世界初、飛行船で行く北極点への探検旅行 2024年の運行目指す

  • 文:美矢川ゆき

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@OceanSky Cruises - Facebook

飛行船で行く、北極探検。そんな冒険小説のような旅が、近い将来、現実になるかもしれない。スウェーデンに本社を置く、航空業界のパイオニアであるオーシャンスカイ・クルーズ社は、ヘリウムを使用したハイブリッド飛行船で行く、冒険旅行を計画している。

2024年からの運航を視野に、現在、乗客を募集中だ。低高度の飛行で北極へ向かう飛行船からは、ホッキョクグマやクジラなどの野生動物、海に浮かぶ流氷などを眺めることができる。ゆったりと眼下に広がる大自然を堪能しながら、目的地までの時間を贅沢に楽しめるのだ。

オーシャンスカイ・クルーズ社は、目的地まで乗客を運ぶ移動手段としてだけの飛行船ではなく、移動自体が旅の目的になるような「空のクルーズ旅行」を目指している。いわば、クルーズ船や豪華列車の空バージョンだ。北極は地球上で最も行きにくい場所のひとつであり、飛行船での着陸は、史上初の試みとなる。

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世界最大のハイブリッド飛行船

使用する飛行船は、英国のHybird Air Vehicles社製造の「エアランダー10」。この世界最大のハイブリッド飛行船の大きさは、全長約100メートル 、横幅約18メートル、重量約20トンである。ヘリウムの収容容量は38000立方メートルで、ディーゼルエンジンで駆動する4つのプロペラが付いているため、時速130キロの速さを出せるそうだ。ただし旅行中は、通常のクルーズ客船と同じく、時速約35キロで航行予定とのこと。数日間の連続飛行が可能だそうだ。乗客定員は最大16名。乗客の他に、8名のクルーが同乗する。

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地球上のどこでも着陸可能

スカイオーシャン・クルーズ社CEOのカール・オスカー.・ラワツェック氏は、サスティナブルな輸送に関する長年の研究を経て、2014年に3人のパートナーと共にスカイオーシャン・クルーズ社を共同設立した。

「エアランダー10」は、空気よりも軽いヘリウムを使うことにより、浮力と、軽さを実現できるらしい。また、ヘリウムは引火性がない為、安全性にも優れている。船体の形状による空気力学的な揚力を組み合わせた革新的な技術と、北極圏では風が時計回りに回転することを利用し、風をうまくとらえながら上昇するシステムも活用する。そうすることにより、燃料消費やCO2の排出量を抑えて、飛行効率を上げることができるそうだ。

また、離着陸の際は、自転車走行と同じ速度に落とすため、安全性が高い。なおかつ空港を使う必要がなく、起伏のない平らな場所なら、海にも着陸することができる。よって、緊急事態発生の際は、地球上のどこにでも着陸可能な場所を見つけることができる、と同氏は語る。

@OceanSky Cruises – YouTube

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5つ星のホテル並みの船内

船内は、5つ星のホテル並みの機能を備えている。ラウンジや、有名シェフのレストランなどの共有スペースの他に、しっかりとしたパーソナルスペースを確保。定員2名の個室キャビンが8部屋ある。キャビン内には、ダブルベッド、シャワー、トイレが完備され、アメニティも揃うラグジュアリー仕様だ。船内の至る所に大きな窓がある為、景色も存分に楽しめる。

落ち着いた雰囲気のラウンジ

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足元にも広がる大きな窓 @OceanSky Cruises - Facebook

専用キャビンにも、広い眺望をのぞめるパノラミック・ウィンドウがある。

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初航海はノルウェーから北極へ

最初の航路は、ノルウェー領スヴァールバル諸島のスピッツベルゲン島から北極へ向かう、2泊3日の旅だ。北極までの所要時間は、片道約15時間。スケジュールは以下だ。
■初日 18時 スヴァールバル諸島出発。北へ北上しながら、野生動物を探す。
20時 ディナー

■2日目 9時 北極点に着陸。約6時間の探検を楽しむ。ハイキングやクロスカントリー、北極海に浸かったり、雪の中でケータリングのランチなど。その後帰路の途につく。夜 船上でディナー

■3日目 6時 スヴァールバル諸島に帰着

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経験豊富な探検家が同行

飛行船クルーズの探検旅行には、極地探検家であり環境活動家でもある英国人、ロバート・スワン氏が同行し、率いてくれる。ロバート・スワン氏は、初めて徒歩で北極と南極の両極を踏破した人物で、2017年には再生可能エネルギーのみで南極到達を目指したベテランだ。

ロバート・スワン氏の近影

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北極冒険に同行する、極地探検家であり環境活動家でもあるロバート・スワン氏@2041 Foundation - YouTube

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南アフリカの旅も計画中

オーシャンスカイ・クルーズ社は、北極探検旅行の他に、6日間の南アフリカ旅行も計画している。ナミビアの骸骨海岸(スケルトンコースト)、ボツワナのオカバンゴ・デルタ、世界三大瀑布の1つである、ザンビアとジンバブエ国境にあるビクトリア・フォールズ、などに降り立つプランを検討中だそうだ。

骸骨海岸に流れ着いた難破船

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驚きの価格

現在、初回の乗客を募集中の「飛行船で行く北極探検旅行」。気になる旅行代金は、日本円で2,600万円(200万スウェーデン・クローナ)から。出発日が早ければ早いほど金額が上がり、最高価格は、初航海の約1億6千万円(1200万スウェーデン・クローナ)に達する。これは、定員2名のキャビン1室の金額だ。

北極探検の最初の50キャビンの購入者は、オーシャンスカイ・クルーズ社の株主になれるチャンスもあるらしい。

オーシャンスカイ・クルーズ社は、「テスラはロードスターを発売して業界に参入しました。我々のコンセプトも同じです。数ヶ月もすると、飛行船での旅にはウェイティング・リストができるでしょう」とnews24に自信をもって語っている。

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【画像・動画】世界初、飛行船で行く北極点への探検旅行 2024年の運行目指す

飛行船での旅のイメージ動画

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@OceanSky Cruises - Facebook

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@OceanSky Cruises – YouTube

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落ち着いた雰囲気のラウンジ

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足元にも広がる大きな窓 @OceanSky Cruises - Facebook
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専用キャビンにも、広い眺望をのぞめるパノラミック・ウィンドウがある。

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初航海はノルウェーから北極へ

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経験豊富な探検家が同行

ロバート・スワン氏の近影

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北極冒険に同行する、極地探検家であり環境活動家でもあるロバート・スワン氏@2041 Foundation - YouTube

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南アフリカの旅も計画中

骸骨海岸に流れ着いた難破船

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飛行船での旅のイメージ動画