U-NEXTで続々配信へ。大ヒットドラマをつくり続けるHBOのこれだけは外せない傑作6選

  • 文:今祥枝

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『メディア王~華麗なる一族~』は、 第72回エミー賞で作品賞を含む7部門を受賞した。© 2021 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.

コロナ禍のステイホームでの需要も高まり、定額制動画配信サービスの躍進が目覚ましい。改めて多くの質の高い作品に触れる機会も増える中で、現代の海外TVシリーズや配信オリジナル作品の質の高さを実感した人も多いに違いない。映画並みのスケール、映画並みのクオリティ、地上波では不可能な表現。このように評されるアメリカのテレビの黄金時代を牽引し、品質保証の代名詞とも言えるブランドを築いているのが、アメリカのワーナーメディア傘下のプレミアム・ケーブル局「HBO(Home Box Office)」である。

HBOって何? と思った人でも、巨費を投じた超大作『ゲーム・オブ・スローンズ』や、赤裸々なセックス描写も画期的だった『セックス・アンド・シティ』などのヒット作を生み出している放送局と聞けば、イメージがわくだろうか。世界各国でサービスを展開し、高い視聴料で多くの契約者を抱えるHBOは、潤沢な資金力を持ち、スポンサーに縛られないことからクリエイティビティの自由度が高い。これは近年Netflixについて論じられることが多いが、そもそもの雛型はHBOと言っていい。2000年代以降、HBOのヒット作はプライムタイム・エミー賞ほか主要なアワードの常連だ。




1972年に開局したHBOが、現在に至る快進撃の口火を切ったのは1990年代のオリジナル番組だ。1997年から始まった刑務所を舞台にした異色作『OZ/オズ』のインパクトは絶大だった。以後、1998年の『セックス・アンド・ザ・シティ』、1999年には現代のマフィアを描いた『ザ・ソプラノズ』と社会現象を巻き起こすヒット作を連発。また、通好み過ぎる刑事ドラマ『THE WIRE /ザ・ワイヤー』(2002年〜2008年)のように、視聴者数は多くはなくとも語り継がれる名作も。

常に賞狙いとも言える重厚な作品を送り出す一方で、時代時代で流行りの題材に挑む姿勢もHBOならでは。ヴァンパイアドラマ『トゥルーブラッド』(2008年~2014年)やZ世代を描いた『ユーフォリア』(2019年~)、異色のアメコミ『ウォッチメン』など、同時代の似た題材のヒット映画やドラマと比べると、「HBOならこう作る」といった確固たるビジョンや革新性が見て取れるはずだ。

映画業界の人材をドラマへ次々と起用

リドリー・スコットが手がけるSF超大作『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星』は、シーズン1 全10話がU-NEXTにて見放題で独占配信(毎週木曜日に新エピソード配信中)。©2021 WarnerMedia Direct, LLC. All Rights Reserved. HBO Max™ is used under license

一方で、今でこそ珍しいことではなくなったが、名だたるハリウッドのスターや有名監督ら映画業界のビッグネームがテレビ業界に参入する流れを作ったのもHBOである。スティーヴン・スピルバーグとトム・ハンクスが手がけた『バンド・オブ・ブラザース』や『ザ・パシフィック』、アル・パチーノやメリル・ストリープ共演の『エンジェルス・イン・アメリカ』、マーティン・スコセッシが手がけた『ボードウォーク・エンパイア 欲望の街』など、関連会社のワーナー・ブラザースほか映画業界との強いコネクションを生かした作品作りでも知られる。このようなHBOのブランド力を強みとして、ワーナーメディアが提供する新たな定額制動画配信サービスが、2020年にアメリカでローンチした「HBO Max」である。

ここで簡単に整理しておくと、HBO Maxには同サービスのオリジナル番組とHBO作品、およびワーナーメディア傘下の作品群が含まれる。日本では独立系サービスのU-NEXT(ユーネクスト)が月額見放題配信での独占パートナーシップを締結し、4月1日からHBOおよびHBO MAXオリジナルの新作や一部人気作が順次配信となっている。リドリー・スコットが手がけるSF超大作『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星』や『ビッグバン★セオリー』のケイリー・クオコ主演のコメディスリラー『The Flight Attendant(原題)』のほか、ケイト・ウィンスレット主演の『Mare of Easttown(原題)』、DCコミックスに基づく『Doom Patrol(原題)』も楽しみなところ。

物議を醸しているウディ・アレンの性的虐待疑惑をめぐる『Allen V Farrow(原題)』などのドキュメンタリーにも強く、『チェルノブイリ ーCHERNOBYLー』や『ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤』といった欧州との共同制作による大型の作品群もHBOブランドの大きな魅力だ。

また、他局で放送されていた『フレンズ』のオリジナルキャストがリユニオンするスペシャル番組や、『ゴシップガール』の再起動版などもHBO Maxの新作として待機している(U-NEXTでの配信は未発表)。そのラインナップは通好みであると同時に、話題性にも事欠かない。作品選びに迷ったら、まずはHBOブランドの作品をチェックするのが賢い選択と言えそうだ。

U-NEXTで観られる、これだけは外せないHBOブランドのドラマ6選

『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星』

『エイリアン』『ブレードランナー』のリドリー・スコットが手がけたSF大作シリーズ。戦争の末に地球が滅びた近未来。未開の惑星ケプラー22bで、人間の子供たちを育てる使命を負ったアンドロイドのマザーとファーザーの前に、人類の生き残りが現れる。

謎の数々に壮大なバトル、アンドロイドの感情や自我、科学と信仰、死と再生と記憶といった哲学的テーマをはらんだ深遠な物語が展開する。最初の2話を自ら監督しているスコットの美学が、徹底して貫かれた映像世界は圧巻!シーズン1 全10話がU-NEXTにて見放題で独占配信(毎週木曜日に新エピソード配信中)。

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『チェルノブイリ ーCHERNOBYLー』

1986年に起きたチェルノブイリ原子力発電所の事故。未曾有の惨事となった事故当時、何があったのかを膨大な資料に基づき再現しながら、旧ソ連が行った非道な隠蔽行為やずさんな管理体制、そして嘘を重ねる関係者らの姿に問題の根深さが浮き彫りに。日本人にとっても身近に感じられる原発事故という題材はもとより、過ちを繰り返す国家の隠蔽体質など、現代社会を映したメッセージの数々に震撼する。

ジャレッド・ハリス、ステラン・スカルスカルスガルド、エミリー・ワトソンら実力派俳優による重厚なアンサンブル演技も見もの。エミー賞、ゴールデングローブ賞ほかを総なめにした実録ドラマの金字塔だ。U-NEXTで全5話が配信中。

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『ビッグ・リトル・ライズ』

ある人物の死をめぐる謎を、ママ友同士の複雑な関係性や各家庭が抱える問題と共に描くミステリー。リース・ウィザースプーン、ニコール・キッドマンらオスカー俳優が企画から携わり、ベストセラー小説『ささやかで大きな嘘』をドラマ化した。

ローラ・ダーン、ゾーイ・クラヴィッツ、アレクサンダー・スカルスガルド、シーズン2にはメリル・ストリープと豪華共演。Amazonスタジオなどが断った企画をHBOが実現させて賞レースを席巻。また、女性の連帯を描いた作品のテーマと現場も含めた女性主体の作品作りは、2017年にシーズン1が放送された当時、MeToo運動の盛り上がりも後押しとなり記録的なヒットとなった。U-NEXTでシーズン1&2(各7話)が配信中。

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『ユーフォリア/EUPHORIA』

HBOと『ムーンライト』『ミッドサマー』などの気鋭のスタジオ、A24がタッグを組み、デジタルネイティブのZ世代のリアルを描いたドラマ。不安と混乱に満ち、暴力やセックス、ドラッグが身近にある10代の若者の日常は過酷だが、スタイリッシュな映像美と音楽が融合した”多幸感”あふれる映像に酔いしれる。

酒とドラッグに溺れる主人公を熱演したゼンデイヤがプライムタイム・エミー賞を受賞。共演はトランスジェンダーのモデルで活動家のハンター・シェイファー、プラスサイズモデルで俳優のバービー・フェレイラほか。昨年12月にアメリカで放送された2話の特別番組も高評価。今夏、 U-NEXTにて見放題で独占配信予定。日本初上陸の特別番組も配信予定。

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『メディア王~華麗なる一族~』

『マネー・ショート 華麗なる大逆転』『バイス』のアダム・マッケイが製作総指揮(兼エピソード監督)を手がける風刺の効いたブラックかつシニカルなドラマ。ルパート・マードックらをモデルにしたとされる世界的メディア企業を牛耳るローガン・ロイと、その後継者問題でお互いを出し抜こうとする4人の子供たちの愛憎を描く。

ブライアン・コックス、ジェレミー・ストロング、サラ・スヌーク、キーラン・カルキンらが、アクの強いキャラクターを好演。白人の特権階級に対する鋭い視点とシニカルでブラックなユーモアも秀逸で、賞レースを席巻中だ。U-NEXTでシーズン1&2(各10話)が配信中。

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『バリー』

『サタデー・ナイト・ライブ』でも知られる才人ビル・ヘイダーが、企画、製作総指揮、監督、脚本、そして主演を兼ねたブラックコメディ。元海兵隊員で孤独に悩む殺し屋バリー・バークマンが、殺しを請け負いながら成り行きで入った演劇クラスで演技の魅力に目覚め、傾倒していく。殺し屋を辞めて別人生を歩もうとするが、そううまくは行かず、ドツボにハマってシュールな展開に……。

これぞ玄人好みのHBOでしか実現できないと思わされる異色作。バリーを怪演するヘイダーはプライムタイム・エミー賞を2年連続で受賞。同じく賞に輝く演劇教師役のベテラン、ヘンリー・ウィンクラーとの共演も見もの。U-NEXTでシーズン1が配信中、日本初上陸のシーズン2は5月12日から配信スタート(各8話)。

© 2021 Home Box Office, Inc.

問い合わせ先/U-NEXT
https://video.unext.jp/

U-NEXTで続々配信へ。大ヒットドラマをつくり続けるHBOのこれだけは外せない傑作6選

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