D&DEPARTMENTの服の染め直しサービスが、初のネット受付をスタート!

  • 文:高橋一史

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服の染め直しサービス、「ディアンドリウェア」の今季色はマキアート。

「レス・イズ・モア(Less is More)」。少ないほど豊かであるというこの言葉は近代建築の三大巨匠のひとり、ミース・ファン・デル・ローエの標語だが、現代に生きる私たちの心にも深く響く。SDGsはもとよりステイホームの生活を経験して、暮らしに本当に必要なものは何かを考えるようになった人は多いだろう。衣食住の衣である服も存在意義が問われ、余剰生産品を減らす動きが広がる中でリユース市場が盛り上がり、手持ちの服を再活用する考え方も生まれている。

ロングライフデザインを掲げるディアンドデパートメント(D&DEPARTMENT)が2014年から続けている服の染め直しサービス「ディアンドリウェア(d&RE WEAR)」は、着ない服、着れない服に新たな生命を吹き込んで日の目を見させるプロジェクトだ。イベントは主に年2回行われ、毎回テーマカラーが1色設定されている。この色選びがいつもハイセンスで、今回の21年春夏はカフェ系のマキアートである。モカ、カフェオレといったニュアンスのあるブラウンは女性を中心に人気が続くトレンドカラー。古い服を最新デザインのようにでき、色あせやシミを目立たなくするためにも効果的である。

サービスを利用できる服はヴィンテージでもデザイナーズでもOKだが、素材は綿、麻、シルクの天然素材に限られる。ナイロンやポリエステルといった化繊は染まらないので、判別できる製品表示つきの服でないといけない。裏地がついた服もNGだ。難しいのは天然素材と化繊が混ざったケースで、サービスは受けられるが色が薄くなるなどの結果になりやすい。もっとも製品染め(後染め)は、プロでも仕上がりの判断が難しい技術。天然素材100%であっても、味のあるビンテージウエアに出合うような期待感でトライするのが吉だろう。

サービスの価格はシャツで¥3,850(税込)、ジャケットで¥5,500(税込)。その他も細く設定され、受付できない服や注意事項も多いので必ず記事末に掲載したウエブサイト情報をチェックしよう。今回から待望のネット受付がスタートしたが、店頭で相談できない分慎重を期したい。受付締め切りは5月5日(水)、仕上がりは8月初旬の予定だ。

永遠性のあるワードローブをベースにして、新しい服を少し足して変化を愉しむファッションがスタンダードになる時代が目の前に迫っている。ディアンドリウェアのサービスが、捨てずに長く着る道を発見する手助けになるかもしれない。

左が染め直し前で、右が染め直し後。天然素材100%だとムラが少なく染まりやすい。

タンスの奥に眠った服も、染め直しで新しい服に変身する。高温の液体で染めるため縮むことも。

生地が天然でも縫製糸が化繊のときは生地だけが染まる。まったく異なる服に変化するのも染め直しの味だ。

ボタンの紛失や破損を防ぐため、申込み前に取り外しておくことが推奨されている。

問い合わせ先/de&RE WEAR
www.d-department.com/item/DRE_WEAR.html

D&DEPARTMENT
www.d-department.com