映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』:あのダークヒーローが再び!【12月公開の注目映画】

  • 文:上村真徹
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洋画・邦画ともに注目作品の多い12月。マーベルの異色ダークヒーローが活躍する大ヒット映画『ヴェノム』の3年ぶりの続編、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の見どころやあらすじを紹介する。

ヴェノムを上回る凶悪ヴィラン“カーネイジ”が覚醒する

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未解決事件の真相を追うエディ(左)は、連続殺人鬼の死刑囚クレタス(右)に異様な興味を示される。©2021 CTMG. © & ™2021 MARVEL. All Rights Reserved.

マーベルコミックでスパイダーマンの宿敵として人気を博す、残虐なダークヒーローをトム・ハーディ主演で実写化し、世界興行収入940億円を超える大ヒットを記録したアクション映画『ヴェノム』(2018年)。その待望の続編『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』が、全米でコロナ禍以降の最大ヒット(オープニング記録約100億円)を経て、2021年12月3日から日本でもいよいよ劇場公開される。

自らの体に寄生した地球外生命体シンビオートと、「悪人以外は食べない」という条件で共同生活を送っているジャーナリストのエディ。本作では、連続殺人鬼の死刑囚クレタスに刑務所で噛みつかれてしまう。エディの血液に生息していたシンビオートがクレタスの体内でその狂気に触れて結合し、おびただしい数の赤い触手が身体中を蝕み増殖。そして、クレタスが"カーネイジ"へと覚醒してしまう。高い戦闘能力と残虐性を持つカーネイジは刑務所の受刑者や警官たちを無差別に虐殺し、凶暴すぎるゆえ収監されていたクレタスの恋人・シュリークの元へ向かう。そして、カーネイジの狂気はヴェノムに襲い掛かる……。

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トム・ハーディvsウディ・ハレルソン──個性派俳優が悪の存在感を競う

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トム・ハーディ(奥)と監督のアンディ・サーキス(手前)は今回が初タッグ。©2021 CTMG. © & ™2021 MARVEL. All Rights Reserved.

主人公エディを演じるのは前作に続いてトム・ハーディ。残虐な地球外生命体シンビオートと1つの体を共有する複雑な役どころを、すっかり我が物に。毒舌なシンビオートと口喧嘩しながら固い絆を結び合う名コンビぶりを、見事な”一人二役”で演じている。さらに本作では原案も手掛けていて、いかに『ヴェノム』シリーズに情熱を注いでいるかが分かる。また、エディの元恋人アン役のミシェル・ウィリアムズも続投し、エディのことを気に掛ける微妙な距離感を演じる。

そして注目は新キャラクターのヴィランたちだ。前作のラストにも一瞬登場した、連続殺人鬼クレタス役には、個性派俳優ウディ・ハレルソン。過酷な生い立ちで育まれた邪悪さと、凶悪ヴィラン“カーネイジ”へと覚醒していく変貌ぶりを圧倒的な存在感で演じ、強烈なインパクトを残す。さらに孤児院時代からのクレタスの恋人・シュリーク役として『007』シリーズのマネーペニー役でおなじみのナオミ・ハリスが加わり、特殊な音波を利用した叫び声で攻撃するヴィランを制御不能に魅せる。これら豪華キャストを束ねるのは、パフォーマンス・キャプチャーの第一人者であり、『モーグリ:ジャングルの伝説』に続いて大作映画の監督を務めたアンディ・サーキスだ。

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前作より深みを増した<俺たち>の関係、そしてヴィランとの対決の行方は?

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連続殺人鬼クレタスを宿主としたことで、カーネイジは猟奇的かつ邪悪な怪物と化す。©2021 CTMG. © & ™2021 MARVEL. All Rights Reserved.

大ヒット映画の続編に求められるのは、前作ですでに確立された世界観を守りつつ、新しい刺激や興奮を与えること。この難しい役割をハーディから直々に頼まれたサーキスは「CGでキャラクターを作るというのは、僕が得意とするもの。トムの演技を守りつつそれを視覚効果の領域へと移すことを、実体験に基づく説得力をもってできる監督を望んでいるのかなと感じた」と当時の心境を振り返る。その言葉通り、自分たちのことを「俺たちはヴェノムだ」と称するエディとシンビオートの風変わりな一心同体ぶりが、日常でのユニークなやり取りやカーネイジを相手にしたスリリングなバトルアクションで存分に発揮されている。そう、今回の“2人”は前作よりもさらに魅力的なのだ。もちろん、演じるハーディが原案を務め、ストーリーとキャラクターに自ら命を吹き込んだことも大きな要因だろう。

そして続編の新たな刺激となるのが、規格外のダークヒーローを凌駕するヴィランとの対決。無数の触手を自在に操り、外見こそ似ているもののヴェノムよりあらゆる面で強くて凶暴──そんな絶対悪のカーネイジを演じるとなると、『ナチュラル・ボーン・キラーズ』などで静かな狂気を凄み満点に体現してきたハレルソンをおいて、適任者はいない。「僕はただ、ゆっくり座って彼の演技に圧倒されていたよ」とサーキスが脱帽するほど、カーネイジの邪悪さを際立たせる怪演に釘付け必至だ。さらに見る者を震撼させるのが、カーネイジに負けず劣らず常軌を逸したシュリークの凶暴性。禁断の再会を果たした“史上最悪のカップル”の暴走からも目が離せない。

エディとシンビオートの種族を越えた共生関係は、共存を続けられるのか? そして、自らを上回る狂気と対峙したダークヒーローはどのようにしてその強敵に立ち向かうのか? キャラクターもストーリーもいっそう深みを増した、続編ならではの見ごたえを味わいたい。

キャスト&スタッフ

監督:アンディ・サーキス
脚本:ケリー・マーセル
原案:トム・ハーディ、ケリー・マーセル
出演:トム・ハーディ(エディ)、ミシェル・ウィリアムズ(アン)、ナオミ・ハリス(シュリーク)、リード・スコット(ダン)、スティーヴン・グレアム(マリガン)、ウディ・ハレルソン(クレタス

『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』
監督/アンディ・サーキス
出演/トム・ハーディ、ミシェル・ウィリアムズほか 2021年 アメリカ映画
1時間37分 12月3日(金)全国の劇場にて公開

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