『男はつらいよ』シリーズはどれを見るべき? サブスク時代に“この1本”を紹介する映画ガイド本

  • 文:Pen編集部
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映画ガイド本『この1本! 超人気映画シリーズ、ひとつだけ見るならコレ』。同書の「『男はつらいよ』ならこの1本」から一部が公開された。

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「『男はつらいよ』ならこの1本」より

まず、おいちゃん役をテレビと同じ森川信が演じた最初の8本は、コメディ色が強く、話に勢いがあって、理屈抜きに面白い。が、寅さんの衣装や、冒頭の夢の場面などが後の作品とは違うので、1本だけ選ぶとなると、森川信出演の8作ではない気がする。

フォーマットが整うのは八千草薫がマドンナ役を務めた第10作『寅次郎夢枕』からである。寅さんは毎回マドンナに惚れて振られるが、この作品は両想いになる初めてのケースなので、その意味でも見ものだ。また、さくらの息子・満男が成人して全面に出てくるシリーズ末期の作品だと、第43作『寅次郎の休日』が、ギャグに切れがあって面白い。

ぴあの「クチコミ満足度ランキング」で最も評価が高いのは、浅丘ルリ子が2度目のマドンナを務めた第15作『寅次郎相合い傘』である。「男はつらいよ」は、寅さんとマドンナが両想いになると恋愛軸が盛り上がって俄然面白くなるのだが、浅丘ルリ子の出演作は最新作も含めて5本あって、どれも両想いなので面白い。

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著者は馬場康夫(ホイチョイ・プロダクションズ)。さまざまな映画が自宅で見られるサブスク時代の今、シリーズ映画や1人の監督の映画から「休日の暇つぶしに1本見るとしたら、どの1本を選ぶべきか」をお薦めしている。

『男はつらいよ』をはじめ、『007』『スター・ウォーズ』『名探偵コナン』『ハリー・ポッター』「マーベル・シネマティック・ユニバース」「ピクサー・アニメ」「スピルバーグ監督作品」、「オードリー・ヘップバーン作品」「フランス不倫映画」「東野圭吾原作映画」「21世紀のミュージカル映画」「ジャッキー・チェン映画」などを取り上げている。

“この1本”を選ぶ上で、プロデューサーや脚本家たちの意見や、アンケート調査も参考にしているほか、「ジャッキー・チェン映画」はジャッキー・チェン本人、「ピクサー・アニメ」はピクサー前社長の意見なども取り入れている。

また、各作品群の全体像を見渡しつつ、基礎知識から豆知識まで盛り込まれている。

『この1本! 超人気映画シリーズ、ひとつだけ見るならコレ』

著:ホイチョイ・プロダクションズ 馬場康夫
定価:1980円(税込)
判型/頁:4-6/320頁
ISBN978-4-09-388870-7

小学館より発売中(2022年8月22日発売)