え、ロースイーツってこんなに高級な味!? 清澄白河の新カフェ「POSH」で思わず襟を正す

  • 写真・文:高橋一史

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オープン前のお披露目会限定の特別メニュー、4種のフルーツタルト盛り。そして、通常メニューの自分で注ぐたっぷりコーヒー。

ローフード=RAW FOOD。

食材を熱加工せず生(RAW)に近い状態で食べられるように料理した食べ物。
牛乳・卵などの動物性食材、精製された砂糖、小麦粉も使わない食べ物。
ヴィーガンでありグルテンフリーでもあり添加物フリーでもある食べ物。

自然志向の食の流れとして各所で話題で、身体にいいイメージが広がっています。
……なんですが!
あくまで私個人の考え方、そしてマスコミ(の端くれ)として正しい情報とは何かを探る立場で申し上げますと、ローフードを現在のところ“ヘルシー”とは呼びません。
なぜなら、真に身体によいとは、健康的とはどういうことか自分のなかで結論が出ないからです。
※ウィキペディアもご参考に ←否定的な論調です
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89

何が正解?

植物界には毒素がたくさんあります。
植物性だから身体にいいとは言い切れず。
人間の栄養素に動物性が悪とされる根拠もよくわからず。
果物を主食にしてるチンパンジーは野生化で肉を食べます。
ふだん笹が主食のパンダも、ときに肉食する。
(どちらも生食ではあります)
海外ネットニュースには、ヴィーガン生活でタンパク質不足になり身体を壊し、仕方なくも(本人はイヤでも)肉や魚を摂取して健康を取り戻す話も見られます(極端なケースかもしれません)。

ローフードはカロリーが低いのではないですし、糖質もある。
血糖値を上げる数値を意味する「GI値」は低いかもしれませんが、総合的に考えると私のように太った脂肪人間には向いていないかもしれない。
肥満が病気につながることは、おそらく研究機関で医学的に検証されてるでしょうから。

あ、そうだ、先日の朝、某お台場系◯◯テレビの情報番組見てたらですね、肉の代わりにお麩を使う魯肉飯を紹介してました。
そのとき女子アナが「肉を使ってないからヘルシーなんです♡」と。
……甘辛いタレをたっぷり吸い込んだ麩を健康的って言っちゃいますか。
ん〜〜そーですかー、なるほどねー、と思いましたとさ。

味の個性に魅了されたロースイーツ

なんか冒頭からネガティブですみません、今回の記事。
これから、めちゃくちゃ美味かったスイーツの話をするのに。
眉間にシワ寄せて日々生きてるこんな人間をも、ちょっと感動させるローフードに出会いました。
正確に言うと、ロースイーツですね。
お菓子です。

嗜好品ですから、本来は食事ほどシビアにならなくていいはず。
ところが専属パティシエールは信念を持ってスイーツづくりを行い、「身体にいいから味は二の次」なんて言わせないクオリティを追求。
制約だらけのスイーツづくりの結果生まれた、個性的で高級な味。
確かなクリエーションとして皆さまにお知らせする意義があると思い、今回レポートしてきました。

清澄白河の新パティスリー

店名は「POSH(ポッシュ)」。
2021年11月15日(月)のオープン日前の12日(金)に開催された関係者向けお披露目会の様子です。
メインメニューはフルーツタルト。
身体に、または心(精神)によいかどうかのご判断は皆さまにお任せします。
精神面での健康も、たぶん大切ですよね。
薬にはプラシーボ効果もあるようですし、心が満たされてたら、肉体にも影響するかもです。

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店内中央はオーダーとドリンク提供スペース。後ろドア奥が厨房。

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11月現在のフルーツタルトラインアップ。フルーツサンドで有名なダイワスーパーの取り扱いフルーツを使用。左から、村田農園/とちおとめ(いちご)、山形県/ラフランス、佐賀県/黒無花果(イチジク)、和歌山県紀州/若野みかん、フィリピン/甘熟王(バナナ)

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光が差し込む窓際席でいただきました。4種盛りはこの日だけの試食提供品。

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映えすぎるルックス。バナナだけタルト上にチョコクリームの層を重ねて、複雑な味わいをプラス。

焼かずに冷やして固めたタルト

★ホイップクリーム=カシューナッツのペースト+絞ったアーモンドミルク(ともに自家製)
★タルト生地=カシューナッツのペースト+ココナッツオイル(ともに自家製)
★甘み=アガペシロップ、メープルシロップ。
★フルーツ=目利きで名高いダイワスーパーの選別品。

加えて、シークレットな工夫がいろいろ。

フォークで割って口に入れると、まず驚いたのはクリームの味わい深さ。
一般の動物性、植物性とも違う、独特な甘さとコク。
味がナッツ由来なことは感じましたが、粒状感はまったくなし。
風味として漂うニュアンスです。
食感滑らかで、冷やされてることもありジェラートにも似て、舌に残らない溶け具合。
もうこれだけで、「うっま!」。
そして、「食べたことない味!」。

タルト生地も面白くて、固形で歯ごたえもあるのに、焼いた小麦粉のポロポロと崩れる質感や粉っぽさがなく、これもさらりとナッツ感が。

フルーツなしでも十分美味しいですが、細かくカットされた上質フルーツの酸味と奥行きがいいアクセントに。
やはりこれは「タルト」じゃなく、「フルーツタルト」なんだと。

安くはないけど

サイズは小型です。
現在のタルト一個が¥1,400〜1,800は、それなりのお値段だと思います。
ただフルーツタルト好きの人は試す価値あると思いますね、私見ですけど。
焼かずに冷やして固めたタルト生地なため温度変化に弱く、パティシエールの山本絵奈さんによると「なるべく店内で召し上がっていただきたい」と。
ドライアイス入りで持ち歩き時間限定、のようなテイクアウトにも対応するらしいですが。

後味がすっきりで、食後も胃にもたれず。
これはロースイーツならではかもしれません。
焼いてないことなどのいろんな理由がありそう。

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近くに商店がなく、会社や住宅があるだけの通り沿いの個性的な立地。人通りが少ないことにワクワクする人も多そう。

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気取らずに居心地のいい空間。隣には4〜5人ほどの個室があり空いていれば予約なしで利用可です。今後はスイーツ教室なども開催したい意向だそう。

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並ぶオブジェはオーナーの趣味 !?

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同じ清澄白河にある「へイガン オーガニック コーヒー」(東京都現代美術館の近く)の豆を使ったコーヒーもご自慢。自家製アーモンドミルクなどのドリンク類もいろいろ。

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清澄白河駅と森下駅の中間ほど(清澄白河のほうが近い)の、隅田川にほど近い場所にあります。

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すみだがわ〜。

店から徒歩数分でこの景色ですから。
食後にのんびり散歩したくなりますね。

ALL PHOTOS©KAZUSHI

POSH
東京都江東区常盤1-3-7 ラフィーヴィル清澄白河EAST 1F
https://posh2021.com/

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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