斎藤工が今秋着こなす、ユニバーサルランゲージ メジャーズのブリティッシュなオーダースタイル7選

  • 写真:曽根将樹  スタイリング:三⽥真⼀、野村昌司 ヘア:KOICHI NISHIMURA(VOW-VOW) メイク:NAO YOSHIDA(VOW-VOW) 文:佐野慎悟 協力:スタジオバスティーユ

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斎藤 工(さいとう・たくみ)●1981年、東京都生まれ。高校在学中からモデルとして活躍し、2001年に映画『時の香り リメンバー・ミー』で俳優デビュー。12年にショートムービー「サクライロ」で監督デビュー。雑誌『フィガロジャポン』で「齊藤工 活動寫眞館」を連載中。

“ステイホーム”というシュプレヒコールが世界中で鳴り響いた約2年の間に、私たちのライフスタイルはあらゆる側面で変化した。なかでも社会とのつながりが価値観のベースにあるメンズファッションの世界には、現代における存在意義や価値基準を、改めて見直すべき大きなターニングポイントが訪れている。リモートワークが基本となり、フォーマルなシーンに身を置く機会も激減した昨今、最も実生活から遠い存在となったアイテムのひとつが、メンズスーツだ。

しかしこんな時代だからこそ、他のなによりも、スーツに大きな可能性を見出しているクリエイターたちがいる。ともに業界内で20年以上のキャリアをもつ、スタイリストの三田真一と野村昌司だ。彼らは「ユニバーサルランゲージ」が展開するオーダーサービス「ユニバーサルランゲージ メジャーズ」のリブランディング・プロジェクトを立ち上げ、「バック・トゥ・ブリティッシュ」というテーマのもと、ニューノーマルの時代に向けてアップデートされた、新しいスーツスタイルを提案。そんなふたりのクリエイションに共鳴するのは、俳優の斎藤工。いま、あえてオーダースーツを着るべき理由を、特別に新調した7着を斎藤が身に纏い考えた。

スーツのオーダーサービスといえば、好みのパターンと生地の組み合わせを選べるパターンオーダーが一般的だが、このユニバーサルランゲージ メジャーズは、パターンや生地の選択肢はもちろん、体形補正などオプションのバリエーションまで細かく設定されており、よりパーソナルな好みを反映できるシステムとなっているのが特徴だ。ジャケットとパンツのパターンは各8型、コートで6型、生地はゆうに1000種類を超え、さらには職人によるハンドメイドにするか、マシンメイドにするか、そんな部分まで自由に選ぶことができ、アレンジの可能性はまさに無限大といえる。

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一着もっていると、スタイルの幅が広がるダブルスーツ

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ブリティッシュテイストのテーラリングをベースとしながら、軽快でモダンな印象に仕上げたユニバーサルランゲージ メジャーズでオーダーのダブルスーツ。

ユニバーサルランゲージ メジャーズのオーダーサービスのポテンシャルを探るべく、三田と野村は、斎藤の身体に合わせてスーツやコートなど7種のウエアをオーダーした。

「バック・トゥ・ブリティッシュというテーマは、古きよき英国スタイルに回帰するという意味ではなく、構築的なシェイプの美しさや、伝統的な生地というブリティッシュスタイルの価値観を取り入れつつも、つくりはあくまでイタリア的。軽快で、着心地がよく、肩肘張らずに毎日袖を通せるような、ほどよいバランス感を探りました」と三田は語る。気軽にスーツを取り入れる彼らの提案と同調するように、斎藤も「ここ最近は、私服でもセットアップばかりを制服のように着ています」と語る。四十にして惑わず。自分のスタイルに迷いがなくなったようだ。

「ダブルのスーツは、着物のような雰囲気をもつ合わせのデザインが好きです。シングルよりも立体感があって、丹田のあたりがゆったりとしている感じも着心地がいいです。着こなすのが難しいイメージをもっていましたが、このスーツは重厚な印象にならないから、気軽に使えそうですね」。ダブルのスーツはワードローブに一着あるだけで、スタイルの幅を広げてくれる。

「今度映画祭のイベントがあるので、そこでもこれを着たいですね。ボタンを外して前を開けた状態でも格好よくて、これまでにない新しいスタイリングのイメージも湧いてきました」。使用した生地は、手作業で仕上げる艶出しに定評のある、イギリスの老舗ミルLASSIERE MILLS社のキャバリーツイル。独特のハリコシで、シルエットが美しく表現される。

美しい起毛感とやわらかさが魅力の、紡毛フランネルで誂えた3ピーススーツ

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梳毛ウールを使った比較的軽量なフランネルで誂えた3ピーススーツは、マットな質感がコンテンポラリーな印象。こちらもユニバーサルランゲージ メジャーズによるスーツ。

「金魚は水槽のサイズに合わせて成長するという話を聞いたことがありますが、それは人間の服選びでも同じことがいえると思っていて。身に纏っている服のサイズ感に体形が寄っていくのと同時に、精神状態も大きく左右されます。特にコロナ禍の状況では、服選びの基準が楽であることに偏っていくように感じました。だからこそ、自分自身を律するためにも、気持ちがビシッと引き締まるセットアップだけを着る生活を始めました」。斎藤のワードローブには、基本となるセットアップとインナーが色違いで数種類だけ用意されていて、日頃その限られた組み合わせの中で、ミニマルなコーディネートを楽しんでいるようだ。

「3ピースは個人的にも大好きなスタイルです。やはり今回は自分のサイズに合わせて誂えてもらったこともあり、身体にフィットしているのに、しっかりと可動域が確保されていて動きやすい。これであれば、映画を撮る時に3ピースを着るっていうことも、十分に現実的なことだと思えました。小津安二郎監督への憧れもあるから、ぜひまねしてみたいです(笑)」

「スーツが似合う人物を考えた時に、まず思い浮かぶのが映画『007シリーズ』のダニエル・クレイグ。いつも本当にクールに着こなしているから、あの映画のポスターを見るだけで、スーツを着たくなるし、身体を鍛えたくなります」。スーツに身を包むと、さりげない所作も自然と美しく見える。1772年に創業したイギリスの老舗ミル、FOX BROTHERS社のフランネル生地は、重厚ながらソフトな風合いをもち、ドレープ感も美しい。

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シャープなストライプが、自然体の品格を湛える

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ユニバーサルランゲージ メジャーズでオーダーした、グレー地のピンストライプスーツ。シンプルな佇まいの中にもエクゼクティブの風格を感じさせる。

スーツスタイルに目覚める以前は、オーバーサイズの服ばかりを選んでいたという斎藤。「私服はすべて移動着という意識が強かったので、なによりもリラックスできるシルエットや素材感を優先していました。ただコロナ禍になって外との関わりが減り、より自分の内面と向き合う機会が増えたことによって、人に見られていない時にこそ、自分の身体と心の置き方を考えるようになりました。その点、自分の理想通りに細部をアジャストできるユニバーサルランゲージのオーダースーツは、いまの自分のフェーズにぴったりと寄り添ってくれる選択だと思いました」

「ピンストライプスーツも、ダブル同様、着こなすのが難しいイメージがありましたが、年齢を重ねるにつれ、気負うことなく自然体で使えるようになってきました。しかもシルエットをコンパクトにまとめてもらっているので、仰々しくならないところもポイントですね」。イタリアのCANONICO社のフランネルは、イタリアらしい艶感が魅力。肉厚で保温性にも優れた、冬の定番生地だ。

色気のにじむ、タイムレスなシングルチェスター

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ソリッドなブラックチェスターコートは、ワードローブのマストアイテム。ユニバーサルランゲージ メジャーズで自分のサイズに合わせたものは、シルエットの美しさが他とは明らかに違う。

「毎日スーツを着る職業ではないからこそ、まるで戦闘服のようにスーツを着ている“企業戦士”の方々や、ピッチの上でひとりだけスーツを着ているサッカーチームの監督など、自分のアイデンティティを示す制服のようなスタイルをもっている人が、余計素敵に見えるんですよね。だから僕も私服を制服化することで、自身のファッションに対してあえてルールを課して、その中でちょっとした変化を楽しむようにしました」

身体のラインを優しくなぞるチェスターコートは、シャツの上からジャケットのように羽織るスタイリング。近年は肩を落としたオーバーサイズが主流だっただけに、一分の隙もないストイックなシルエットが、どこか新鮮な印象を与える。「最近はスーツ以上に着る機会が減ったコートですが、この色気は他では替えが利きません」。シンプルなデザインだけに、シルエットの違いが如実に表れる。

「海外の映画祭に行くと、野外上映やフォトセッションなど、防寒対策が必要な場面が多々あります。そんな時にダウンジャケットを着るわけにはいきませんが、どんなにフォーマルなシーンでも、チェスターコートがあれば対応できます。なにを身に着けるかというのは、まわりへの礼儀であり、最低限のマナーでもあります」。ウールにカシミアを混紡し、最終段階でアザミ起毛を施したイタリアAlta Qualita社の生地を使用。

優しい包容力を宿す、ウールのステンカラーコート

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チェスターコートのストイックな雰囲気よりも柔和な印象に仕上がった、ユニバーサルランゲージ メジャーズによるウール素材のステンカラーコート。

斎藤が生活の中にルールを求める傾向は、いまに始まったことではない。「高校は服装が自由な男子校なので、みんな私服で通っていたんですが、僕は毎日私服を選ぶのがどうにも面倒くさくて、自分で学ランを制服として毎日着ていたら、しだいに他の生徒も制服を着るようになりました。その中で、スケーターっぽい人はパンツをディッキーズにしたり、モードな人はフレアパンツを合わせてみたり、ウォレットチェーンをつけてみたり、みんな自分なりのスタイルでお洒落を楽しんでいました」

バーガンディカラーのステンカラーコートをメインに、他のアイテムも同系色でまとめたワントーンコーディネート。コットンよりも上品な光沢感をもつウール素材のステンカラーコートは、ウエストのベルトを締めた時に生まれる、ドレープの繊細な陰影も魅力。身体のラインに沿ったつくりのチェスターコートとは違い、メリハリのあるシルエットが優しく身体を包み込む。

「全体の印象としては、個人的にいちばん好きなスタイリングです。コートのインナーにタートルネックニットを合わせる発想が、ユニセックスな雰囲気で気に入っています。シャツをネクタイで締め上げるだけがドレスアップではなくて、こういったエレガントなスタイルも新鮮に映ります」。上質なカシミア素材の繊細な光沢感と手触りのよさに定評のあるイタリアCOLOMBO社の生地を使用。

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光を纏うセットアップの飾らないエレガンス

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上品な光沢感をもつウール素材で仕立てた、ワークスタイルのシャツジャケット。エレガントな生地感とカジュアルなスタイルのコントラストが面白い。ユニバーサルランゲージ メジャーズによるセットアップ。

「自由っていうのは不思議なもので、なんでもいいって言われると、選択肢が多過ぎて逆に不自由に感じてしまいます。一方でまずルールがあると、そこを基準に自由なアレンジが可能になって、自分らしさが生きてくる。これまでいろんなファッションを楽しんできましたが、最近になってまた、原点に返ってきた感じがします。自分を律することで得られる自由。クラシックなスーツスタイルには、自分らしさを引き出してくれる普遍的な魅力があります」

パンツのウエスト部分にはドローストリングが施されており、イージーパンツのようにベルトなしでも穿ける。「ドローコードもいいですが、僕はベルトが好きなので、ベルトループがついている点も気に入っています。ただ、ベルトなしでも、見た目は通常のスラックスと変わらずちゃんとした印象。あまりこういったパンツを穿いたことがありませんでしたが、病みつきになりそうです」

「このセットアップで特に気に入っているのが、生地の上品な光沢感です。ワークスタイルをベースにしたシャツジャケットでしたが、この生地のおかげで他のテーラードスタイルよりもエレガントな印象に見えるほど。まさに光を纏うファッションというイメージで、イージーな着心地とは裏腹に、とても気分が高揚するセットアップです」。経糸と緯糸に紡毛糸と梳毛糸を組み合わせた、イタリアCANONICO社の奥行きのあるセミフラノ生地を使用。

常にフレッシュなマインドをもつ、大人のためのネイビースーツ

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上のセットアップ同様、光沢を湛えるネイビーのスーツスタイル。色みでフレッシュさを演出しながら、生地感で上質さをアピール。クオリティオーダー シタテにより誂えたスーツ。

「来年には監督として長編映画を撮る予定があるのですが、今回はその撮影現場もスーツスタイルで通してみようと考えています。映される側ではなくても、クリエイションに向き合う時になにを身に着けているかによって、自分のマインドセットも変われば、現場の空気も、出来上がる作品も変わってくるはずです。自分なりの正装で挑むということは、真摯なものづくりに対するフィロソフィーの一部だと思います。それは人にどう映るかではなく、自分がどうあるか。それがすべてです」

「ネイビーは、ブラックやグレー同様、ワードローブのラインアップには欠かせないカラーリングです。光沢感に加えて深みのあるネイビーの色みもあいまって、若々しくなり過ぎず、引き締まった印象を与えてくれます。フレッシュな若い世代はもちろんですが、年齢を問わず、幅広い世代にお薦めしたいスタイルです」。イタリアMarzotto社のライトウェイトなフランネルスーツ地を使用。温かみのある素材感と、横ストレッチで抜群の着心地。

社会とのつながりがファッションの価値基準のベースとなる時代は過ぎ、世界は新たなフェーズへと向かいつつある。ルールに縛られることなく、常に楽であることを優先できてしまう世の中では、自分を律することができるのは自分自身だけ。生地、フィット、シルエットなどを自在に調整できるオーダープログラムは、いわば自分の理想像を、はっきりと具現化させることを可能とする画期的なシステムだ。気高く生きる大人はいま、自分だけの制服を求めている。

三田真一(みた・しんいち)●1997年にスタイリストとして活動開始。98年渡英、2001年帰国。現在はファッション誌、広告、ライブ、映画、ドラマ衣装の他、サカナクション山口一郎が率いるNFでクリエイティブディレクターを務める。

野村昌司(のむら・まさし)●1997年にスタイリストとして独立。数多くの俳優や歌手のスタイリングを担当し、テレビ音楽番組から雑誌、広告まで幅広く手がける他、テレビドラマのファッションディレクターも務める。

問い合わせ先/ユニバーサルランゲージ メジャーズ
https://www.uktsc.com/cont/custom-order

※オーダーのご予約はこちら

スーツ¥42,900(税込)~、ジャケット¥34,100(税込)~、パンツ¥16,500(税込)~、シャツジャケット¥42,900(税込)~、ドローコードパンツ¥18,700(税込)~、コート¥53,900(税込)~

斎藤工が今秋着こなす、ユニバーサルランゲージ メジャーズのブリティッシュなオーダースタイル7選

  • 写真:曽根将樹  スタイリング:三⽥真⼀、野村昌司 ヘア:KOICHI NISHIMURA(VOW-VOW) メイク:NAO YOSHIDA(VOW-VOW) 文:佐野慎悟 協力:スタジオバスティーユ

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