ダミアン・ハーストから上野リチまで。Penが選んだ今月の展覧会2選

  • 文:川上典李子
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日本とゆかりのある国際的なデザイナーの展示や、この季節にぴったりな桜の展示。今春訪れたい、Pen編集部おすすめの展覧会を紹介する。

19世紀ウィーンから京都へ、珠玉のデザインを遺した国際人

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上野リチ・リックス『プリント服地[野菜]』1955年頃(再製作:1987年)京都国立近代美術館

19世紀ウィーンから京都へ、珠玉のデザインを遺した国際人

ウィーン工房の一員としてテキスタイルデザインを手がけ、生命力あふれるデザインで注目を集めたフェリーツェ・リックス(後の上野リチ・リックス)。ヨーゼフ・ホフマンの建築事務所で働いていた上野伊三郎と1925年に結婚した後には京都も拠点として伝統産業との協働や日本建築の壁画装飾も手がけた。激動の時代に洋の東西で才能を発揮したリチの創造世界を深く知る、世界初の回顧展。

『上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー展』

開催期間:2/18~5/15 ※展示替えあり 
会場:三菱一号館美術館 
TEL:03-5541-8600 
開館時間:10時~18時 ※祝日を除く金と会期最終週平日、第2水、開館記念日の4/6は21時まで。入場は閉館30分前まで
休館日:月曜日、4/12 ※2/28、3/21、3/28、4/25、5/2、5/9は開館 
料金:一般¥1,900 
※開催の詳細はサイトで確認を 
https://mimt.jp/lizzi

※臨時休止、展覧会会期や入場可能な日時の変更、入場制限などが行われる場合があります。

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西洋絵画史の独自解釈を経て、咲き誇る桜は美・生・死を表す

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『スタジオでのダミアン・ハースト』2019年 photo: Prudence Cuming Associates. Ltd© Damien Hirst and Science Ltd.All rights reserved, DACS 2022

西洋絵画史の独自解釈を経て、咲き誇る桜は美・生・死を表す

1990年代のイギリスで話題をさらったヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBAs)の旗手として注目を集め、動物をホルマリン漬けにした作品でも知られるダミアン・ハースト。生と死や儚さに対する美学は、桜を幻想的に描いた最新の絵画の奥底にも。アトリエにこもり、3年越しで完成させた渾身の107作品から厳選された24作品。ハーストの桜が醸し出す空気を体感したい。

『ダミアン・ハースト 桜』

開催期間:3/2~5/23 
会場:国立新美術館 企画展示室2E 
TEL:050-5541-8600 
開館時間:10時~18時 ※金・土は20時まで。入場は閉館の30分前まで
休館日:火曜日 ※5/3は開館
料金:一般¥1,500 
※開催の詳細はサイトで確認を 
www.nact.jp
※臨時休止、展覧会会期や入場可能な日時の変更、入場制限などが行われる場合があります。

※この記事はPen 2022年4月号より再編集した記事です。