2019年12月にムーンスターからエイトテンス(810s)がデビューするなり、高感度なファッションのセレクトショップがこぞって飛びついた。日本人の生活を足元から支えてきた老舗だからこそつくれる、プロユースの機能を取り入れた発想が新しかったのだ。ムーンスターを仕事道具にした厨房の料理人、病院の看護師、南極観測隊の隊員らのシューズから着想されている。アッパーは主にフェイクレザーで、軽量で汚れにくく洗いやすい。ソールは柔らかくふわふわの履き心地。脱ぎ履きがイージーなのも大きな特徴だ。プロが必要とする利便性がモダンなデイリーユースに落とし込まれている。さらに、現在のシューズ相場からすると意外なほどリーズナブルな価格設定も、エイトテンスの幅広い人気を支えている。
このたび秋冬向けにリリースされた新作2型も、トレンドのディテールを取り入れたファッション性の高い優れもの。サボに似たサンダルタイプの「カフ ウォーム(CAF WARM)」、ウィンターブーツの「スノーフ(SNOWF)」はともに防寒性の高い仕様。カフ ウォームの大元はキッチンシューズで、通常品のカフより寒さを防ぐ丈幅に変更され、インナーにはフリース素材が、インソールには発熱効果のある「ヒートレイヤー」が搭載された。もう一足のスノーフは南極観測隊のブーツをルーツに持つ。ベルクロストラップで留めるアッパーは簡単に着脱でき、気軽に日常履きできる。靴底がガラス繊維配合ラバーで、濡れた氷上で防滑性を発揮するのはまさしくプロユースで培ったノウハウの賜物だ。
新型コロナがまだ余談を許さない状況のなかで、家と周辺で過ごすカジュアルな時間はますます大切になっている。エイトテンスこそいま私たちが必要とするワードローブといえるだろう。
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