ブラジルを代表する造園家・ランドスケープデザイナーのロベルト・ブルレ・マルクス(1909-1994年)が暮らし、研究を重ねた庭園が、7月27日に新たなユネスコ世界遺産に指定された。
オスカー・ニーマイヤーが建築を設計したパンプーリャの近代建築群やイビラプエラ公園において、造園の設計を担ったブルレ・マルクスは、その他にもコパカバーナ海岸沿いの歩道のデザインやイニョチン現代アートセンターの庭園など、数々の大規模プロジェクトを手がけたことで知られる。

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ブラジルで23件目となる世界遺産に指定された「ロベルト・ブルレ・マルクス庭園」は、ブルレ・マルクスが1949年に購入したリオデジャネイロ市西部バーハ・デ・グァラチーバの自然豊かな土地に、約40年にわたってモダニズムのコンセプトで設計した庭園だ。原生種を含む3,500種以上の植物が生育された約40ヘクタールの敷地は、いわばトロピカル・モダン庭園の実験場だったのだ。


建築における植物の配置や、色彩のコントラスト、あるいは、多様な植物の調和や熱帯・亜熱帯植物の使用など、そこでの試みを通じて得た知識と経験は、ブルレ・マルクスが国内外で庭園の設計を手がけるにあたり、大いに発揮されたのだった。
ブルレ・マルクスは晩年の85年に、この庭園の保存と自らの研究のブラジル社会への還元を願って連邦政府にその土地を寄付し、他界した94年からは、国立歴史遺産研究所がブルレ・マルクスの意思を受け継いで管理してきた。
これまで知る人ぞ知るスポットだったが、世界遺産指定により、建築・造園ファン以外の訪問者が増えそうだ。

ロベルト・ブルレ・マルクス庭園
営業時間:9時30分~13時30分
定休日:日、月、祝祭日)
入園料:10レアル(現金のみ)/60歳以上と学生は半額
http://sitiorobertoburlemarx.org.br