あの「水沢ダウン」を、スイス、カナダ、ドイツ、スペインの冬季五輪選手が北京大会で着るらしい!

  • 写真・文:高橋一史

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2022年の各国ナショナルチームウエアに採用され、北京2022オリンピック・パラリンピック冬季競技大会で着られるジャケット。

写真の右端の黒は、ドイツのボブスレー選手が着用する色。
中央は、スイスのアルペンスキー選手。
左の赤は、カナダのスキークロス選手。
写真にないネイビーは、スペインのアルペンスキー選手。

日本のデサントが全力で新開発した最新の「水沢ダウン」を着て、競技場を渡り歩きます。

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やばいです。
スポーツにまるっきり関心がない私がワクワクしてきました!
(あ、いえ……若い頃は水泳や空手をかじったりしたこともあるんですが←苦しい言い訳)
試合前の様子がテレビ中継されてたら、思わず観ちゃうかもです。

本日デサントが開催したメディア向けの新作お披露目会で知ったのがこの事実。
なにせこの服はデサントいわく、
『デサントスポーツアパレルの研究開発拠点であるDISC、そしてデサントアパレル水沢工場の最高技術を集結させたプレミアムなウィンタージャケット
「DESCENTE MIZUSAWA DOWN JACKET “ALPINE”」』

なんだこの気合の入れ具合は!と思ってイベントに行ってみてわかりました。
この服を簡単に言い表すと、
「めちゃくちゃ動きやすく、必要十分に暖かく、屋外と室内の極端な温度差で身体から出た汗が結露する不快感を解消した、寒冷地で動き回るためのジャケット」

ダウンはボディにだけ仕込まれ、特殊な穴あき構造で表地の間に空間をつくっています。
それにより結露を防止。

腕の内部は化繊の中綿で、動きやすさを重視。
生地は可動箇所で織りを変えて動きに対応させる、ハイテク技術の賜物。

すべてはオリンピック選手のため。
競技ユニフォームでも、開会・閉会式衣装でもありません。
選手が移動したり、会場で待機するときに着る服。

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プロ向けにつくってみたらタウンユースにも合うことにデサントが気づき、オリンピック開催前に市販化!
今年12月20日(月)より日本国内にて先行発売。
価格は¥198,000(税込)。
ブランド名はシンプルに、デサント(通常の水沢ダウンは、デサント オルテライン)。
水沢ダウンのなかでは高価格帯ですが、通常品も10万円越えが大半ですから不自然な印象はなく。

都会着としてちょっと気になるのは、色バリエの少なさでしょうか。
スペイン選手のネイビーが記事冒頭写真のラックにないのは、商品化されないから。
カナダ選手の朱色に近い赤は着るとスタイリッシュなのですが、そもそも街着として袖を通そうとするかどうかが第一関門かと。
ドイツ選手の黒がいちばん売れそうです。

スポーツ用ですからタイトフィットでアーム幅も狭めで、腕を振り回しやすい機能が優先されたデザイン。
さらに商品写真では気づかないのが、首周りのカッコよさ。
フードにまでかなりのボリュームがあり、エレガントな印象。
デサントの水沢工場のダウンウエアは、着ると品格が現れるのが巧みです。

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最後にオマケで、2010年バンクーバーオリンピックで日本選手団が着た、初期型水沢ダウンをご覧いただきましょう!
現在の水沢ダウンにはない、めちゃくちゃカッコいいポイントがあるんです。

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お気づきですか?
防水性を確保する縫い目のシールテープ加工が、表から処理されてるんです!
当時は裏面で加工することができなかったのでしょう。
でもこのテープラインをデザインとして美しく昇華させているのはさすが。
「このライン、復活させればいいのに」ってほどの魅力を感じます。
水沢ダウンの名を一躍広めた技術革新は、水濡れに弱かったダウンジャケットを防水服に高めたこと。

やはり水沢ダウン、世界基準のハイクラスアウターなことを改めて実感させられたひとときでした。

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