"美味しい"埼玉を新発見する、「埼玉県新商品AWARD 2020」の受賞商品を発表します。

  • 文:和田達彦

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「埼玉県新商品AWARD 2020」で大賞を受賞した「秩父ルージュ 2019 秩父市兎田地区収穫 兎雪 YUKI」と秩父鹿のロースト。"秩父ジビエ料理に合うワイン"をテーマにつくられたという。

埼玉県の魅力ある商品を発掘する「埼玉県新商品AWARD 2020」の受賞商品が決定した。一般社団法人埼玉県物産観光協会が主催する同アワードは、発掘した商品を国内外に発信することで「SAITAMA BRAND」を確立し、埼玉県の産業を持続的に発展させることを目的として開催されたもの。第1回となる今回は、2020年2月1日から2021年1月31日の間に新発売された商品が対象となり、2月16日に行われた審査会には60点がエントリーした。

大賞の「秩父ルージュ 2019 秩父市兎田地区収穫 兎雪 YUKI」。2015年から自社醸造所での生産をスタートした同ワイナリーは、2ヘクタールの自社畑や秩父の契約農家のブドウを用い、「秩父生まれ、秩父育ちの秩父産ワイン」にこだわったワイン造りを行っている。

記念すべき第1回の大賞には、株式会社秩父ファーマーズファクトリー 兎田ワイナリーの「秩父ルージュ 2019 秩父市兎田地区収穫 兎雪 YUKI」が選ばれた。このワインは、"秩父ジビエ料理に合うワイン"をテーマに、秩父の醸造家とイタリア料理のシェフが醸造や熟成などを相談してつくったもの。「富士の夢」と「マスカット・ベーリーA」という2品種のブドウからつくられた赤ワインをウイスキー樽で熟成した後に、ローストした国産のミズナラ材の木片を浸漬させている。 「富士の夢」主体ならではの色調の濃さと野生味に、ウイスキー樽由来のボリューム感とスモーキーさ、アロマが加わり、さらにミズナラ材の奥ゆかしい甘い香りが漂う逸品だ。

金賞を受賞した、錫光の「こなから酒器セット」。対になる片口とぐい呑は、素材の錫そのもののもつ魅力や特性が生かされ、伝統的製法であるロクロ挽きならではのツヤが美しい。

川口市の錫光は、1987年に設立された錫専門の工房。現代の名工として表彰された先代・中村光山(こうざん)氏と現当主の中村圭一氏の親子2代にわたって伝統的製法にこだわって錫器を製作している。鋳型で成型した後、ロクロに固定し、カンナで削りながら形を整えて仕上げる錫器は、すべての工程がひとりの職人が担当。金賞を受賞した「こなから酒器セット」は、片口とぐい呑のペア。錫の器は昔から酒の味をまろやかにすると言われるが、晩酌に最適な逸品だ。

「こなから(小半)」とは一升の半分のそのまた半分という意味で、通常は二合半の量を指すが、そこから転じて少量またはほどよい量を意味する言葉でもある。セットの酒器は片口が約100ml入、ぐい呑は約35ml入。3回注いで今日一日の締めくくりとするのに"ちょうどいい酒器"という意味が込められている。デザインやつくりのよさ、そして鋳物の町川口ならではの商品であることなどが評価され、金賞に輝いた。

金賞とグローバル賞を受賞した、ノースコーポレーションの「秩父ルージュとブドウの搾りかすを使った焼肉のタレ」。赤身肉との相性が特によく、焼肉の他、ローストビーフのソースにぴったり。またご飯と合わせたローストビーフ丼などもお薦めだ。

また、海外でも埼玉県産品の認知と価値の向上が期待できる上質な商品に与えられるグローバル賞には、株式会社ノースコーポレーションの「秩父ルージュとブドウの搾りかすを使った焼肉のタレ」など13商品が選ばれた。香り豊かな焼肉のタレは、兎田ワイナリーの赤ワイン「秩父ルージュ」と、ワインをつくる際に出るブドウの搾りかすを使ったもの。ブドウの豊かなポリフェノールとタンニンが、脂の乗った埼玉武州和牛から鉄分の多い秩父の鹿肉まで優しく力強く受け止めてくれる。ちなみに大賞を受賞したワインでもコラボしたノースコーポレーションの門平光正シェフと兎田ワイナリーの深田直哉氏は、小中高と同じ学校の先輩後輩なのだとか。

「埼玉県新商品AWARD 2020」では、他にも埼玉県ならではの魅力的な新商品が選ばれている。埼玉県物産観光協会では、埼玉公式観光情報サイト「ちょこたび埼玉」で受賞商品を紹介しているので、ぜひチェックしてみてはいかがだろう。

「ちょこたび埼玉」は、埼玉県内のお薦め観光スポットやイベントを紹介するポータルサイトだ。埼玉県に遊びに行く際はぜひ利用したい。

問い合わせ先/

・ちょこたび埼玉
https://chocotabi-saitama.jp/

・埼玉県新商品AWARD2020
https://chocotabi-saitama.jp/award/