他国とは色のセンスが違う、ニューバランスのイギリス製シリーズの魅力はそこに

  • 写真・文:高橋一史
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イギリスに注文して届いた特製箱入りニューバランス「メイド・イン・イングランド」モデル。

これまで購入して履いてきたニューバランスは7足ほど。
エアマックス世代としては若い頃にナイキ、アディダスばかり追ってましたから(基本ナイキ)、ニューバランスは渋味を解する大人になって初めてトライ。
スニーカーマニアからすれば鼻先で笑っちゃう足数でしょうが、シューズを革靴からデザイナーズまで総合的に見るのが仕事な人間としては健闘(?)してるほうでしょう。
仕事関連で「足を入れてみた」程度ならもっと上回ります。
一時期は何ヶ月もほぼ毎日、一足のニューバランスを履き続けたときもありました。
2014年前後の大ブームのときに。

巷ではよく品番の数字が挙げられ、どの型が履きやすいか、どのルックスがいいかといった優劣が語られます。
ただ“ザ・ニューバランス”なレトロモデルに関しては、私の実感ではどれも大差なし。
そう言っちゃうとマニアな方に怒られそうですけど。
パッと見で型の区別がつかず機能も総じて良好ですから、品番うんちくに振り回されるとしんどい人生になると思っちゃうワケです。

ただひとつの目安として、レトロ時代の幻のフラッグシップだった「M1400」の復刻版は気にしていいかと。
大切な存在なためかレザーも高級素材が使われ、色もたいていベーシック。
どんな服装にも合いますし、 “大人のこれ一足” ならベストチョイスだと思いますね。

そしてもうひとつのニューバランス選びの目安が、ここに紹介する「メイド・イン・イングランド(UK)」シリーズ。
アメリカ製がステイタス扱いされるブランドですが、1982年から毎シーズン続くイギリス生産品がなんというか……洒落てるんです。
配色のセンスが秀逸。
スタイリッシュなときもあれば、ださカッコいいときもあり。
イギリスのストリートの若者を彷彿させるファッション性の高さが魅力です。
まずはデザイン力、それがメイド・イン・イングランド。

ただニューバランス・ジャパンで取り扱われない型もありまして、海外ECサイトで探すと見つかります。
ということで今年6月に、よく買い物するイギリスの「マッチズファッション」でお買い得品を発見してポチッと。
ブームから10年が過ぎ、ニューバランスのいい意味での野暮ったさ(いい意味で)を再び取り入れたくなり。
ニューノーマル生活でカジュアルな服装を好きなように着る時代にもなりましたし。
数日後にDHL便で手元に届きました。

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箱の裏蓋には工場のある湖水地方カンブリアが示された地図が。捨てられませんね、この箱は。

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箱から取り出した、本革スエードとメッシュのコンビモデル。スエードとメッシュを組み合わせた味わいで、ニューバランスの右に出るスニーカーはありません。ヒールカウンターが反射素材でストロボで光ってます。Nマークも光ってませんが実はリフレクター。

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おおっ、アウトソールがビブラムだっ。経験上、イタリアのビブラム社のソールは安定性・クッション性に優れ、耐摩耗性も格上という印象。滑りにくいし、さすがソール専業メーカーです。

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紐を通した出来上がりの「670」。最初から形がクタッとしていい感じ。半年前の冬に日本ブランドScyeのボルドー色ウールシャツ(CPOシャツ)を買い、その足元にしたくて購入しました。カラシ色のNマークは、私じゃ思いつかない配色。カッコいいのか悪いのかよくわかんない味わいがたまりません。

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固めのしっかりとしたカップインソール。もし足に馴染まなければ、別のものに交換します。ロゴマークがなくなる悲しさより、歩き疲れのほうがストレス大きいですから。

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ダンボールふうの箱の表蓋はイギリス自慢。文字スペースを左側に寄せ、右側に空間をつくった余白のある美しいレイアウト。

いつかイギリスに取材に行ける日がきたら、ニューバランスの工場に寄りたいです。
工場内を写した映像はネット上にあるものの、小綺麗なシーンばかりですからねえ。
取材の醍醐味って、そこにあるものを雑多に体感できる点にあります。
メーカー発信情報は、“広告”。
そうでない独自目線を持つからこその“メディア”だと思っておりますよ。

All photos © KAZUSHI

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。