【前編】俳優・光石研が故郷で出会う、椅子に魅せられたふたりの人生

  • 写真:勝村祐紀
  • 文:高橋美礼
  • ヘア&メイク:山田久美子

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ポール・ケアホルムの「PK11」に座る光石さん。

名バイプレイヤーとして知られ、YouTubeで配信中のオリジナルドラマ『東京古着日和』にも出演するなど、ヴィンテージなモノに惹かれるという俳優の光石研さん。名作椅子の魅力を再発見しに、故郷・福岡を旅した。

空間での見え方を考えて選ぶ、武末充敏の椅子の楽しみ方

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光石さんは「ミッドセンチュリーもあれば、北欧デザインもあって……気になるものばかりです」とコメント。

「おじゃまします」とつい声をかけて入りたくなるひそやかな空間。ドラマ「バイプレイヤーズ」をはじめ、話題作に多数出演している俳優の光石研さんが福岡で最初に目指したのは、インテリアセレクトショップ「オルガン」だ。

光石さんが以前から行ってみたかったというこの店は、北欧のプロダクトを中心にセレクトし現行品にはない珍しいヴィンテージも揃える。福岡の中心街から外れた場所にあるが、全国から多くの人が訪れる名店だ。武末さん自ら設計した自宅ビル4階のワンフロアに、世界中のさまざまなモダンデザインが集められている。

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アルネ・ヤコブセンがデンマーク国立銀行のためにデザインした「リリー」。
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ヴァーナー・パントンの「バチェラーチェア」は珍しい革張りタイプ。

「光石さんがいま座っているポール・ケアホルムのPK11もいいでしょう? 椅子はね、座らないと自分の身体にフィットするかどうかわからないものですよ」
光石さんが目に留めた椅子を、次々と解説してくれる武末さん。椅子談議に花を咲かせながら、光石さんも一脚ずつ感触を確かめるように、座ったり、違う角度から眺めたりと、真剣な眼差しを送る。

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海外の映画や展覧会のポスターも充実。

「座面がそれほど高すぎなくて座り心地がいいですね。背もたれから肘までは木製で、金属製の脚をあえて見せていて“地味派手”なところが個性的ですよね」

椅子のデザインに言及する光石さんに、武末さんも嬉しそうだ。武末さんが店を始めた当初よりも、最近は明らかに、傷が目立つくらい古い椅子を探し求める人が増えたという。時間の経過も含めて楽しむヴィンテージ志向が広まってきたのを肌で感じるそうだ。

※後編へ続く

光石 研

1961年、福岡県生まれ。俳優。高校在学中に受けたオーディションで主役に抜擢され、映画『博多っ子純情』でデビュー後、映画、舞台、テレビドラマに出演。PenのYouTubeオリジナルドラマ『光石研の東京古着日和』が好評配信中。

武末充敏

1949年、福岡県生まれ。「organ」店主。70年代に東京でバンド「葡萄畑」のメンバーとして活動後、福岡へ戻る。99年、自宅ビル内にインテリアのセレクトショップを開店。国内外の優れたデザインを紹介している。

organ

住所:福岡県福岡市南区大橋 1-14-5 TAKE-1ビル 4F
TEL:092-512-5967
営業時間:14時〜18時(木、金)、13時〜19時(土、日、祝)
定休日: 月〜水
https://organ-online.com

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※この記事はPen 2022年4月号「名作椅子に恋して」特集より再編集した記事です。

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