毎回、選りすぐりの3本を紹介する連載企画の「3選酒」。今回のテーマは、ジメジメと暑い日が続くこの時期に飲みたい、ちょっと贅沢なウイスキー&ソーダ。ウイスキーとソーダを1対4の割合でミックスするのがその黄金比といわれるが、ウイスキーの味わいがより楽しめる“濃いめ”もお薦めだ。
1.いつものハイボールを変えるワンランク上のブレンデッド
そんな濃いめのソーダ割りにぴったりなスコッチウイスキーを挙げよう。まずは人気のブレンデッドウイスキー「デュワーズ」。その定番品である「ホワイト・ラベル」もハイボールにはうってつけだが、あえて選びたいのは「15年」。蜂蜜やキャラメル、マンゴーやバナナ、ココナツ……と、めくるめくスイートさやクリーミーな口当たりを堪能できる。
2.シングルモルトのパイオニアが、見事な深みとバランスを表現
さらにはシングルモルトの「グレンフィディック」から、「15年 ソレラリザーブ」をチョイス。柑橘系の爽やかなアロマや軽やかさがグレンフィディックの特徴だが、こちらの15年はよりスイートで複雑。ドライフルーツやシナモンなどのスパイス、さらには心地よい余韻までがソーダ割りでも存分に楽しめる。
3.優しいスモーク香が包み込む、繊細で複雑なアロマとフレーバー
そして最後はスモーキーなシングルモルトの代表格である「アードベッグ」。なかでも、やわらかなスモークと繊細な甘さがソーダで引き立つ「アン・オー」を推す。筆者ならソーダと1対1で割って、その強烈な個性を堪能したい。好みで割合を変えられるのも、家で飲むウイスキー&ソーダの魅力。氷をたっぷり入れたグラスとよく冷えたソーダを用意して、ぜひ自分なりの黄金比を見つけてほしい。
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●今月の選酒人:西田嘉孝
ウイスキーライター。ウイスキー専門誌『Whisky Galore』や『Pen』などのライフスタイル誌、ウェブメディアなどで執筆。2019年からスタートしたTWSC(東京ウイスキー&スピリッツコンペティション)では審査員も務める。