おもわず10本買い!BICボールペン半透明グレーこそ取材用筆記具の決定版

  • 写真・文:高橋一史

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BICのボールペンを主役にした、私物のオールグレーコーデ。サイのスウエットシャツ、ミュールバウアーのキャップ、ジル サンダーのショルダーバッグ。

“見た目より実用”。
それが私の生活の基盤です。
革靴をカッコいいと思っても、毎日の足元はスニーカー。
仕事で外出するとよく半日近く立ちっぱなし歩きっぱなしで、自ら望んでそうしているのですが、
革靴だと疲れて「もういいや、お家帰ろう」って気になっちゃうんです。
行動力を妨げる要因はなるべく排除したく。

好ましいのは、実用と見た目のバランスがとれたプロダクト。
実用のなかにはコストパフォーマンスも含まれます。
すべてが調和してると、「考え抜かれたデザインだなあ」と思うのです。

今回ご紹介する、フランスの筆記具(&ライター)メーカー「BIC」の「ラウンドスティック M」もそんな優れたプロダクト。
いえ違いますね、“最高の”プロダクト。
あ、いえ……キャップを外すのが面倒だし紛失しそうだから、
限りなく最高に近いプロダクト!

昨年末の12月にはじめて手にとったとき、長いこといじり倒しちゃいましたよ。
DAIKANYAMA T-SITE GARDEN GALLERYで開催された、ジュースミキサーのバイタミックス展示会場で。
レセプション受付のデスクで来場者の記帳用にたくさん置かれてたのがこのボールペンでした。
会場入りせずデスク横でペンをガン見してた不気味人間が私です。

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束にすると存在感UPの、クールなトランスルーレントグレーボディ。

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ビックジャパンのサイトでの歴史紹介によると、ラウンドスティック自体は1980年代からあるようです。
皆さんにはお馴染みですか?
同社の2021年製品カタログにはこのモデル(他の色も)の掲載なし。
ネットのショッピングモールで販売されてるものは、並行輸入品のようです。

魅力ポイント

1. 味わい深いボディカラー。
2. 超絶な軽さ。
3. 刻印もある成型。
4. ヌメッとした書き心地。
5. 紛失しても泣かない低価格。

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一本でも見栄えするデザイン。キャップは艶消し仕上げ。本体はインク量が見えてほかのBICボールペンより便利。

初期iMacが大ヒットした2000年頃は半透明プロダクトが世の中に多く、このボールペンを見て再び新鮮な気分に。
約60年前にディーター・ラムスがデザインしたブラウン社のオーディオらの工業製品(ジョブズ時代のMac各製品の元ネタと言われる)が好きな人はきっとハマるはず。
いま東京のファッションシーンでラムスデザインが注目されてるのは、ドイツのミニマリズムが日本の侘び寂びにも通じるからでしょう。

ラムズの色彩は、ベージュ・茶色・グレー。
イマどきな言い方をすれば、ニュアンスカラー。
BICも半透明だから複雑な色を感じさせて楽しいのです。
本体、キャップともに同一樹脂素材で統一されたストイックさも美しさに結びついているようです。
内部のインク構造が、しっかりとデザインに活かされてます。
棒状ボールペンは鉛筆に近い「書いてる」って気分になれていいですね。

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サイドロゴは刻印+白塗料。キャップ周囲にも刻印あり。現代の低価格筆記具が文字をプリントで済ませるのとは逆をいく凝ったつくり。

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底面にも「BIC」「MEXICO」(メキシコ製)のエンボス文字が。

45階立てビルの屋上から落としてもたぶん平気な(試してませんが)驚きの軽さ。
懐かしい言葉“チープシック”がよく似合う、頑張って安いものをつくった印象。
安心安定のヌメリのある油性の書き心地。
まさしくBIC。
これぞBIC。

ネットで10本セット約¥1,000でゲット(色名は黒)。
取材持ち歩き筆記具として愛用中のノック式BICのサブに、ラウンドスティック Mが加わりました。
メインに昇格しないのは、慌ただしい仕事現場ではキャップか本体をなくす可能性大だからです。

現代のさらさらインクの「ジェットストリーム」「ビクーニャ」らも使ったことありますが馴染めず。
インクのテクノロジーには驚嘆するものの、ロボットアニメ系の本体デザインがどうにも……。
マテリアルの素材感も配色も、BICのようなチープ&シックを追求してくれたら。

ならば高級品はというと見た目はシンプルでも重量が増し、
「適度な重さがあるほうが手が疲れず書きやすいものなんですよ」
ってウンチクを聞かされる。
椅子にのんびりと座って長時間書く人にはそれが正解かもしれませんけども。
ノート片手に歩きながらメモを続け、取材対象者のテーブルを傷つけないようにスマホを置くのにも気を遣い、撤収のため素早く服のポケットに放り込む仕事では、高級筆記具なんか“実用的”じゃないんですよっ。

我々のような人間が頼りにできるBIC、ありがたい存在です。

All Photos©KAZUSHI

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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