プロが指南する、讃岐うどんを打つ方法

  • 写真:殿村誠士
  • 編集&文:吉田けい 

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手順さえ押さえれば、特別な道具がなくてもつくれるのが、うどん。失敗することなく、コシのある讃岐風のうどんを打つ方法をプロに教わった。

実は、うどんは小麦粉と水、塩さえあれば、家庭でもつくれてしまうシンプルなもの。特に夏場は比較的短い時間でつくれるから、この夏ぜひトライしてみてほしい。自分の手で打つと、いっそうおいしく感じられるはずだ。

「せっかく手打ちするなら、小麦粉は国産の上質なうどん粉(中力粉)、塩はミネラル分を多く含む海塩を使ってください。それだけで味も食感も変わります。道具は、麺棒(ラップの芯で代用可)があれば、あとはボウルやまな板など家にあるもので十分」と指南役の山縣浩和さん。では早速、もっちりした歯ごたえ目指していざキッチンへ!

山縣浩和(やまがた・ひろかず)●うどんAGATA店主。父がうどんを打ち、母が出汁を引くという食にこだわる家庭に育つ。輸入自動車ディーラーに勤めたのち、一念発起して讃岐うどん店を開業。通販では生うどんの他、珍しい「生そうめん」も購入可能。

材料(4人分)
小麦粉(中力粉)…500g 
水(軟水)…225㎖(冬は250㎖) 
塩(海塩)…25g(冬は20g) 
酢…大さじ1 
片栗粉…適量

1. 水に塩を加え、完全に溶けるまで混ぜ合わせ、塩水をつくっておく。小麦粉をザルなどでふるい、大きめのボウルに入れ、塩水を2〜3回に分けて加える。加えるたびに、指を立てるようにして素早く小麦粉と水を混ぜ合わせる。水をすべて入れたら、指で延ばして、ダマをつぶすようにして混ぜる。

2. 生地の全体がしっとりしてきたら、ラップをかけて室温で10分(冬は30分)おく。こうすることによって小麦粉が水を吸い、まとめやすくなる。

3. ラップを取り外して、粉っぽさやダマがなくなるまでこねていく。生地を丸くひとつにまとめたらポリ袋に入れて空気を抜き、室温で30分(冬は1時間)おく。

4. ポリ袋から生地を取り出し、手のひらでつぶしてから、外側を内側に折り込むようにしてこねる(冬は生地が硬いので、ポリ袋に入れたまま足で踏んでもOK)。

5. 生地を指で押して、3分の1程度戻るくらいの弾力になるまでこねたら、再びポリ袋に入れて空気を抜き、室温で30分(冬は1時間)寝かせる。

6. ポリ袋から生地を取り出し、包丁で2等分する。まな板に打ち粉として片栗粉をふり、一方の生地を置き、生地にも打ち粉をふってから、手の大きさ程度までつぶし、綿棒で押し広げる。まずは生地の中央を押し、順に向こうへ綿棒を移動しながら押す。端まで押したら今度は中央から手前に向かって押し広げる。次に生地を90°回転させ、同様に中央から押し広げる。これを数回繰り返す。

7. 再び生地に打ち粉をふり、手前から綿棒に巻き付け、体重をのせるようにして転がして延ばしていく。生地が延びてきたら、綿棒を縦に持ち替え、逆回転させて生地を外し、生地が90°回転した状態で同様に手前から綿棒に巻き付けて延ばす。これを数回繰り返し、厚さが2.5㎜になるよう延ばす。

8. 広げた生地に打ち粉をふって、10㎝幅で折りたたみ、端から3㎜幅で切る。切り終えたら、麺をほぐしながら打ち粉を払い、2等分してまとめておく(これが2人前)。この麺が完成したらステップの6に戻り、残りの生地も延ばして切って麺にする。

9. 大きめの鍋にたっぷりの湯を沸かし、酢を加え、麺をゆでる。最初の1分は麺が沈まないように、箸で8の字に麺を混ぜ、あとは麺が湯の中で踊る程度の火加減で10分ゆでる。湯に酢を加えてゆでると、ツルツルとした食感の麺になる。

ザルなどで湯を切ってから流水で洗い、さらに氷水でしめた後、しっかりと水けを切る。つゆをかけ、好みの具や薬味を用意したら、冷やかけの完成。

うどんAGATA
神奈川県中郡大磯町月京29-7
TEL:0463-68-6888
営業時間:11時~14時L.O.
定休日:木、金

※営業日時・内容などが変更となる場合があります。事前に確認をお薦めします。

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※Pen2020年8/15号「夏の麺喰い。」特集よりPen編集部が再編集した記事です。