この夏に飲み比べたい、ユニークなジャパニーズクラフトジン3選

  • 文:西田嘉孝

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よく冷えたビールもいいけれど、夏にはとりわけジンがお薦めだ。ジュニパーベリーの爽やかな香味は暑い季節にぴったり。ここ数年はクラフトジンのブームもあって、日本でも各地で地域ごとに特徴的なボタニカルを使ったユニークなジンがつくられている。今回はそんなジャパニーズクラフトジンのなかから、この夏にお薦めの3本を紹介したい。

1.森林浴で癒やされるかのような、清々しい香りのクラフトジン

まずは、秋田県の研究機関、企業などによる産学官連携クラフトジン開発プロジェクトから生まれた「秋田杉GIN」。ボタニカルにはジュニパーベリーなどの他、県の銘木・秋田杉の葉を使用。木々や緑を思わせる爽やかな香りは、まるで森林浴をしているような心地よさだ。繊細な杉のフレーバーが引き立つ、甘みのあるジントニックで飲みたい。

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オエノングループ 秋田県醗酵工業 秋田杉GIN
秋田県内の酒と香りのスペシャリストが集結し開発したジンを商品化。秋田杉の葉と5種のボタニカルを使用。「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション 2021」最高金賞獲得。500㎖ ¥3,113(税込)/オエノングループ お客様センター www.oenon.jp

2.ボタニカルへのこだわりが生む、桜島小みかん特有のフレーバー

「KOMASA GIN 桜島小みかん」は、130年以上の歴史を誇る鹿児島の小正醸造がつくるクラフトジン。メインのボタニカルに使用されるのは、濃厚な甘みと香りをもち、世界最小のみかんともいわれる「桜島小みかん」。飲めばまさにみかんそのもの。小みかんのジューシーなフレーバーをじかに感じられる、ロックやソーダ割りがお薦めだ。

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小正醸造 KOMASA GIN 桜島小みかん
ベーススピリッツとなる米焼酎に、桜島小みかんをはじめ、厳選したボタニカルを加えて蒸留。小正醸造では他に、「ほうじ茶」や「苺」など、鹿児島県産のボタニカルを使ったジンもリリースする。500㎖ ¥3,520(税込)/小正醸造 TEL:099-292-3535

3.日本酒づくりの最後の工程で出る、酒粕から生まれた香り立つジン

「LAST EPISODE 0 -ELEGANT- 2nd batch」は、東京の蒸留ベンチャー企業が手がける酒粕をリユースしたクラフトジン。グラスに注げばその華やかな香りに驚かされる。アクセントとなっているのはピンクペッパーやラベンダー、ハイビスカスなどのボタニカル。ぜひソーダ割りで、その香水のようなアロマを楽しんでほしい。

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エシカル・スピリッツ LAST EPISODE 0 -ELEGANT- 2nd batch
「循環型経済を実現する蒸留プラットフォーム」を目指すエシカル・スピリッツ社のクラフトジン。今年7月には東京・蔵前にバーを併設した蒸留所もオープン。375㎖ ¥2,475(税込)/エシカル・スピリッツ https://shop.ethicalspirits.jp

●今月の選酒人:西田嘉孝

ウイスキーライター。ウイスキー専門誌『Whisky Galore』や『Pen』などのライフスタイル誌、ウェブメディアなどで執筆。2019年からスタートしたTWSC(東京ウイスキー&スピリッツコンペティション)では審査員も務める。

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