パイロットウォッチの雄、ブライトリングの人気&定番モデル3選

  • 文:遠藤和呼

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2021年6月に発売された日本限定モデル。「クロノマット」コレクション初のマザー・オブ・パール(真珠母貝)ダイヤル。12時間積算計(6時位置)の上に「SPECIAL EDITION」の文字。搭載ムーブメントはパワーリザーブ約70時間のマニュファクチュールムーブメント自動巻き「キャリバー01」。ステンレス・スチール、ケース径42㎜、シースルーバック、200m防水。「クロノマット B01 42 ジャパン エディション ブラック マザー オブ パール」¥1,166,000(税込)

パイロットのためのプロフェッショナル・クロノグラフで知られるブライトリング。時計を「腕に着ける計器」と位置付け、高精度・高品質で頑健。合理性を究めたデザインで世界的な人気を獲得してきた。近年は1940〜80年代の人気モデルを新定番としてリファインするなど、過去のアーカイヴにも注目。もともと多彩なラインナップに、歴史的な奥ゆきも加わってきた。その中から、代表的な3本を厳選した。

【BREITLING】歴史と特徴
先駆者であり続ける、スイス時計の名門

ブライトリングは1884年の創業当時からクロノグラフに取り組んできた。1915年には30分積算計と独立したプッシュボタンを搭載した、世界初の腕時計型クロノグラフを発表。1934年にはリューズの上下にプッシュボタンを配置した、現在に至るクロノグラフの基本スタイルを確立している。さらに、1942年に発売した初代「クロノマット」は世界初の回転計算尺を装備。これは飛行に必要な速度や燃料残量などを計算するためのツール。

1952年発売の「ナビタイマー」ではより複雑でさまざまな計算が可能な航空用計算尺を装備。これによって瞬く間にパイロットたちの人気を集め、ブランドの認知度を高めた。1983年にはイタリア空軍飛行チームのクロノグラフを製作。これが現在の「クロノマット」のルーツなのだが、クォーツショックから機械式時計が復興する原動力にもなったといわれる。大空を飛翔するだけでなく、ダイバーズウォッチ「スーパーオーシャン」で海洋にも進出。精度面でも、1999年には「クロノメーター宣言」で業界を驚愕させた。クロノメーターはスイス公認クロノメーター検査協会(COSC)が行う時計の精度検定であり、これをすべてのモデルに課したのはブライトリングだけだ。

2001年には自社工房「クロノメトリー」を開設。09年に念願だった最初のマニュファクチュールムーブメント「キャリバー01」を完成させた。約70時間のロングパワーリザーブを持つ垂直クラッチのクロノグラフであり、もちろんクロノメーター認証を受けている。このように時計メーカーとして躍進する一方で、環境保護をはじめとするサステイナブルなアクションも積極的に展開。腕時計を通して、先駆的でアグレッシブな姿勢と、真摯な企業マインドを感じられることもブライトリングの魅力だ。

人気モデル①クロノマット 質実剛健なパイロットウォッチ

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ケースサイズを44㎜に拡大した「クロノマット」コレクションの最新作。華やかなゴールドケースだが、ルーローブレスレットをラバーで緻密に再現したストラップも秀逸。自動巻き(マニュファクチュールキャリバー01)、18Kレッドゴールド、シースルーバック、200m防水。「スーパー クロノマット B01 44」¥2,805,000(税込)

「クロノマット」はイタリア飛行チームのために作られたクロノグラフをベースに誕生。1984年の発売以降、ブライトリングのフラッグシップになっている。特徴であるライダータブは、ベゼルに15分刻みの突起を備えているが、これはパイロットがグローブを装着したままで操作できるように配慮。また、「15」と「45」のタブは入れ替え可能でカウントダウンとカウントアップを自在に変更できるのもユニークかつ実用的な工夫だ。防水性の高いケースは冷間鍛造で成型されており、極めて頑丈。空を飛ばないまでも、苛酷な環境を耐え抜くタフな相棒になる。

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人気モデル②ナビタイマー 航空用計算尺を備えた伝説的クロノ

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「ナビタイマー」コレクションの中でも最もクラシカルなブラックダイヤルモデル。自動巻き(マニュファクチュールキャリバー01)、ステンレス・スチール、ケース径43㎜、3気圧防水。「ナビタイマー B01 クロノグラフ 43」¥1,067,000(税込)

フライトコンピューターとも呼ばれる航空用回転計算尺を備えた「ナビタイマー」は、「クロノマット」と並ぶブライトリングのフラッグシップモデル。1952年に発売され、すぐに国際オーナーパイロット協会(AOPA:Aircraft Owners and Pilots Association)が公認クロノグラフに指定。現在のような電子機器が普及する前は、多くの操縦士がコックピットでこれを腕にしており、大西洋横断のような長距離飛行にも挑んでいたのである。数字を刻んだベゼルやダイヤルが特徴的であり、誕生から70年近く経過しても少しも色褪せない端正なデザインと堂々とした存在感も魅力だ。なお、計算尺は掛け算や割り算はもちろん、為替換算に応用できるためビジネスや海外渡航にも役立つ。

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人気モデル③スーパーオーシャン 非凡な防水性を誇るダイバーズウォッチ

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「スーパーオーシャン」の日本限定モデル。通常は「6」「9」「12」がアラビア数字だが、これをバーインデックスに変更。よりシャープな印象になった。自動巻き(ブライトリング17)、ステンレス・スチール、ケース径42㎜、500m防水。「スーパー オーシャン オートマチック 42 ジャパン エディション」¥561,000(税込)

「スーパーオーシャン」は1957年にプロフェッショナルダイバーや海軍潜水部隊のニーズに応えて誕生。当時から200m防水のハイスペックモデルだったが、1983年に発表された「スーパーオーシャン ディープシー」で1000mを達成。現在もケース径42㎜モデルでは500m、44㎜では1000m、46㎜では2000mと防水性は極めて高い。海中でも安定した操作ができる幅広のベゼルや、視認性の高い蓄光インデックスと針など、ダイバーズウォッチに求められる多様な要素を高度なレベルで実現しており、マリンスポーツやレジャーを存分に楽しめるだけでなく、街中でもアクティブに使いこなせる。

問い合わせ先/ブライトリング・ジャパン TEL:0120-105-707