ラフな服装でこそ高品位なストールを!大人カジュアルの達人、西野大士による着こなし指南

  • 写真・文・構成:高橋一史

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古着、ワークウエア、アウトドアウエアといったラフな服装のとき、マフラーやストールはどうスタイリングすればいいのだろうか?着こなしに悩みがちな冬小物の使い方を知りたくて、カジュアルお洒落の達人である西野大士(にしの・だいし)の元を訪ねた。彼はパンツブランドのニートのデザイナーであり、PRオフィス「にしのや」の代表でもある人物。東京大人シーンのクリエイターたちとの交流が深いファッション界の著名人だ。

今回フィーチャーしたのはアメリカのブランド、ドゥニ コロン。カシミヤらの高級素材を手仕事が息づくネパールで織物にした、品質と味わい深さを兼ね備えたラグジュアリーな品だ。デザイナーがフランス人なこともあり、ヨーロッパの感性も漂う。西野さんがイチオシするこの繊細なブランドを、彼自身が私服でコーディネート。服装を格上げする匠の技をどうぞご覧あれ!

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古着ワークウエアに薄く繊細なストールを

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古着カバーオールとポップな帽子でドレスダウンさせたクラシックコーデ。シューズ選びもさすがのセンス。シャープな男性的服装に、ソフトなストールで柔らかさを加えた。

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カシミヤ100%の華奢なリバーシブルストール。高級な糸を素朴に織った絶妙な仕上がり。¥121,000(税込)

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ストールをレイヤードアイテムとしてシャツとジャケットの間に挟んだ着こなし。ふわりとしたストールが優しいムードを生んでいる。

「実は今回、ガーゼっぽいストールを初めて自分の服装としてコーディネートしてみたんです。トライして古着との相性がすごくいいことに気づきました」
そう語る西野さんは、ワードローブの中心がアメトラや古着。女性に愛用者が多い薄手ストールはこれまで興味の対象外だったようだ。
「普通に考えるなら今日の服装だと厚手のマフラーを巻きがちですよね。でも別のものを持ってきたことで、ダメージのある古着ジャケットの汚れ感が薄れました。服のクセを中和させる使い方は上等なストールだからできたこと。透ける薄さの生地で、インナーに軽く差し込みやすいのもよかったです」
このストールは西野さんの私物ではないが彼いわく、
「個人オーダーで買っとけばよかったかな……。こんなに使えるなら!」
達人をもってしても新しい可能性を発見した体験だったようだ。

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What's denis colomb?

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男性がよく使うサイズのマフラー2点。カーペットのように独特な色合いがほかにない個性。

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_DSC9790.jpg左右2点ともに素材はキャメル。ともに ¥50,600(税込)

フランス生まれの建築家ドゥニ・コロンが会社を設立したのが2004年。現在彼はアメリカのロサンゼルスに住み活動の拠点にしつつ、出身地である南仏のプロバンスにも家を構えている。

最高級カシミヤの産地である内モンゴル産のカシミヤを中心につくられた製品はこれまで、ユナイテッドアローズ、トゥモローランドらのセレクトショップで取り扱われてきた。今年から日本の代理店が定まり、さらなるラインアップの拡大や多くの店での展開が期待される注目ブランドだ。

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車内用にもぴったりな大判ストールをアウトドアで

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愛車の80年代ベンツ・Gクラスとともに。ダウンベストにカシミヤの大判ストールを巻く、意外性のあるスタイリング。

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車で出掛けるとき持っていき、子供が寝るとき添えたり毛布としても活用する予定。

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80年代当時のテキスタイルのままの車のシートは偶然にも同じチェック柄。ストール¥231,000(税込)

ここに掲載したチェック柄大判ストールは、西野さんが今年購入した私物。マフラーに近い厚みがあり、カシミヤ糸をたっぷりと使って織られた贅沢な品だ。購入ポイントを彼が次のように語った。
「なにより気に入ったのは個性的な色です。僕が好きなミリタリーの古着にも通じるカーキ色が珍しいと思いました。ざっくりと羽織る使い方をしたくて、さらに車内でも使えそうで奮発して入手しました」

今回彼が披露したコーデは、ストールと色を揃えながらアウトドア調でまとめたスポーティなもの。この“色揃え”に達人ならでの着眼点がある。
「ダウンベストは光沢のあるスポーツ生地で、ストールはマットな風合い。素材の方向性が大きく異なりますから、色を合わせることで落ち着かせました」
そのうえでインナーは彼が、「ドラえもんカラー(笑)」と呼ぶ寒色系のブルーにしてメリハリをつけた。眼鏡の色もこの記事の最初に登場した姿と変わっている。ただやみくもに全身の色を揃えるばかりがお洒落のコツではないことを達人は教えてくれる。

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ネパール旅行の記憶がドゥニ コロンとリンク

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17年に仕事の関わりで訪れたネパール。写真:杉田裕一

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現地の人との交流もいい思い出に。写真:杉田裕一

「ドゥニ コロンに愛着が湧くのは、自分がネパールに行った経験があるのがひとつの理由です。現地の人たちはまじめで、手先が器用という印象を抱きました。とくにファッション用語で“甘め”と呼ばれる、ゆるさのある織りが素晴らしかった。ドゥニ コロンはその彼らがつくっている品ですから、余計に好きになってしまいます」

生産国を体感したデザイナーとしてのモノづくり目線でも、西野さんをうならせるドゥニ コロン。この冬に巻き物を新調したい人は、購入候補にすべき一生モノである。手に入れたなら西野さんのように柔軟な発想で、日常をともに過ごす使いこなしを見つけよう!

にしのや

https://nishinoya-pr.com

denis colomb

https://deniscolomblifestyle.com

輸入代理店 NOUN

www.instagram.com/noun_co_ltd

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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