21世紀にふさわしい新たなエレガンス、「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」に注目

  • 文:笠木恵司

Share:

  • Line

「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」の組立てが完成する直前。波形に光を反射するダブルカーブのサファイアクリスタル風防と、そのベゼルに注意深く溶接された中空のラグという特殊な構造がよくわかる。

2019年に発表されたオーデマ ピゲの新コレクション「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」が高い人気を背景に快進撃を続けている。バリエーションがますます多彩になるだけでなく、ストラップも充実。腕元をより個性的に演出できるようになった。

ダイヤルの顔つきはオーソドックスだが、少し傾けるだけで独創的なサイドビューが目を惹く。立体物である腕時計は、真正面だけでなく、手首に巻いてやや斜めから見た状態が最も美しく見えるようにデザインされているが、「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」は最新の高度な工業技術を惜しみなく導入することで、21世紀にふさわしい新たなエレガンスを創造したと評しても決して過言ではないはずだ。

1993年の「ロイヤル オーク オフショア」からおよそ四半世紀ぶり。まさに"満を持して"という言葉を体現するかのように2019年に発表された新コレクションは、ネーミングから異色だった。伝統と革新の調和を意味する4つのワード(Challenge: 挑戦 Own: 継承 Dare: 追求心 Evolve: 進化)を「CODE」として集約。「11.59」とは、新たな1日が始まるまであと1分の高揚感と期待が込められている。最後にブランド名を加えたのは、当時でも144年の伝統を誇る老舗マニュファクチュール自身が、このコレクションによって「新たな1日」を迎えるというメッセージではないだろうか。

いずれにしても、「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」の際立った特徴は、軽快でモダンな印象を与える革新的なケースにある。ベルトとの接合部であるラグは大胆な中空構造になっており、上部は極薄のベゼルに注意深く溶接されている。その一方で、下部はメンテナンス時などに着脱できるよう裏蓋に薄紙1枚程度の隙間で密着。これだけでも最先端の技術力がなければ不可能だったという。8角形のミドルケースもサイドビューを印象的にしているが、こうしたハイレベルな基本構造が多彩なバラエティを生み出すベースになっている。また、ダブルカーブとも呼ばれるサファイアクリスタルの風防も宝飾品のような煌めきを感じさせる。

ミドルケースの多様化も見逃せないポイント

ダイヤルは8層に塗り重ねられたラッカー仕上げ。半透明で深みのある色合いが高級感。アワーマーカーとロゴは18Kゴールド製で立体感の高いアプライド(植え込み)。

新コレクションにもかかわらず、発表当初から自動巻き3針、クロノグラフだけでなく、超複雑機構といわれるトゥールビヨンもラインアップ。老舗マニュファクチュールの底力を発揮したが、翌年には深紅のバーガンディやバープルなど5色の斬新なカラーダイヤルを追加して、嬉しい驚きをもたらした。ただし、平板な色味ではなく、深みのある上品なラッカー仕上げ。2019年のモデルと同様に8層を塗り重ねることで、美しい色彩を実現している。

そして、前述したミドルケースの多様化が、絶えざる自己革新の表明といえるだろう。2020年に発表されたモデルは、ベゼル・ラグと裏蓋は18Kホワイトゴールドだが、ミドルケースは18Kピンクゴールド。色違いなので構造がわかりやすいだけでなく、これほど個性的でスタイリッシュなラグジュアリー感は他にないのではないだろうか。このミドルケースに、新たな素材としてセラミックを採用したのが2021年の最新作だ。

近年は高級腕時計でもダイヤカラーが多様化。ブルーが定番化してグリーンがトレンドになっているが、パープルはまだ珍しいのではないだろうか。8層のラッカー仕上げによって質感のある色彩になっており、18Kピンクゴールドのケースが美しくコントラスト。

赤みがかった色合いのバーガンディで仕上げたダイヤルのモデル。18Kホワイトゴールドのケースがよく似合う。自社製自動巻きクロノグラフキャリバー4401を搭載、ケース径41㎜、パワーリザーブ約70時間。¥5,225,000(税込)

18Kホワイトゴールドのベゼル・ラグと裏蓋に、18Kピンクゴールドのミドルケースをコンビネーションしたモデル。8角形のスタイルだけでなく、サテン仕上げが施されていることが明瞭にわかる。アプライドで立体的な18Kピンクゴールドのアワーマーカーと針が呼応して絶妙なハーモニー。

ブラックセラミックをミドルケースに採用したクロノグラフが新登場

「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」の際立った特徴は、中空に造形されたラグが8角形のミドルケースを上下から挟み込むダイナミックな構造にある。このため別素材の組み合わせが可能となり、2020年に色違いのゴールドをコンビネーションしたモデルを追加。そして2021年の新作では、クロノグラフのミドルケースにブラックセラミックが採用された。

セラミックは表面硬度が極めて高く、傷がつきにくいという特性があることから、一般的には外部と接触するベゼルなどに使用される素材だ。これをミドルケースに使用するケースは珍しいが、金属とは異なった質感が加わることで、新しい雰囲気が生まれたといっていい。だからといって手を抜くわけではなく、原料の酸化ジルコニウムを特殊な方法でさらに強化。高硬度で焼結したセラミックをダイヤモンドツールで加工後に、熟練職人が手作業で磨き上げている。こうした綿密な工程が高品質につながるのである。

ミドルケースにブラックセラミックを採用した2021年の最新クロノグラフ。ベゼル・ラグと裏蓋は18Kピンクゴールド。ダイヤルもスモークグレーなので、ケースの構造がよくわかる。

18Kホワイトゴールドをベースにしたバージョン。ブラックセラミックのミドルケースとスモークグレーのダイヤルが呼応して、シャープでモダンな印象。

ケースバックから見られるクロノグラフのムーブメントも、自社開発の「キャリバー4401」を搭載。ベースムーブメントにクロノ機構を載せるモジュールスタイルではなく、ゼロから設計する一体型。複雑時計を得意とする屈指のマニュファクチュール、オーデマ ピゲの意欲が漲る最新鋭のクロノグラフ専用ムーブメントだ。コラムホイール式の垂直クラッチなので、プッシュボタンは軽快で針飛びの怖れもない。計測途中でも瞬時にリスタートできるフライバック機構も備えている。特許取得のゼロリセットメカニズムで、すべての指針がぴたりとゼロ位置に戻るのも心地よく感じる。

ブラックセラミックのモデルは、18Kホワイトゴールドと18Kピンクゴールドの2タイプ。どらちもダイヤルはヘアライン加工のスモークグレーなので、ベゼルとラグのラインが美しく映える。洗練された造形美が、セラミックという異素材でさらにアップグレードしたといえるだろう。

フライバック機構を備えたクロノグラフ・ムーブメント「キャリバー4401」を搭載。モジュール方式でなく一体型で開発された新作。その動きを視認できるだけなく、繊細な彫り模様などを楽しめる。オープンワークが施されたローターは22Kゴールド製。

ブラックセラミックのミドルケースに、スモークグレーダイヤルと18Kピンクゴールドのベゼル・ラグ、裏蓋を組み合わせたモデル。ケース径41㎜、パワーリザーブ約70時間(約3日間)、¥4,950,000(税込)

それだけなく、オーデマ ピゲブティックの2Fにあるカスタマーサービスではストラップを数多くラインアップした専用サロンを新設。多彩なカラーバリエーションはもちろん、アリゲーターやカーフ、ラバーなどの素材も豊富に揃えている。来店する時間的余裕がない場合は、ストラップ交換を全国どこからでも配送無料で受け付けてくれる。汗じみや傷みなどによる単純な交換に限らず、ストラップを別のタイプにするだけで腕時計全体の印象が大きく変わるので、より個性的な組み合わせにチャレンジできる。

また、オーデマ ピゲ カスタマーサービスでは最新のVRシステムを活用し、スイスのル・ブラッシュにある本社工房での腕時計づくりを、日本に居ながら体験できるサービスを開始した。「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」を組み上げていく各種作業を疑似体験できる。製作工程でさまざまな開発秘話なども特別に披露されるので、興味のある人はぜひ利用していただきたい。腕時計を持つ喜びや楽しみがさらに深まるはずだ。

オーデマ ピゲ ブティックではストラップの品揃えを充実した専用サロンを新設。

「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」だけでなく「ロイヤル オーク」「ロイヤル オーク オフショア」をはじめとするオーデマ ピゲの各種モデルに対応。素材やカラーバリエーションも豊富だ。

問い合わせ/オーデマ ピゲ ジャパン TEL:03-6830-0000

日本特別コンテンツ:https://borninlebrassus.audemarspiguet.com


21世紀にふさわしい新たなエレガンス、「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」に注目

  • 文:笠木恵司

Share:

  • Line

Hot Keywords