映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』のあらすじと見どころ。マルチバースの扉が開かれ、衝撃の新展開へ

  • 文:上村真徹
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©Marvel Studios 2022

マーベル・コミックの人気ヒーロー、ドクター・ストレンジを主人公に描いたシリーズ第2作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』のあらすじと見どころを紹介する。

【あらすじ】最強の魔術師ストレンジの前に史上最大の脅威が迫る

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元恋人のクリスティーン(左)とアメリカ・チャベス(右)と共に、異次元空間につながる扉を開くストレンジ(中央)。©Marvel Studios 2022

マーベル・コミックのスーパーヒーローたちの活躍を壮大なスケールで描くマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)。その主要キャラクターであるアベンジャーズ最強の魔術師ドクター・ストレンジを名優ベネディクト・カンバーバッチが演じるシリーズ第2作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』が、5月4日から劇場公開される。

元天才外科医にして最強の魔術師ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)は、アベンジャーズの仲間スパイダーマンに助けを求められ、自らの魔術の中で最も危険とされる禁断の呪文を使う。そして時空を歪ませた結果、“マルチバース”と呼ばれる無数のパラレルワールドの扉が開かれてしまう。

ストレンジは変わりつつある世界を元に戻すため、アベンジャーズ屈指の強大な力を誇るワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ(エリザベス・オルセン)に協力を求める。しかし、もはや彼らの力だけではどうすることもできない恐るべき脅威が人類に迫っていた。さらにそんな中、ストレンジの前に恐るべき存在が立ちはだかる。それは、彼とまったく同じ姿をした邪悪な“もう一人の自分”だった。

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【キャスト&スタッフ】『スパイダーマン』のサム・ライミがMCUに参戦!

本作のスタッフでまず目を引くのは、近年のアメコミ映画ブームの先駆けとなったトビー・マグワイア主演版『スパイダーマン』3部作の生みの親である、サム・ライミが監督を務めたことに尽きる。しかも彼が長編映画のメガホンを握るのは、2013年の『オズ はじまりの戦い』以来のこと。幼い頃からコミックオタクだったライミ監督は、実はかなり前からドクター・ストレンジの映画化に意欲を表明していた。そんな思い入れのあるキャラクターをライミ監督がどのように描くか要注目だ。

MCUのレギュラーキャラクターをおなじみのキャストたちが引き続き演じる中、注目したいのは、新登場のアメリカ・チャベスに扮する新進気鋭のティーン女優ソーチー・ゴメス。彼女が演じるアメリカ・チャベスはマルチバースを行き来する特別な能力を持つ少女で、コミック通りだと某ヒーローと同一人物。MCUのメインキャラクターを演じる俳優としては歴代最年少クラスであり、今後MCUを追っていく上で要注目の存在だ。

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【見どころ】見る者を幻惑する“未知なる映像体験”がパワーアップ

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ストレンジがこれまで見せたことのない呪文を唱え、驚異のパワーを披露する。©Marvel Studios 2022

2016年に公開された単独シリーズ第1作『ドクター・ストレンジ』では、ストレンジが自在に操る魔術の摩訶不思議さを表すために、空間を歪ませるサイケデリックな映像で見る者を幻惑した。そして監督がサム・ライミに交代した今回も、マルチバースの扉が開いたことによって、さらにストレンジが“もう一人の邪悪な自分”と向き合うという衝撃の展開によって、これまで以上に未知なる映像体験が味わえる作品となっている。

また、数々のMCU作品を経て変化したストレンジのキャラクター性にも注目。元々は天才外科医ということもあり“上から目線”な性格だったが、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』では若きスパイダーマンを気にかける“メンター”のような存在感を印象づけた。今後のアベンジャーズの新たなリーダーとして、今回の過酷な戦いを通じてどのような成長を遂げるか気になるところだ。

今後のMCUにおいて重要なピースになると同時に、魔術をフィーチャーした『ドクター・ストレンジ』シリーズならではの魅力でも楽しませる、決して見逃せないヒーロー映画といえよう。

『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』

監督/サム・ライミ
出演/ベネディクト・カンバーバッチ、エリザベス・オルセンほか 2022年 アメリカ映画
2時間6分 5月4日(水・祝)全国ロードショー

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