開けば感動の大画面、使って愉しい未来型スマホ

  • 文:麻倉怜士
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Galaxy Z Fold3 5G/ギャラクシーZフォールド3 5G
〈スマートフォン〉

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「Galaxy Z Fold3 5G」は防水や強力アルミフレームのタフさを備えた。ペン(別売)で細かい作業も可。黒系、深緑系(auのみ)の2種。¥237,600(docomo)、¥237,565(au)

韓国・サムスン電子の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold3 5G」は、感動に満ちている。

たたんだ状態の表面はまったく普通の長方形ディスプレイで、なんの変哲もないスマホ。ところが開くと内側に大型ディスプレイが現れる。しかも画面がシームレスに表から内側に移動する。いままで見ていた映像が突如、巨大化するのである。

表画面は約6.2インチ、内側画面は約7.6インチと数値ではあまり変わらないが、実際には「表画面×2」の面積で、感覚的には驚くほどの大画面。“ポケットに入れられるタブレット”だ。画質もよい。高輝度で、コントラストもしっかり。色も豊かだ。なのでカメラ撮影、ウェブ検索、YouTube視聴など、大画面ならではの快適操作と高画質が楽しめる。

本製品は、サムスンの折りたたみスマホの第3世代。2019年発売の初代Foldは、曲げ回数を20万回とうたった「フレキシブル有機EL」を内側に張った斬新な仕掛けで、大いに注目された。その後、モデルチェンジごとに随所に改良が加えられ、第3世代のFold3は軽量・薄型化、防水、ペン対応と進んだ。

特に、自在な角度で開いたまま固定できるようになったのは大変便利だ。縦にも横にも自立し、縦に立てると、カメラ機能では右側の縦長画面にモニター映像とシャッターが映り、左画面に撮ったばかりの動画や静止画が数枚(撮影方向によって異なる)表示され、すぐに参照できる。画面中央のヒンジ部分の線はほとんど気にならない。触ると凹みも感じるが、むしろスワイプなどの時に、いい手触りだ。

縦長画面の“普通”の使いやすさと、タブレット的な大画面の感動とを併せもつ、ハイブリッドなこのスマホ。まだ高価だが今後、低価格化、さらなる軽量化、薄型化が進めば、メインストリームに躍り上がるだろう。使ってワクワクする、実に愉しい未来型のスマホだ。

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大画面がスマートフォンの使い方を広げる。映画やゲームをさらなる臨場感で楽しめる上、画面を3分割して複数のアプリを同時に表示でき、マルチタスクが可能となった。

麻倉怜士

デジタルメディア評論家。デジタルシーン全般の動向を常に見据える。近著に『高音質保証! 麻倉式PCオーディオ』(アスキー新書)、『パナソニックの3D大戦略』(日経BP社)がある。

●Galaxy カスタマーサポートセンタ- TEL:0120-363-905