斬新なコレクションで時計通を魅了した、ロジェ・デュブイとは?

  • 文:笠木恵司 イラスト:西田真魚
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初代ブレゲを筆頭に、時計界では多くの天才を輩出してきた。現代の時計技術やデザインを大きく飛躍させたカリスマたちを紹介する。今回は、斬新なコレクションで、時計通を魅了させたロジェ・デュブイに注目。

1938年にスイス・ジュネーブに生まれ、15歳で時計学校に入学。やがて複雑時計の専門家として名声を得て工房を開設。学んだ時計学校で教鞭も執っていたが、ここまでは前史にすぎない。95年にカルロス・ディアスを共同経営者として自らの名前でブランドを設立してから、世界を舞台とする前代未聞の快進撃が始まった。当初からマニュファクチュールを標榜していたが、それから20年にも満たない短期間に30種類以上ものムーブメントを自社開発したブランドはほかにないはずだ。

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ロジェ・デュブイ
Roger DuBuis (1938~2017)

コレクションも大胆な躍動感に満ちており、たちまち一世を風靡。中でも超複雑なフライング・トゥールビヨンを2つ搭載したモデルは衝撃的で、現在も同ブランドのハイエンドなアイコンとなっている。さる10月14日に79歳で他界。

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ブランド設立直後のコレクション「シンパシー」。丸形と角形の共鳴が名称の由来。グラマラスな曲線によるシェイプが独創的。

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※Pen2017年12/1号「腕時計100の物語」特集よりPen編集部が再編集した記事です。