
靴磨きを休日の趣味にする人もいるほど、シューケアの世界は奥が深い。その一方で、何もケアせず汚れたままの靴を履き続ける人も少なからず。両極端だから巷のシューケア用品は細分化された専門的なものばかり。「これ一本でOK」の手軽なものがなかった。その隙間に入り込んでヒットを飛ばしたのがアメリカのジェイソンマークである。スニーカーを愛する人に向けた、スニーカー専門を掲げるケア用品シリーズだ。スニーカー愛用者が多いアメリカ・ロサンゼルス(以下、LA)で2007年にスタートした。
スニーカーは表革、スエード革、コットンキャンバス、ビニールなどさまざまな素材がミックスされることが多く、各パーツごとに洗剤を変えて汚れを落とすのは至難の業。ジェイソンマークは天然オイルを中心にした成分で、どの素材にも使えるクリーニング液を開発。「大切なスニーカーを手入れして長く履いてほしい」という思いで発売し、スニーカー好きの心を掴んだ。表面の汚れを落とすだけで水洗いしないから、型崩れもなく短時間でケアできる。パッケージデザインもクールで、使うことがお洒落という新しいシューケア文化まで生み出した。

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シューケア文化を日本に定着させるべく、彼らは2022年1月22日(土)に東京・原宿にオンリーショップ「ジェイソンマーク トウキョウ」をオープン。店が提供するのは、スニーカーのクリーニングサービスである。14年のLA店オープン時から東京への出店を狙っていた彼らにとって待望の日本進出となる。なお余談だが、LAの店はダウンタウンエリアの「リトル東京」内にある。ジェイソンマークの名称はブランドの創設者の名前だ。
クリーニングはジェイソンマークの商品を使い店内のバックヤードで行われる。受付は持ち込みオンリーで、スタッフと適切なケアコースや手段を相談してスニーカーを預ける。基本料金は¥1,600からで、3日後には店頭で受け取れる。追加料金加算での当日戻しシステムもあり、急ぐ人は要相談だ。小石・土落とし(¥800)やガム・接着剤落とし(¥1,600)、撥水加工(¥1,200)などスニーカーならではのオプションサービスも嬉しい。
スパイク・リー監督の映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』で、若い黒人男性が新品のナイキ・エアジョーダン4を人に汚され、周囲を巻き込み路上で大騒ぎするシーンがあるが、スニーカーはクリーンに履いてこそ誇りを感じられるもの。長い愛用はSDGs時代のファッション感にも即している。店で購入できるグッズを使った日々のケアもお忘れなく!



創設者のジェイソンによる、「エッセンシャル キット」を使ったクリーニング解説(英語)。
Jason Markk Tokyo
ジェイソンマーク トウキョウ
東京都渋谷区神宮前4-32-7
営業:13時〜18時(平日) / 12時〜18時(土日祝)
TEL:03-6455-5012
火曜定休
www.instagram.com/jasonmarkk.jp/