ムーンスターをもう一足購入して、世界に誇れる傑作に改めて惚れ直す

  • 写真・文:高橋一史

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シューズもバッグも、素朴さや温もりのあるキャンバス素材が気になって仕方ない今日このごろ。
昨年末に「やっぱりほしい!」と買い足したシューズが、ムーンスターの泥道も歩ける「オールウェザー」。
同社が国内自社工場で製造する、「ファインヴァルカナイズド」シリーズを代表する一足です。
型は定番で、色の組み合わせのバリエーションが豊富。
つくられ続ける色もあれば、いつの間にか姿を消すものもあり。

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今回購入したのは、ソールの色が天然ゴムでアッパーが白のモデル。
20世紀初頭のミリタリーシューズふう配色に惹かれて。
アッパーの周囲がぐるりと白ラバーで覆われ、傷や汚れがつくと新品とはだいぶ表情が変わりそう。
いつもは“靴をきれいに履く派”なんですが、これは汚してみようかと思い防水スプレーも掛けず。
みすぼらしくならないようにブラシで手入れしつつ愛用していこうかと。

ファッションメディアの仕事絡みで、これまで何度もこの型に接してきました。
なのにいつ見ても新鮮。
飽きることがありません。
今回入手して足を入れたら、改めてよさを実感しまして。

惚れ惚れポイント

1. グラフィカルなデザイン。
2. 上質なマテリアル。
3. 繊細なシルエット。
4. 精密な仕立て。
5. 悪天候OKな機能性。
6. 歩き疲れの少なさ。

履いた人だけが知るのが、極薄ソールなのに意外な歩きやすさ。
踵の着地に衝撃がなく前へ踏み出しやすく、アスファルトの道路も何のその。
最新ランニングシューズが近代理論で教育された現役一流大学合格の優等生とするなら、一浪していい大学に入れるくらいの基礎学力はある感じ。
「へぇ〜やるわねえ、あの子がねー、よく受かったねー」と親戚に褒められるくらいの。

ただ、ちょいと難点(または購入前に気にすべき点)も挙げておきましょう。

困りポイント

1. 蒸れやすい。
2. ラバー部分が足に当たると痛い。
3. ……。

私の基準だと、難点はふたつだけですね。
水の侵入を防ぐぶん、蒸気が外に逃げず通気性がよくないです。
このシューズは限りなくゴム長靴。
解決するには、汗をよく吸う吸湿インソールを入れること。
これだけで劇的に快適になります。
Amazonやヨドバシ.comなどで探せます。
シューズはインソールが入る大きめサイズを選んで。
足にぴったりさせなければ通気性もアップしますし。

大きめサイズは、ラバーシューズ固有の足への馴染みにくさ解消にもお役立ち。
店での試し履きのとき横幅がOKでも、足の甲をグッと曲げてみましょう。
爪先のラバーが甲を擦る実感があるなら、私なら購入を見合わせます。
歩くうちにひどいときは甲の皮がむける心配があるから。
厚手ソックスや絆創膏で保護する手もあるものの。

ファインヴァルカナイズドの最初の一足は、東京・銀座『MOONSTAR Factory Ginza』らの取扱店で履いてみるのがベター。
スライムのようにベタッと広がる不格好な足の私でも履けますから、たいていの人は大丈夫かと思いますが。

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このたびの新しいハイカットスニーカーは、手持ちのファインヴァルカナイズドモデルに買い足した一足。
その手持ちとは、いまも同シリーズの最高傑作と思うサイドゴアシューズ。

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いやもうパーフェクトですよ、このシューズ。
(前ページ記載の困りポイントは共通しますが)
スポッと脱ぎ履きできるし、人体構造に基づいた足首のカーブも巧み。
何よりも見事に美しいと思ってます。
買ってホントによかった一足。

奇しくもこの冬は若い女性の間でサイドゴアブーツがヒットしてて(ゴツい厚底タイプですけど)、カフェラテカラーもイマどきな色。
「ならこれだけ履いてりゃいーじゃん」ってとこなんですが、冬の白いシューズってのもカッコいいじゃないですか!
買い足したくなるってモンですよ。
同じ日本人として誇りに感じるムーンスターのリピ買いにはためらいがない、日本のモノづくり大好き人間なのでした。

All Photos©KAZUSHI

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高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。