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Penオンラインでもお馴染みの、「ワインは、自然派」という連載。自然派ワインやナチュラルワインは、この1年で世界中で人気が急上昇。背景には、世界中で高まる温暖化への懸念、環境への関心、もっと言えば、サステイナブルなワイン造りへの関心の高まりが指摘できる。
ちなみにEUでは2030年までに、有機認証をとった農園の比率目標を25%まで引き上げるという目標を掲げているし、昨年、フランスでは有機農法に転換したワイン用葡萄の畑が22%も増えた。このフランスの変化の背景には、今まで有機農業にさほど関心が向いていなかった、シャンパーニュ地方やブルゴーニュ地方での有機農法への転換が進んだことが指摘される。
翻って日本。農林水産省も「みどりの食料システム戦略」のもと、有機農業を取得した比率をなんと欧州と同様の25%(ただし2050年)に引きあげるとしている。とはいえ、日本で有機認証を取得したワイン用ブドウの畑は、私の知る限り、下記の数件に限定されている。有機加工品(ワイン)で取得しているのは、下記の中ではドメーヌイチとニセコワイナリーのみ。有機JAS法が改定され、今後は「日本ワイン」も有機JASとしての認定を受けることになる。またナチュラルワインという呼び方(カテゴリー分け)についても、議論は紛糾している。
現在、ワイン用ブドウのブドウ畑として、有機JAS認証を取得した、ワイナリーまたはワインブドウ生産者(委託醸造でワインを造っている)の一覧。ほとんどが北海道に位置している。これらのブドウで造られたワインの中には、ラベル上に「オーガニック」の記載があるものもある。
じきの畑 北海道/余市町
ドメーヌ モン 北海道/余市町
ドメーヌ イチ 北海道/仁木町
ニセコワイナリー 北海道/ニセコ町
相澤ワイナリー 北海道/帯広市、幕別町、大樹町
アグリシステム 北海道/中富良野
小布施ワイナリー 長野県/高山村
マンズワイン小諸ワイナリー 長野県/小諸市・上田市
サントリー登美の丘ワイナリー 山梨県/甲斐市
こうした流れの中、ナチュラルワインについて、7月25日に大変興味深いシンポジウムが開催される。テーマは「自然派ワインの果て」。主催は早稲田大学総合研究機構ヒューマン・ナチュラルソースマネジメント研究所。早稲田大学の福田育弘先生が座長となり、日本における自然派ワインがなぜ注目されるに至ったかを解きほぐし、将来の動向を探っていく。登壇するのは、「ラ・グランド・コリーヌ・ジャポン」の大岡弘武さんにペイザナ中原農事組合法人/ドメーヌオヤマダ」の小山田幸紀さん。ウイークデーの昼間の開催だが、参加費は無料。時間調整の可能な方は、ぜひ、ご参加を。
シンポジウム「自然派ワインの果て」
開催日:2022年7月25日 (月)
開催場所:早稲田大学 早稲田キャンパス14号館102号室
開催時間:15時~17時
参加申し込みは下記から↓
https://naturalwinewaseda.peatix.com