「硬い」「太い」ニンニクの広告のはずが…
韓国西部にある地方自治体、洪城(ホンソン)郡が制作した同地域の名産品であるニンニクを宣伝する動画が、「ニンニクを性的に扱っている」と農業団体の怒りを買い、削除される騒ぎとなった。
問題の動画は、2年前に洪城郡のYouTubeチャンネルで公開された、30秒の広告だ。飲食店の女将さんと思しき女性が、ニンニクの被り物をした「ホンサン」と呼ばれる人物の太ももをさすりながら、「硬い」「太い」などとささやく。洪城郡産のニンニクのことだが、女性の表情がセクシーで、「思わせぶり」だというのが、批判した農業団体側の主張だ。
実はこの動画、2004年に公開された韓国のヒット映画『マルチュク青春通り』のパロディにもなっているという。確かに、同映画のちょうど真ん中あたりに出てくるセクシーなシーンによく似ている。
アメリカのAP通信によると、動画は、前述の洪城郡が運営しているYouTubeチャンネルに投稿されたもので、今回の騒ぎに発展するまでに公開から2年が経っていた。当初は特に炎上することもなく、19万回ほど再生されていたという。ところが今年7月から、首都ソウルの高速バスターミナルや、テジョン市の繁華街にある電光掲示板で流されるようになると、状況は一変した。
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ニンニクを性的に扱うことの是非は?
AP通信によると、広告を見たある農業従事者が驚いて農業団体に連絡。韓国の農業従事者で作る非営利団体「全国農民会総連盟」と「韓国女性農民会」の地方支部は、動画を見て「驚きを隠せない」として、共同で声明を発表するに至った。
声明は動画について、ニンニクを「性的なモノとして扱って」おり、「不適切」だと主張。さらに、「動画は、見た者を不快な気持ちにさせるうえ、農業従事者が丹精込めて育てた農作物のイメージを大きく損ねる」と、批判の理由を説明した。
団体は洪城郡に対し、謝罪と、動画を制作した人物の責任を問うよう求めた。これを受けて洪城郡側はすぐにYouTubeの動画を削除。電光掲示板での再生も中止したという。
このニュースを取り上げたアメリカのニュースメディア「ザ・ヤング・タークス」では、「文化の違いかも」「保守的な人なら確かに気分が害されるのかもしれない」と農業団体側の主張にある程度の理解を示しつつ、食べ物を「性的なモノとして扱う」ことの是非について疑問を投げかけた。
また、広告の中の女性がニンニクに抱きついている姿を見て、同メディアのキャスターの女性は「彼女、楽しんでるよね。分かる。ニンニクを見ると確かに情熱が湧いてくる」と、広告に共感していた。
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【動画】韓国の広告動画、ニンニクを「性的に扱い」炎上、削除へ
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