『ウェディング・ハイ』の見どころ&あらすじ。笑いの鬼才・バカリズムが仕掛ける注目コメディ

  • 文:上村真徹

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©2022「ウェディング・ハイ」製作委員会

脚本家としても才能を発揮するお笑い芸人バカリズムのオリジナル脚本を、豪華スターたちの競演で映像化した群像コメディ『ウェディング・ハイ』のあらすじと見どころを紹介する。

【あらすじ】結婚式に人生を懸ける参列者たちが暴走し、披露宴は思わぬ方向へ

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敏腕ウェディングプランナーの中越(右)は、結婚式を最高のものにするため全力を尽くす。©2022「ウェディング・ハイ」製作委員会

本業のお笑いにとどまらず、『架空OL日記』『地獄の花園』など映画やドラマでも脚本家として独特の世界観を魅せているバカリズムが、今度は結婚式を舞台にした群像コメディを創造。篠原涼子をはじめ豪華キャストの競演で描く『ウェディング・ハイ』が、3月12日から劇場公開される。

晴れてゴールインを迎えた新郎新婦の石川彰人(中村倫也)と新田遥(関水渚)は、敏腕ウェディングプランナーの中越(篠原涼子)に支えられながら結婚式の準備を進め、いよいよ式当日を迎える。しかし式の参列者たちは、主賓スピーチや余興など結婚式の定番の演目に並々ならぬ情熱を注ぐ曲者ばかり。彼らの思いが暴走し、披露宴に暗雲が立ち込める。

それでも中越は結婚式を最高のものにするため、披露宴スタッフと共に前代未聞の計画を立て、数々の問題を解決すべくミッションを遂行していく。ところがその一方で、元恋人である遥の結婚を知った裕也(岩田剛典)が花嫁略奪を計画し、さらに友人でも親戚でもない謎の男・澤田(向井理)が式場に出現。結婚式は予測不能な方向へと進んでいく。

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【キャスト&スタッフ】最高のクリエイターと豪華キャストが集結

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中村倫也と夫婦役を演じる関水渚(右)は、2019年の映画『町田くんの世界』で1000人以上のオーディションからヒロインに抜擢された期待の新星。©2022「ウェディング・ハイ」製作委員会

「完全オリジナルでお祭り映画を作りたい」と情熱に駆られた本作のプロデューサー陣は、結婚式を舞台にしたコメディ映画を企画。披露宴というさまざまな立場の人たちの思いが交錯する場で、キャラクターごとに異なる視点で織りなす群像劇を面白く料理できる適任者として、バカリズムに脚本をオファーした。そして脚本作りが進む中で、『勝手にふるえてろ』『私をくいとめて』など共感度の高い作品を次々と発表している大九明子を監督に迎えた。

このようにクリエイター陣が充実しているだけでなく、豪華なキャスティングも注目ポイント。絶対にNOと言わない敏腕ウェディングプランナーの中越を篠原涼子。お茶目で根は真面目だけど流されやすい新郎・彰人を中村倫也。天真爛漫な新婦・遥を関水渚。さらに、結婚式で波乱を巻き起こす曲者たちも、花嫁を奪いに来た遥の元恋人・裕也を岩田剛典、何を考えているか分からない謎の男・澤田役を向井理、主賓スピーチに命を懸ける新郎の上司・財津役の高橋克実など個性派ぞろい。登場人物一人ひとりが主役のような、贅沢な作品に仕上がっている。

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【見どころ】面白いことが正義!笑わせることに徹した純度100%のコメディ

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シリアスもコミカルもこなすことのできる篠原涼子が、クセのある参列者たちの暴走を“真顔で受け止める”側を好演。©2022「ウェディング・ハイ」製作委員会

本作で大九監督が大切にしたのは、「結婚式は感動的で素晴らしいイベント」という結婚礼賛ではなく、さまざまな人が集まって全力で祝うお祭り感を演出すること。そしてもう1つは、「面白いことが正義」ということ。中越の作戦を決行するキャラクターたちが心の声で語り合うシーンに分割画面を用いるなど見せ方を工夫する一方、撮影で俳優が面白い芝居をすれば、柔軟に採用。そうした監督のスタンスが、コメディ映画としての純度と完成度を高めている。

さらに本作のユーモアを高みへと引き上げているのが、豪華キャストによる笑いのセッションだ。コメディというと奇行に走るキャラクターにどうしても目が行きがちだが、ウェディングプランナー役の篠原涼子、新郎新婦役の中村倫也と関水渚が、暴走する参列者たちの“ボケ”を受け止めるリアクションを丁寧に好演。また、岩田剛典が役の立ち位置を理解して振り切った演技を魅せれば、謎の男役の向井理が“やりすぎないギリギリ”のユーモアを披露。そして上司役の高橋克実は、自らの人生挽回を主賓スピーチで果たそうとする姿を通じて、人生における笑いと涙の表裏一体性を体現。まさにどこを切り取っても面白い、笑いの密度の高さが贅沢極まりない。

随所に散りばめられたユーモアにクスッと笑い、予想外のトラブルが続発するドタバタにハラハラ。そして最後にほんわか心が温まる、これぞエンターテインメントと呼べる作品だ。

『ウェディング・ハイ』

監督/大九明子
出演/篠原涼子、中村倫也ほか 2022年 日本映画
1時間57分 3月12日(土)より全国ロードショー

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