それほど予算をかけなくても、優れた本格機械式時計は存在するもの。30万円以下で手に入る、お薦めのモデルをピックアップ。
<9万円以下>
TISSOT(ティソ)/ティソ PRX オートマティック

1976年発表の傑作を、高精度の自動巻きムーブメントに換えてアップデート。ケースからブレスレットへと連なる一体型のデザインで、ケース厚も10.93mmに抑えた。耐磁性に優れるニヴァクロン製ヒゲゼンマイの採用に加え、約80時間のパワーリザーブを備えるなど、実用性も十分。こなれた価格だが満足度は高い。
<19万円以下>
MIDO(ミドー)/オーシャンスター200C

ミドーの創業は1918年。建築をおもなインスピレーションの源とし、流行に左右されない姿勢から生み出される腕時計は、長く愛用する一本にふさわしい。200m防水というダイバーズとしての基本機能を備えながらも、洗練されたカラーリングは街使いにも最適。傷がつきにくいセラミック製ベゼルや最長80時間のパワーリザーブなど、日常での使い勝手も抜群だ。
<29万円以下>
HAMILTON(ハミルトン)/イントラマティック クロノグラフH

1968年の「クロノグラフA」をルーツとする復刻モデル。当時はまだ自動巻きクロノグラフムーブメントが開発されておらず、この復刻に合わせて新たに手巻きムーブメントH-51を開発。ゼンマイを巻き上げる動作を重ねるほどに、愛着が湧くのも手巻き式の魅力だ。白黒反転した“パンダ”と“逆パンダ”のヴィンテージルックに合わせ、当時のロゴを採用。
※この記事はPen 2021年12月号「腕時計、この一本と生きる」特集より再編集した記事です。