フローリスト・越智康貴が偏愛する、内外兼用パジャマに注目

  • 写真:加藤佳男
  • 文:力石恒元
  • イラスト:阿部伸二(karera)

Share:

越智康貴(おち・やすたか)●1989年、埼玉県生まれ。フローリスト。2011年に「シアタープロダクツ」のディレクター武内昭とともに「ディリジェンスパーラー」をスタートさせる。また、古着屋「デプト」のオーナーeriと輸入雑貨店「ドナドナ トーキョー」を営んでいる。

東京・表参道ヒルズの地下1階でフラワーショップ「ディリジェンスパーラー」を営むフローリストの越智康貴さんは、学生時代に服飾を学び、現在も大の洋服好き。そもそもお洒落をしたいというより、洋服というモノ自体が面白くて買い続け、ボロボロの古着からハイブランドまでなんでも着る。そんなある時、アントワープの芸術アカデミー出身のデザイナーが手がけるブランド、エムエーデザビエの販売会で“72時間着続けられる”をコンセプトとしたこのパジャマに出合う。そこで、これまで着てきた洋服では感じたことのなかった、新たな満足感を得られたという。

「ウールのパジャマに袖を通した瞬間に満たされました。繊細なパイピング、ボタンのチョイス、糸の止め方など一つひとつのディテールに心躍ります。はちゃめちゃなワードローブの中でも登場回数が多く、仕事でも私生活でも定番です。スカーフやアクセサリーを合わせればレストランにも入れます」

居心地のいい服は自分をニュートラルな状態に整え、日常の外的なノイズを緩和する。洋服の特別な部分を探すより、着ていてなにも起きないということのほうが大切なのだと、このパジャマで気づいたそうだ。

カットソーやガウンなど、エムエーデザビエのさまざまなアイテムを10着以上所有している越智さん。写真のパジャマは上下セットで着ることがほとんどで、着こなしは自由。スニーカーでカジュアルに、ジャケットと革靴を合わせてシックにと、気分でアレンジ。

※Pen2020年9/15号「あたらしい定番と、自分のための定番」特集よりPen編集部が再編集した記事です。