者数は9万5000人以上となっている。
この手法は驚くほどの成功をおさめ、MTVやPUMAといった大手ブランドとのコラボレーションにもつながった。特に最近は、オークションでも急成長している。2020年に作品の1つが9500万円(諸経費を含め1億900万円)で競り落とされたことから、Mr. Doodleはオークションにおいて世界で5番目に成功した40歳以下のアーティストになった。
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落書きに捧げる人生
一気にスターダムにのし上がったMr. Doodleだが、有名ギャラリーに代表されることや一流美術館での展覧会には興味はなく、「トンネルや建物などの大きなスペースに落書きをすることが目標で、最終的には町全体に描きたい」とアートネット・ニュースに語っている。
その言葉通り、Mr. Doodleは10月初めにSNSで自宅に白黒の落書きを施したと発表。その様子を2分間のストップ・モーション・ビデオで紹介した。すべて手書きの落書き御殿は、白塗料900リットル、黒のスプレーペイント401缶、黒の描画用塗料286本、ペン先2296個を費やした力作となった。ちなみに、英タイムズ紙のインタビューでは、この家の元の所有者が「お願いだから家に落書きをしないで」と懇願したが、聞き入れなかったと話している。
I doodled my house pic.twitter.com/hHhNvqKPqa
— Mr Doodle (@itsmrdoodle) October 2, 2022
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思春期の夢ついに叶う 寛大だった両親に感謝も
2年を費やし完成させた落書き御殿で、Mr. Doodleは妻のアリーナさんと実際に生活している。アーキテクチュアル・ダイジェスト誌によれば、台所のコンロまで落書きで埋め尽くしてしまい使えなくなっている可能性も認めたが、朝この家の寝室で目覚めると「楽園」にいる気分になるそうだ。これまでの作品が近年高く評価されていることから、落書き御殿の価値も急上昇したと思われるが、実家から徒歩5分という好立地もあり、売却する気は全くないという。
Mr. Doodle本人は、このプロジェクトをベスト作品と評している。子供のころに両親が寝室の壁に落書きさせてくれて以来、ずっと自分が作ったキャラクターに囲まれて暮らしたいと思っていたそうだ。夢の実現に協力してくれた両親に感謝したいと、インスタグラムでコメントしている。
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妻もアーティストでウクライナ人。アートで母国応援
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【画像】「名声はいらない…」 英アーティスト、2億円超の豪邸を落書き御殿に変身させる
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I doodled my house pic.twitter.com/hHhNvqKPqa
— Mr Doodle (@itsmrdoodle) October 2, 2022
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