沖縄を聞いて、観て、感じる一日、『Be.Okinawa Day』イベントが開催

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    沖縄県の観光ブランド「Be.Okinawa」。美しい自然とあたたかい人たちに囲まれ、本来の自分を取り戻せる島という魅力を発信するため、2013年から国内外に向けたプロモーションを行なってきました。今年は、昨年発行された雑誌『Pen+ つぎなる旅先、沖縄へ。』の内容を立体化させる展示を北海道、福岡、神奈川の3ヵ所で展開し、さらに2021年12月4日にはトークショーも行うワンデーイベントが開催されました。

    湘南で手に取り感じる、沖縄のぬくもり

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    会場となった湘南T-SITEでは、テーマ別に沖縄の魅力を展示。食をテーマにした展示エリアでは、石垣島や沖縄本島で作られる調味料やお菓子が並び、訪れた人が足を止めていく様子が見られました。また、別のエリアでは、沖縄の伝統的な焼き物「やちむん」の器や箸置きなど生活雑貨から服飾雑貨なども並び、沖縄の手仕事のあたたかみを手に取り感じることができます。

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    これまでBe.Okinawaブランドを発信するため制作されてきたポスターや映像作品も展示。外国人観光客から国内個人旅行、そしてコロナ禍を経て移り変わる沖縄観光の今を表現しています。

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    知花くららや宮沢和史が沖縄の魅力を語るトークライブ

    この日特別企画として、沖縄にまつわるさまざまなテーマでゲストが登場するトークイベントも開催。イベント会場には抽選で選ばれた各回20名の方々が来場し、久しぶりのリアルイベントに喜ぶ様子が見られました。また、当日はYouTubeでライブ配信も行われ、自宅にいながらイベントの様子を視聴頂けるなど昨年に引き続き、オンライン、オフラインどちらでも楽しんでもらえる仕掛けも用意しました。

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    来場者はマスクを着用し、ソーシャルディスタンスを設けた座席でゆったりとトークに聞き入る。

    トークイベント冒頭では、これまで歩んできた「Be.Okinawa」プロジェクトの概要や経緯についての紹介が行われ、過去の広告ビジュアルやWeb動画など様々なプロモーションについても解説されました。

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    「Be. Okinawa」の「Be」とは、「そこにある、存在する」を示す言葉。旅する人が沖縄の空気や風景に溶け込み、そこに暮らす人々と交流し、心を通わせることで本来の自分を取り戻せるという意味が込められている。
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    2021年ポスタービジュアル。真っ青な海を目の前に、深呼吸したくなる、そんな旅する気持ちを重ねたい。

    今年度のブランドムービーのテーマは「新 呼吸できる場所へ」。2020年に制作した2本の動画では、沖縄編に登場するおばあさんと、東京編に登場する都会の女性、2つの視点から沖縄への旅を想起させるストーリーを展開。今年はその完結編として、心が蘇るような深い呼吸ができる場所が沖縄にはあるという事を表現しています。ブランドムービーが放映されると、会場内も沖縄の自然の美しさと温かな雰囲気に包まれました。

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    食や自然、暮らし、音楽から見えてくる沖縄

    トークイベントは3部構成。第一部では、沖縄の食文化について、沖縄在住の編集者セソコマサユキさんと、Table Ogino荻野伸也シェフの二人が登場しました。セソコさんからは、沖縄独特の食文化や現地での日々の食についてトークが繰り広げられ、その独特な食材や長い歴史の中で確立してきた沖縄の食文化について語られました。

    「沖縄の食文化はチャンプルー(ごちゃまぜ)文化。時代とともに、いろいろな要素を吸収して成長してきた。これからも新しいものを取り入れながら広がってくるのではないかと、僕自身も楽しみです」

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    セソコマサユキ●都内で書籍編集やイベント企画、カフェ、雑貨店の運営に携わったのち、2012年に沖縄へ移住。現在は、メディアやイベントなどに携わりつつ、「島の装い。ストア」の運営も行う。

    さらに今回、湘南T-SITE内のレストラン「Table Ogino」で提供される特別メニューを考案した荻野シェフは、実際に沖縄の食材を手にしながら、調理法やアレンジなど料理人の視点で沖縄食材のおもしろさを発信しました。

    「今回メニューを考案して、沖縄の食文化はフランスとどこか通じる部分があると知った。ここまで郷土的な料理が日常に残っている文化は日本中探してもないはず。大切にしていきたいです」

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    荻野伸也●Table Oginoオーナーシェフ。フランスでの修業を経て、2007年に「レストランオギノ」を開店。現在は関東を中心に数店舗とオンラインショップも運営、プロデュースも行う。

    沖縄在住編集者とフレンチシェフが紐解く、沖縄の食文化の魅力

    第二部に登場したのはモデル 知花くららさん。自身の出身地である沖縄の自然と暮らしについてお話が繰り広げられました。

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    知花くらら●沖縄県那覇市出身のモデル。これまでモデルの活動だけにとどまらず、女優、報道キャスター、国連WFP(国連世界食糧計画)の日本親善大使など幅広く活動している。

    祖父の出身地である沖縄県慶良間諸島の慶留間島の風景について、会場モニターにはその美しい島の様子を投影。自然の豊かさについて触れ、島に残る祖父の生家から建築への学びのインスピレーションを受けたと話す知花さん。

    「沖縄には“何もない”が残っている島がたくさんある。便利になるのも素敵だが、その一方で守っていくべきものもある。祖父の生家を譲り受けたことをきっかけに、沖縄の文化や残していくものについて考え、さまざまな活動を続けていきたいと思っています」

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    2012年から続けている「げるまキャンプ」では、被災した福島の子どもたちを慶留間島に招待し、自然や文化に触れてもらう活動も行っている。すっかり日焼けした小麦色の肌で笑顔になる子どもたちを見ると元気がもらえると、微笑む知花さん。

    トーク最後には質疑応答も行われ、現在子育中の知花さんに「沖縄の子育てで大切な考えは?」という質問も投げかけられました。第二子出産を機に海の見える街に移住した経験や、「なんくるないさ」という沖縄の考え方を子育てでも大切にしていると笑顔で語り、最後には、「沖縄いいとこ、一度はおいで」と沖縄愛溢れるメッセージも届けられました。

    「沖縄出身のモデル 知花くらら氏が語る 沖縄の豊かな自然と暮らし」

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    この日最後となるトークイベントには、シンガーソングライターの宮沢和史さんが登場。数々の名曲を世に送り出し、そして沖縄に深く通じる宮沢さんが伝える、沖縄音楽の魅力と活動についてトークが展開されました。

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    宮沢和史●THE BOOMのボーカリストとしてデビューし、現在ソロとして活躍中。デビュー当初より沖縄音楽を取り入れた楽曲を数多く制作し、沖縄音楽にまつわる活動や沖縄芸術大学で非常勤講師も務める

    沖縄を代表する楽器「三線」の材料でもある「くるち(黒檀)」。そのくるちの植樹活動を自身で立ち上げた宮沢さんが「くるちの杜100年プロジェクト」について説明しました。

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    古くから沖縄では信仰の対象でもあった「くるち」は、現在三線の材料のほとんどを輸入に頼っている。読谷村での植樹活動の写真とともに、村民や県外からの支援があったと活動を振り返る。やがて三線の材料として育つ100年後まで見据えた壮大なチャレンジだ。

    また、民謡の保全活動も2012年から約5年かけて行った宮沢さん。楽譜には残らない歌い手の節や音のつながり、演奏技術を記録することはこれからの沖縄にとって大切なことだといいます。また、沖縄に根付く独特の「民謡」のあり方についても興味深い話が。

    「民謡とはその名の通り『民の歌』。沖縄では民衆の流行歌として、恋や教訓、遊び歌などさまざまなことが歌われてきた、実はわたしたちにとってとても身近なもの。沖縄の歩んできた歴史について知るときに、唄を聴くということも大切です」

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    美しい三線の音色とともに、自身の代表曲「島唄」を歌う宮沢さん。50年後、100年後にも民謡を歌い継いでほしいからこそ、自分には何ができるのかを考え続けたいと熱い想いを語った。

    イベントの最後には、宮沢さん自身の手によって三線が奏でられ、その美しい音色に会場が包まれた。来場した観客も時間が過ぎるのを忘れて聞き入り、演奏後は温かな空気と拍手に包まれ、ワンデーイベントが締めくくられました。

    シンガーソングライター宮沢和史氏がいま伝えたい、沖縄音楽のちからと未来

    トークイベント配信ライブの様子はBe.Okinawaの公式YouTubeアカウントでも公開。沖縄をさまざまな側面から感じてみてください。